スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
Pinkie Syrup Kiss! (1)
2011.07.01 Fri
適度に照明の落ちた、ざわついた店内。
最近リオが行き付けにしている大きめのバーは、ゲイもビアンもノン気も集まる店で、奥の端にあるボックス席が、リオのお気に入りだ。
お気に入りとは言っても、自前でこんなところに来る金などリオにあるはずもなく、呆れず見捨てずいてくれる友人の誰かが、いつも同席しているのだけれど。
そして今日一緒にいるのは、リオの昔からの友人で、金色に染めた髪の毛を弄りながらシャンパンの入ったグラスを傾ける、シュン。
ソファはそこそこ広いのに、2人はピットリ寄り添ってくっ付いている。
2人ともそれなりに人目を惹く容姿をしているし、アルコールも入って、幼さの中に色気を滲ませるリオと、そこに寄り添うシュンに、かわいいモノ好きの女やクルージングしてるゲイの連中が、不躾な視線をくれる。
それに気付いているのかいないのか、2人は額を寄せ合って、話に夢中だ。
「えー、じゃあリオちゃん、その穂積くんて人から1,000円借りたままなの?」
「うん」
先日、会社まで光彰を迎えに行った際、傘を貸した穂積から帰りの電車代として1,000円を貸してもらったことをシュンに話したら、驚いたような声を出された。
「ダメだよぉ。リオちゃん、人からお金借りても、すぐに忘れちゃうんだから」
「あはは」
「笑ってる場合じゃないって。早く返さないと」
リオの金銭感覚はゼロに等しくて、外で食べる食事は、基本的に人がご馳走してくれるものだと思っているし、『借りた金は返さなければならない』という観念も薄い。
それは、光彰が普段リオに金を持たせていないせいもあるだろうが、それよりも、元からリオに備わっている潜在的な気質のせいだろう。でなければ、ここまで無邪気に、金に無頓着にはなれない。
そのおかげで、過去にもリオは何度か金銭のトラブルを起こしているが、当の本人に悪気がまったくないから、反省もなければ何もない。
もちろんそのたびに、巻き込まれた友人やら知人はリオから離れていくけれど、来るもの拒まず、去るもの追わずのリオに気にする素振りはなくて。
シュンも、そんなことで1度はリオから距離を置いたのだけれど、結局放っておけなくて、今もこうしてリオの側にいる。
「でもその穂積くんて、ミツくんの会社の人なんでしょ?」
「うん」
「なら、ミツくんに頼んで返してもらったら?」
「えー嫌だぁ。俺も穂積に会いたい」
結局は、そこなのだ。
初めて会ったときから妙に穂積のことを気に入っているリオは、穂積に金を返さなければならないということよりも、単に穂積に会いたいだけのようで。
back next
タイトルはロレンシーさまから。thanks!
最近リオが行き付けにしている大きめのバーは、ゲイもビアンもノン気も集まる店で、奥の端にあるボックス席が、リオのお気に入りだ。
お気に入りとは言っても、自前でこんなところに来る金などリオにあるはずもなく、呆れず見捨てずいてくれる友人の誰かが、いつも同席しているのだけれど。
そして今日一緒にいるのは、リオの昔からの友人で、金色に染めた髪の毛を弄りながらシャンパンの入ったグラスを傾ける、シュン。
ソファはそこそこ広いのに、2人はピットリ寄り添ってくっ付いている。
2人ともそれなりに人目を惹く容姿をしているし、アルコールも入って、幼さの中に色気を滲ませるリオと、そこに寄り添うシュンに、かわいいモノ好きの女やクルージングしてるゲイの連中が、不躾な視線をくれる。
それに気付いているのかいないのか、2人は額を寄せ合って、話に夢中だ。
「えー、じゃあリオちゃん、その穂積くんて人から1,000円借りたままなの?」
「うん」
先日、会社まで光彰を迎えに行った際、傘を貸した穂積から帰りの電車代として1,000円を貸してもらったことをシュンに話したら、驚いたような声を出された。
「ダメだよぉ。リオちゃん、人からお金借りても、すぐに忘れちゃうんだから」
「あはは」
「笑ってる場合じゃないって。早く返さないと」
リオの金銭感覚はゼロに等しくて、外で食べる食事は、基本的に人がご馳走してくれるものだと思っているし、『借りた金は返さなければならない』という観念も薄い。
それは、光彰が普段リオに金を持たせていないせいもあるだろうが、それよりも、元からリオに備わっている潜在的な気質のせいだろう。でなければ、ここまで無邪気に、金に無頓着にはなれない。
そのおかげで、過去にもリオは何度か金銭のトラブルを起こしているが、当の本人に悪気がまったくないから、反省もなければ何もない。
もちろんそのたびに、巻き込まれた友人やら知人はリオから離れていくけれど、来るもの拒まず、去るもの追わずのリオに気にする素振りはなくて。
シュンも、そんなことで1度はリオから距離を置いたのだけれど、結局放っておけなくて、今もこうしてリオの側にいる。
「でもその穂積くんて、ミツくんの会社の人なんでしょ?」
「うん」
「なら、ミツくんに頼んで返してもらったら?」
「えー嫌だぁ。俺も穂積に会いたい」
結局は、そこなのだ。
初めて会ったときから妙に穂積のことを気に入っているリオは、穂積に金を返さなければならないということよりも、単に穂積に会いたいだけのようで。
back next
タイトルはロレンシーさまから。thanks!
- 関連記事
-
- Pinkie Syrup Kiss! (2) (2011/07/02)
- Pinkie Syrup Kiss! (1) (2011/07/01)
- リネンの小鳥 (2011/06/30)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:愛じゃない、恋でもない
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
けいったん ⇒ No title
我侭、気侭、無頓着、無関心、無邪気、etc...
そんな子供で 大人で 可愛いリオに を 会いたいと熱望されてる お気に入りにされた穂積
リオと会った時の 穂積を 妄想~o。゚。o 0
早く リオに 会わせてあげてね~♪(*`▽´*)ウヒョヒョ...byebye☆
そんな子供で 大人で 可愛いリオに を 会いたいと熱望されてる お気に入りにされた穂積
リオと会った時の 穂積を 妄想~o。゚。o 0
早く リオに 会わせてあげてね~♪(*`▽´*)ウヒョヒョ...byebye☆
- |2011.07.01
- |Fri
- |11:36
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ Re: No title
> 我侭、気侭、無頓着、無関心、無邪気、etc...
おぉ~~~、まさに、けいったんのおっしゃるとおり!
大人なんだけど、下手な子どもよりずっと子どもなリオたん…。
とにかく今は穂積さんのことが大好きで仕方ない模様(穂積さんはいい迷惑かもですが(^_^;))
私も、リオたんにタジタジの穂積さんを想像しては、思わず笑ってしまいます~(笑)
コメントありがとうございました!
おぉ~~~、まさに、けいったんのおっしゃるとおり!
大人なんだけど、下手な子どもよりずっと子どもなリオたん…。
とにかく今は穂積さんのことが大好きで仕方ない模様(穂積さんはいい迷惑かもですが(^_^;))
私も、リオたんにタジタジの穂積さんを想像しては、思わず笑ってしまいます~(笑)
コメントありがとうございました!