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映画のような恋がしたい。(だって最後は決まってハッピーエンドだ。) (61)
2011.11.15 Tue
後ろ頭をさすりながら、遥希は涙目になりつつ、一応、大丈夫だと答えてみる。
痛い痛くないより、1人でバタバタしてしまったことが恥ずかしい(さっきもおでこぶつけたし…)。
「ゴメンなさい…」
「いや、俺はいいけど、ハルちゃん、ホントに大丈夫? ケガしてない?」
「平気…」
椅子を引っ繰り返したり、テーブルに後頭部をぶつけたりした音は大きいが、実際に遥希の被害は殆どなくて平気なのだが、琉は、「よしよし」とそのおでこをさすってくれる。
これだけ派手にバタバタすれば、心配するのは当然だが、それにしても、この心配の仕方は…!
琉は無意識なんだろうけど、その仕草が、まるで恋人を甘やかすみたいだから、遥希は無駄に心拍数を上げてしまう。
こんなことされたら、勘違いしそうになるから、やめてよ。
「ハルちゃん? そんな心配そうな顔しないで? こないだ、南条の運転だけど、ハルちゃんちまで1回行ってるから、道なら大丈夫だし。まぁナビも付いてるけど」
遥希が気掛かりそうな顔をしていたのを、琉が道に不案内なせいだからだと本気で思ったのか、それともそんな顔をしている遥希を笑わせたかったのかは分からないが、どこまでも優しい琉に、遥希はがんばって笑顔を作った。
*****
遥希は、高校を卒業してすぐに車の免許を取ったけれど、それから地元を離れて一人暮らしをしているので、車の運転は、実家に帰ったときの年数回しかしたことがない、ペーパードライバーだ。
まだ大学生だし、もともとそんなに車に興味もないので、車を欲しいとも、いつかこんな車を買いたいとも、考えたことは実はなかった。
だから、マンションの地下駐車場で琉の車を見ても、それが人気車種の最新モデルだということにも気付かず、左ハンドルだから外車かな? くらいにしか思っていなかった。
「あ、こっちじゃないっ」
左ハンドルの車だと分かっていたのに、普段助手席に乗るときの癖で、遥希はつい車体の左側に行ってしまい、琉に「ん?」と言う顔で振り返られ、慌てて助手席のほうへ回った。
「…この車、」
「ん?」
「琉の? こないだ乗ったのと、違う」
先日、南条の運転する車に乗ったとき、遥希は後部座席に座ったけれど、確か運転席は右側だったし、車の色も違う。
もしかして遥希は、琉の車の助手席に乗せてもらえているのだろうか。しかも、琉自身が運転する。
「あぁ、こないだのは会社のだよ。これは俺の車。先月買ったばっかだから、誰か乗せんのは、ハルちゃんが初めてだよ?」
「へぇっ!?」
琉がサラッと、ビックリするようなことを口走るので、遥希は声を引っ繰り返してしまった。
遥希が一番なの? この車に乗るの。
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痛い痛くないより、1人でバタバタしてしまったことが恥ずかしい(さっきもおでこぶつけたし…)。
「ゴメンなさい…」
「いや、俺はいいけど、ハルちゃん、ホントに大丈夫? ケガしてない?」
「平気…」
椅子を引っ繰り返したり、テーブルに後頭部をぶつけたりした音は大きいが、実際に遥希の被害は殆どなくて平気なのだが、琉は、「よしよし」とそのおでこをさすってくれる。
これだけ派手にバタバタすれば、心配するのは当然だが、それにしても、この心配の仕方は…!
琉は無意識なんだろうけど、その仕草が、まるで恋人を甘やかすみたいだから、遥希は無駄に心拍数を上げてしまう。
こんなことされたら、勘違いしそうになるから、やめてよ。
「ハルちゃん? そんな心配そうな顔しないで? こないだ、南条の運転だけど、ハルちゃんちまで1回行ってるから、道なら大丈夫だし。まぁナビも付いてるけど」
遥希が気掛かりそうな顔をしていたのを、琉が道に不案内なせいだからだと本気で思ったのか、それともそんな顔をしている遥希を笑わせたかったのかは分からないが、どこまでも優しい琉に、遥希はがんばって笑顔を作った。
*****
遥希は、高校を卒業してすぐに車の免許を取ったけれど、それから地元を離れて一人暮らしをしているので、車の運転は、実家に帰ったときの年数回しかしたことがない、ペーパードライバーだ。
まだ大学生だし、もともとそんなに車に興味もないので、車を欲しいとも、いつかこんな車を買いたいとも、考えたことは実はなかった。
だから、マンションの地下駐車場で琉の車を見ても、それが人気車種の最新モデルだということにも気付かず、左ハンドルだから外車かな? くらいにしか思っていなかった。
「あ、こっちじゃないっ」
左ハンドルの車だと分かっていたのに、普段助手席に乗るときの癖で、遥希はつい車体の左側に行ってしまい、琉に「ん?」と言う顔で振り返られ、慌てて助手席のほうへ回った。
「…この車、」
「ん?」
「琉の? こないだ乗ったのと、違う」
先日、南条の運転する車に乗ったとき、遥希は後部座席に座ったけれど、確か運転席は右側だったし、車の色も違う。
もしかして遥希は、琉の車の助手席に乗せてもらえているのだろうか。しかも、琉自身が運転する。
「あぁ、こないだのは会社のだよ。これは俺の車。先月買ったばっかだから、誰か乗せんのは、ハルちゃんが初めてだよ?」
「へぇっ!?」
琉がサラッと、ビックリするようなことを口走るので、遥希は声を引っ繰り返してしまった。
遥希が一番なの? この車に乗るの。
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COMMENT-FORM
ちよ ⇒
琉くんのお家でバイバイじゃなくて、
ハルちゃんのお家までお見送りしてくれるなんて…。
琉くんは最後の最後まで一緒に居たいんだね。
ラブラブさんだ~。(*/ω\*)キャ~
ハルちゃんは、琉くんの優しさを、
勘違いしちゃうからやめてよ、なんて言うけど、
もう勘違いしても無問題!、真に受けちゃってもいいよ~
ハルちゃんのお家までお見送りしてくれるなんて…。
琉くんは最後の最後まで一緒に居たいんだね。
ラブラブさんだ~。(*/ω\*)キャ~
ハルちゃんは、琉くんの優しさを、
勘違いしちゃうからやめてよ、なんて言うけど、
もう勘違いしても無問題!、真に受けちゃってもいいよ~
- |2011.11.15
- |Tue
- |13:05
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >ちよさん
琉タン、ずっと一緒にいたいのに、気を使いすぎて早く帰ろうとするハルちゃん…。
すれ違ってばかりの2人です。
でも、新車に一番に乗せるのも、ハルちゃんなんです!!
普通ここまでされたら、真に受けちゃうんですけどねぇ。相手はハルちゃんなんで…(笑)
琉タン、どこまでも苦労しそうです(^_^;)
コメントありがとうございました!
すれ違ってばかりの2人です。
でも、新車に一番に乗せるのも、ハルちゃんなんです!!
普通ここまでされたら、真に受けちゃうんですけどねぇ。相手はハルちゃんなんで…(笑)
琉タン、どこまでも苦労しそうです(^_^;)
コメントありがとうございました!
- |2011.11.15
- |Tue
- |22:46
- |URL
- |EDIT|