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Pinkie Syrup Kiss! (2)
2011.07.02 Sat
「でも、仲よくなりたいんだったら、借りた金はちゃんと返さないと」
「うーん…」
シュンに窘められて、リオは困ったように眉を寄せた。
たとえ1,000円とはいえ、光彰に頼まず、リオがその金を用意するのは簡単ではない。他の誰かに頼めば、今度はそちらに返さなければならないのだから。
(しょうがない、光彰に出してもらお)
自分でどうにかして稼ごうという気は端からないリオは、勝手にそう決めて納得した。
「リオちゃんは、その穂積くんて人の、どこがいいの?」
「んー?」
「だって珍しいじゃん。そういう気に入り方」
本人に自覚がなくても、リオが誰かに声を掛けるのは、ある程度、打算的なところがあるから(とは言っても、『この人、ご飯ご馳走してくれないかなー』とか、その程度だが)。
「穂積はぁ、何かかわいい」
「かわいい? かわいいの? リオちゃんのかわいい基準、よく分かんないからなぁ」
穂積に会ったことがないから何とも言えないが、光彰の幼馴染みで同僚ということは、年齢的に20代半ばのはずで、そんな年齢の男に対して『かわいい』という評価を下すリオの感覚は、正直、よく分からない。
それを言うなら、同じく二十歳半ばのリオをかわいいと思う自分の感覚もどうかしているかもしれないが、彼の場合、見た目に加えてこの奔放な性格もあるから、普通に会社勤めをしている同年代の男とは、単純に比較できない。
「何かなぁ、ギューしたくなる」
口当たりの良さに任せて何杯かカクテルをお代わりしたリオは、すっかり酔っ払ってしまっていて、舌足らずな子どものような喋り方でシュンに甘えている。
「リオちゃんが、ギューするの?」
「うん」
コクンと頷いたリオは、グラスに残る淡いピンクのカクテルを飲み干した。
「リオちゃん、ペース速い!」
明らかに、シュンの倍の速度でグラスを空けている。そんなに強くないものを選んでオーダーしているが、それだって数を飲めば酔いは回る。
話に夢中になって、シュンはうっかりしていた。
「ちょぉ、お水貰う?」
リオの顔を覗き込めば、もうすっかり頬は赤いし、目は潤んでいる。けれどリオは、「いらない。違うヤツ飲む」と、ドリンクメニューに手を伸ばした。
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「うーん…」
シュンに窘められて、リオは困ったように眉を寄せた。
たとえ1,000円とはいえ、光彰に頼まず、リオがその金を用意するのは簡単ではない。他の誰かに頼めば、今度はそちらに返さなければならないのだから。
(しょうがない、光彰に出してもらお)
自分でどうにかして稼ごうという気は端からないリオは、勝手にそう決めて納得した。
「リオちゃんは、その穂積くんて人の、どこがいいの?」
「んー?」
「だって珍しいじゃん。そういう気に入り方」
本人に自覚がなくても、リオが誰かに声を掛けるのは、ある程度、打算的なところがあるから(とは言っても、『この人、ご飯ご馳走してくれないかなー』とか、その程度だが)。
「穂積はぁ、何かかわいい」
「かわいい? かわいいの? リオちゃんのかわいい基準、よく分かんないからなぁ」
穂積に会ったことがないから何とも言えないが、光彰の幼馴染みで同僚ということは、年齢的に20代半ばのはずで、そんな年齢の男に対して『かわいい』という評価を下すリオの感覚は、正直、よく分からない。
それを言うなら、同じく二十歳半ばのリオをかわいいと思う自分の感覚もどうかしているかもしれないが、彼の場合、見た目に加えてこの奔放な性格もあるから、普通に会社勤めをしている同年代の男とは、単純に比較できない。
「何かなぁ、ギューしたくなる」
口当たりの良さに任せて何杯かカクテルをお代わりしたリオは、すっかり酔っ払ってしまっていて、舌足らずな子どものような喋り方でシュンに甘えている。
「リオちゃんが、ギューするの?」
「うん」
コクンと頷いたリオは、グラスに残る淡いピンクのカクテルを飲み干した。
「リオちゃん、ペース速い!」
明らかに、シュンの倍の速度でグラスを空けている。そんなに強くないものを選んでオーダーしているが、それだって数を飲めば酔いは回る。
話に夢中になって、シュンはうっかりしていた。
「ちょぉ、お水貰う?」
リオの顔を覗き込めば、もうすっかり頬は赤いし、目は潤んでいる。けれどリオは、「いらない。違うヤツ飲む」と、ドリンクメニューに手を伸ばした。
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