スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
楽園にガラスの靴 (18)
2011.07.30 Sat
「人いっぱい…。こんなすごいパーティー開く会社なの、徳永さんすごいねぇ」
「え、いや、俺は別にすごくないよ。すごいのは、この会社でがんばってる人たち」
パーティーの雰囲気(…と、目の前のご飯)に心を奪われている直央くんは、夢見心地て顔で、ぼんやりとそんなことを言い出す。
俺は、ただこのパーティーに招待されただけで、別にすごくも何ともないんだけど。
「お飲み物はいかがですか?」
「ぅ?」
ホワンとなってる直央くんを眺めてたら、接客スタッフがドリンクを持って現れた。
急に知らない人に声を掛けられた直央くんは、え、何? て感じで首をコテンとしてて、すっごくかわいい…! ――――て、そんな場合じゃなかった。
俺は、キョトンとしてる直央くんのためにソフトドリンクをお願いして、自分用に白ワインを受け取ると、スタッフを下がらせた。
「これなぁに? もう飲んでいいの?」
「もうちょっとで始まるから、それまでこれ飲んで待ってようね?」
「うん」
さっきは飲み物すらも喉を通らない、て感じだったけど、ようやく少しは緊張が解けて来たのか、直央くんはグラスに口を付けた。
その様子に安心して、俺もグラスを少し傾ける。…うん、まぁそこそこうまいかな。
それから少しして、パーティーを開宴するという司会者の声がする。まずは会長の挨拶。大抵はその後に来賓挨拶があって、下手したら祝電披露なんかあって、それからようやく乾杯だ。
さっきは『すぐにご飯食べられるよ』て言ったけど、直央くんがご飯にあり付くまでには、もうちょっと時間が掛かりそう。
直央くん、それまでご飯我慢できるかな、て思って、チラッと様子を窺えば、直央くんは、しっかりとまっすぐに、ステージの上の会長を見てた。
俺が聞いてても、何言ってんのかよく分かんない挨拶なのに、真剣に聞き入ってるらしい。
そういえばさっき、『パーティーでは絶対がんばるねっ! ちゃんとするからっ!』て言ってたから、それをちゃんと実行しようとしてるのかな(いいんだけど、無理しすぎないでね)。
『続いて乾杯に移ります…………』
司会者の声に、専務だかが乾杯の発声をして、ようやく堅苦しい部分は終わり。
これでしばらくは、気楽に過ごせる。
「じゃ、直央くん、ご飯にしよっか」
「うん」
立食形式だから、本当は飲食より交流のほうがメインだけど、直央くんをご飯で釣っちゃった手前、やっぱりまずはご飯かな。
見た目もキレイな料理が並ぶテーブルへ、直央くんを連れて行く。
back next
「え、いや、俺は別にすごくないよ。すごいのは、この会社でがんばってる人たち」
パーティーの雰囲気(…と、目の前のご飯)に心を奪われている直央くんは、夢見心地て顔で、ぼんやりとそんなことを言い出す。
俺は、ただこのパーティーに招待されただけで、別にすごくも何ともないんだけど。
「お飲み物はいかがですか?」
「ぅ?」
ホワンとなってる直央くんを眺めてたら、接客スタッフがドリンクを持って現れた。
急に知らない人に声を掛けられた直央くんは、え、何? て感じで首をコテンとしてて、すっごくかわいい…! ――――て、そんな場合じゃなかった。
俺は、キョトンとしてる直央くんのためにソフトドリンクをお願いして、自分用に白ワインを受け取ると、スタッフを下がらせた。
「これなぁに? もう飲んでいいの?」
「もうちょっとで始まるから、それまでこれ飲んで待ってようね?」
「うん」
さっきは飲み物すらも喉を通らない、て感じだったけど、ようやく少しは緊張が解けて来たのか、直央くんはグラスに口を付けた。
その様子に安心して、俺もグラスを少し傾ける。…うん、まぁそこそこうまいかな。
それから少しして、パーティーを開宴するという司会者の声がする。まずは会長の挨拶。大抵はその後に来賓挨拶があって、下手したら祝電披露なんかあって、それからようやく乾杯だ。
さっきは『すぐにご飯食べられるよ』て言ったけど、直央くんがご飯にあり付くまでには、もうちょっと時間が掛かりそう。
直央くん、それまでご飯我慢できるかな、て思って、チラッと様子を窺えば、直央くんは、しっかりとまっすぐに、ステージの上の会長を見てた。
俺が聞いてても、何言ってんのかよく分かんない挨拶なのに、真剣に聞き入ってるらしい。
そういえばさっき、『パーティーでは絶対がんばるねっ! ちゃんとするからっ!』て言ってたから、それをちゃんと実行しようとしてるのかな(いいんだけど、無理しすぎないでね)。
『続いて乾杯に移ります…………』
司会者の声に、専務だかが乾杯の発声をして、ようやく堅苦しい部分は終わり。
これでしばらくは、気楽に過ごせる。
「じゃ、直央くん、ご飯にしよっか」
「うん」
立食形式だから、本当は飲食より交流のほうがメインだけど、直央くんをご飯で釣っちゃった手前、やっぱりまずはご飯かな。
見た目もキレイな料理が並ぶテーブルへ、直央くんを連れて行く。
back next
- 関連記事
-
- 楽園にガラスの靴 (19) (2011/07/31)
- 楽園にガラスの靴 (18) (2011/07/30)
- 楽園にガラスの靴 (17) (2011/07/29)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:借金取りさん、こんにちは。