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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (63)
2011.11.17 Thu
「じゃあね」
「…うん」
ずっと夢みたいな時間が続いていたから、遥希はちょっと贅沢になってしまったのかもしれない。…だって、琉とバイバイするのが寂しいなんて。
一緒にいられるだけで、こんな幸運なことなんてないのに。
「ハルちゃん?」
車を降りてもドアを閉めないまま突っ立っていた遥希に、琉が不思議そうに声を掛けてきた。
「あ、あの…えっと…、琉…、……帰る?」
「へ?」
「え、う、なっ何でもない、ですっ! 送ってくれてありがとうございま、あ、あの、」
思わず口走ってしまった言葉に、遥希は、自分の顔が赤くなるのが分かった。
琉がもう帰ってしまうのが寂しいのもそうだけど、いろいろお世話になっているし、上がってお茶でも…みたいなことを言ったほうがいいんだろうか、とか思って、そんなの変かな? でも友だちだって、そういうの変じゃないよね? お礼だもんね、でも琉、夕方から仕事て言ってたから、そんな時間ないのかな? てかそれ以前に、お茶とか、そんな気の利いたアイテムなんかない気がする……と、いろいろ考え過ぎ、でも結果、出た言葉は『帰る?』だったのだ。
キョトンとしている琉に、遥希は我に返ったが、何と言っていいか分からなくて、アワアワしてしまう。
だって、いくら何でも、一言に凝縮しすぎだ。
「…ゴメン、ハルちゃん。これから仕事だからさ」
「い、いや、いいんです! あ、あの、こないだから、送ってもらったりいろいろお世話になってるから、上がってお茶でもとか思って、あのっ、別に変な意味じゃっ…」
焦り過ぎて、遥希はすごい早口で捲し立てた。
もう、何が何だか、よく分からない。
「じゃ、今度ハルちゃんちに遊び来よっかな」
「えぇっ!?」
「え、ダメ? 今、誘ってくれたのに?」
自分でも何を言っているか分からないくらい慌てていた遥希は、琉の思い掛けない言葉にさらに驚いて、声を引っ繰り返してしまう。
遥希自身も、これは挙動不審すぎると思ったのだが、やはり琉も苦笑していた。
(そうだよね、おかしいよね、俺。何でこんなパニックなってんの? だって…、だって琉が~~~~~!!!)
別に琉は何も悪くないのだけれど、でも遥希がパニックに陥っている原因は琉にあるわけで、あぁ琉が苦笑いしてる……て、え、琉、ホントに来たいの?
「また遊ぼ。またメールするし。ハルちゃんもメールとかして?」
「は、はい!」
「うん、でしょ?」
「う、ん…」
まだパニック冷めやらない遥希は、何とか必死にコクンと頷いた。
遥希が返事をすると、琉は満足そうに笑う。
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「…うん」
ずっと夢みたいな時間が続いていたから、遥希はちょっと贅沢になってしまったのかもしれない。…だって、琉とバイバイするのが寂しいなんて。
一緒にいられるだけで、こんな幸運なことなんてないのに。
「ハルちゃん?」
車を降りてもドアを閉めないまま突っ立っていた遥希に、琉が不思議そうに声を掛けてきた。
「あ、あの…えっと…、琉…、……帰る?」
「へ?」
「え、う、なっ何でもない、ですっ! 送ってくれてありがとうございま、あ、あの、」
思わず口走ってしまった言葉に、遥希は、自分の顔が赤くなるのが分かった。
琉がもう帰ってしまうのが寂しいのもそうだけど、いろいろお世話になっているし、上がってお茶でも…みたいなことを言ったほうがいいんだろうか、とか思って、そんなの変かな? でも友だちだって、そういうの変じゃないよね? お礼だもんね、でも琉、夕方から仕事て言ってたから、そんな時間ないのかな? てかそれ以前に、お茶とか、そんな気の利いたアイテムなんかない気がする……と、いろいろ考え過ぎ、でも結果、出た言葉は『帰る?』だったのだ。
キョトンとしている琉に、遥希は我に返ったが、何と言っていいか分からなくて、アワアワしてしまう。
だって、いくら何でも、一言に凝縮しすぎだ。
「…ゴメン、ハルちゃん。これから仕事だからさ」
「い、いや、いいんです! あ、あの、こないだから、送ってもらったりいろいろお世話になってるから、上がってお茶でもとか思って、あのっ、別に変な意味じゃっ…」
焦り過ぎて、遥希はすごい早口で捲し立てた。
もう、何が何だか、よく分からない。
「じゃ、今度ハルちゃんちに遊び来よっかな」
「えぇっ!?」
「え、ダメ? 今、誘ってくれたのに?」
自分でも何を言っているか分からないくらい慌てていた遥希は、琉の思い掛けない言葉にさらに驚いて、声を引っ繰り返してしまう。
遥希自身も、これは挙動不審すぎると思ったのだが、やはり琉も苦笑していた。
(そうだよね、おかしいよね、俺。何でこんなパニックなってんの? だって…、だって琉が~~~~~!!!)
別に琉は何も悪くないのだけれど、でも遥希がパニックに陥っている原因は琉にあるわけで、あぁ琉が苦笑いしてる……て、え、琉、ホントに来たいの?
「また遊ぼ。またメールするし。ハルちゃんもメールとかして?」
「は、はい!」
「うん、でしょ?」
「う、ん…」
まだパニック冷めやらない遥希は、何とか必死にコクンと頷いた。
遥希が返事をすると、琉は満足そうに笑う。
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