スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (62)
2011.11.16 Wed
「いや、南条がうるさいんだよね、何かあったら危ないから、あんま運転すんな、て。だから、ディーラーに乗せられて買ったはいいけど、殆ど乗れてない、ていう。でもさ、普段から乗ってないと、そのほうが危ない気しない?」
「は、はぁ…」
「ん? 大丈夫だよ、全然乗ってないわけじゃないから、そんなに怯えるほどのレベルじゃないし」
「や、そうじゃなくてっ、あの、」
琉の運転の腕は、もちろん疑ってはいない。100%、遥希よりうまいに決まっている。
そうでなくて、本当にこの車に乗るのが遥希が最初なのだと知って、仰天して、呆然となってしまったのだ。
(琉の車に……助手席に、一番に乗った…)
これから先、この車にはいろんな人が乗って、きっとその中には琉の彼女となる人もいて、助手席にも座るんだろう。
でも、一番は遥希。
くだらない優越感だけれど、嬉しいものは嬉しい。
「じゃ、しゅっぱーつ」
そんなささやかな遥希のドキドキに気付かず、琉はのん気にそう言って、車を発進させた。
*****
琉との会話は楽しいし、話すことがなくても、一緒にいる空間は、沈黙が少しも気にならない。
…それに、運転している琉の横顔が格好いい(あんまりジロジロ見ていると、何だか見つめているみたいに思われそうだから、時々チラッとしか見れなかったけれど)。
でも、楽しい時間はあっという間で、気付けばもう、遥希の住むアパートが見えてきた。
南条の運転で、1度遥希の家まで行ったことがあるとはいえ、もちろんそれで完璧に道を覚えられるはずもなく、結局カーナビが頼りだった(というか、遥希のナビが下手くそなのも一因だ)。
「ハルちゃん、また遊ぼうね?」
アパートのそば、邪魔にならないところに停車し、遥希が車を降りると、琉は優しい顔でそう言った。
けれど、俺なんかが琉と仲良くして迷惑じゃない? という心配と、一緒にいるとドキドキが治まらない…という思いから、遥希は戸惑う。
「お酒抜きでいいから」
遥希が、酔っ払って潰れたことを相当気にしているせいで返事が出来ないと思ったのか(もちろん、相当気にはしているが)、琉はそう言ってくれた。
遥希だけが特別なんじゃないとしても、そう言ってもらえるのは……やっぱり嬉しい。
「ね? また遊ぼ?」
「は…はい」
「ハルちゃん、敬語」
「あ、はいっ、あっ…う、うん…?」
何とかがんばって、今まで敬語でなく話していたが、咄嗟のことになると、どうしても敬語になってしまう。
琉に指摘され、慌てて言い直したら、吹き出されてしまった。
back next
「は、はぁ…」
「ん? 大丈夫だよ、全然乗ってないわけじゃないから、そんなに怯えるほどのレベルじゃないし」
「や、そうじゃなくてっ、あの、」
琉の運転の腕は、もちろん疑ってはいない。100%、遥希よりうまいに決まっている。
そうでなくて、本当にこの車に乗るのが遥希が最初なのだと知って、仰天して、呆然となってしまったのだ。
(琉の車に……助手席に、一番に乗った…)
これから先、この車にはいろんな人が乗って、きっとその中には琉の彼女となる人もいて、助手席にも座るんだろう。
でも、一番は遥希。
くだらない優越感だけれど、嬉しいものは嬉しい。
「じゃ、しゅっぱーつ」
そんなささやかな遥希のドキドキに気付かず、琉はのん気にそう言って、車を発進させた。
*****
琉との会話は楽しいし、話すことがなくても、一緒にいる空間は、沈黙が少しも気にならない。
…それに、運転している琉の横顔が格好いい(あんまりジロジロ見ていると、何だか見つめているみたいに思われそうだから、時々チラッとしか見れなかったけれど)。
でも、楽しい時間はあっという間で、気付けばもう、遥希の住むアパートが見えてきた。
南条の運転で、1度遥希の家まで行ったことがあるとはいえ、もちろんそれで完璧に道を覚えられるはずもなく、結局カーナビが頼りだった(というか、遥希のナビが下手くそなのも一因だ)。
「ハルちゃん、また遊ぼうね?」
アパートのそば、邪魔にならないところに停車し、遥希が車を降りると、琉は優しい顔でそう言った。
けれど、俺なんかが琉と仲良くして迷惑じゃない? という心配と、一緒にいるとドキドキが治まらない…という思いから、遥希は戸惑う。
「お酒抜きでいいから」
遥希が、酔っ払って潰れたことを相当気にしているせいで返事が出来ないと思ったのか(もちろん、相当気にはしているが)、琉はそう言ってくれた。
遥希だけが特別なんじゃないとしても、そう言ってもらえるのは……やっぱり嬉しい。
「ね? また遊ぼ?」
「は…はい」
「ハルちゃん、敬語」
「あ、はいっ、あっ…う、うん…?」
何とかがんばって、今まで敬語でなく話していたが、咄嗟のことになると、どうしても敬語になってしまう。
琉に指摘され、慌てて言い直したら、吹き出されてしまった。
back next
- 関連記事
-
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (63) (2011/11/17)
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (62) (2011/11/16)
- 映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (61) (2011/11/15)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
ちよ ⇒
は~ぅ…(´Д`)=3
楽しい時間は終わっちゃったけど、また遊ぼうね!だって。
車の助手席、ハルちゃんが一番最初の人だけど、琉くんのことだから、二番目の人は居ないんじゃないかな?
きっとハルちゃんの特等席だよ。(= ̄▽ ̄=)V
楽しい時間は終わっちゃったけど、また遊ぼうね!だって。
車の助手席、ハルちゃんが一番最初の人だけど、琉くんのことだから、二番目の人は居ないんじゃないかな?
きっとハルちゃんの特等席だよ。(= ̄▽ ̄=)V
- |2011.11.16
- |Wed
- |18:13
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
ハルちゃんにとっては、醜態を見せつつも、夢のような時間だったんですが、現実に戻るときがやってまいりました。
でも新車の助手席に初めて乗せるなんて、普通、特別な相手ですよね。
特別じゃない人を初めて乗せざるを得なかったら、初めて、なんてこと、相手には言わないはず。。。
ハルちゃんの特等席だよ、て、ちよさんの言葉、ハルちゃんに聞かせてあげたいです~~!!!
コメントありがとうございました!
でも新車の助手席に初めて乗せるなんて、普通、特別な相手ですよね。
特別じゃない人を初めて乗せざるを得なかったら、初めて、なんてこと、相手には言わないはず。。。
ハルちゃんの特等席だよ、て、ちよさんの言葉、ハルちゃんに聞かせてあげたいです~~!!!
コメントありがとうございました!
- |2011.11.16
- |Wed
- |22:52
- |URL
- |EDIT|