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もうさようならの時間 (6)
2011.05.29 Sun
「とにかく! むっちゃんのこと、ちゃんと信じてってば!」
「分ぁーかってるよっ」
「分かってないっ!」
「イテッ」
興奮気味の和衣が、バシンッ! と亮の胸を叩いた。
こういうとき力加減の下手くそな和衣は、思い切りの力で叩いて来るから、すごく痛いのだ。
「俺が言うの、変だけど……気になるなら、ちゃんとむっちゃんに聞いて! 疑ったままにしないでっ…」
そのまま和衣は俯いてしまった。
鈍感で、空気の読めない子だけれど、友人を思う気持ちは、人一倍強い子だから。自分のこと同じくらいに、亮や睦月の幸せも望んでいるから。
「…分かった、分かったよ。俺だって別に、睦月と別れたいわけじゃねぇし。…ちゃんと話す」
「絶対?」
「絶対」
ようやく顔を上げた和衣に、亮はそう約束した。
それでも疑わしげな視線を向ける和衣の部屋を出た亮は、そのまま風呂場へは向かわず、再び自分の部屋へと戻った。
もちろん、和衣との約束を果たすため。
「ねぇむっちゃん、ちょっと話…」
「ッ、んぁっ!?」
亮がドアを開けると、ベッドの上で、壁に寄り掛かって足を伸ばしていた睦月の体が、ビクンと跳ね上がった。
それは何も、疾しい関係の相手との連絡の真っ最中に亮が戻って来たから、とかそういうんでなくて、単に眠くてウトウトしていたから、ビックリして体が反応しただけのことだった。
その証拠に、睦月の携帯電話は、テーブルの上に投げっ放しだ。
「ふぇ…? え、亮、もうお風呂上がったの? もうそんな時間経った…?」
「いや、風呂はまだなんだけど、」
「うぅん? カズちゃんが、早くお風呂入んなさい、て…」
眠いのか寝惚けているのか、睦月は目をこすりながら、そんなことを言っている。
「それはそうなんだけど、あのさむっちゃん、やっぱちょっと話があって…、ちょっと聞いて?」
「…ぅ? にゃに…?」
亮はドアを閉めると、モソモソとベッドを降りようとしている睦月を、ベッドの縁に座り直させた。
睦月は素直に言うことを聞いて、大人しくしている。
「ねぇむっちゃん、教えて? 俺に内緒で、夜、時々どこ行ってんの?」
「えっ」
ピクッ…と、かすかに睦月の眉が動いた。
睦月は口八丁だし、時々本当にどうでもいいような嘘はつくけれど(宇宙人に会った的な)、だからと言って、嘘つきというわけではない。
和衣が嘘やごまかしが下手くそなのと同じように、やはり睦月だって、好きな人を前にして、まったく何でもないふうに、平然と嘘なんてつけないのだ。
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「分ぁーかってるよっ」
「分かってないっ!」
「イテッ」
興奮気味の和衣が、バシンッ! と亮の胸を叩いた。
こういうとき力加減の下手くそな和衣は、思い切りの力で叩いて来るから、すごく痛いのだ。
「俺が言うの、変だけど……気になるなら、ちゃんとむっちゃんに聞いて! 疑ったままにしないでっ…」
そのまま和衣は俯いてしまった。
鈍感で、空気の読めない子だけれど、友人を思う気持ちは、人一倍強い子だから。自分のこと同じくらいに、亮や睦月の幸せも望んでいるから。
「…分かった、分かったよ。俺だって別に、睦月と別れたいわけじゃねぇし。…ちゃんと話す」
「絶対?」
「絶対」
ようやく顔を上げた和衣に、亮はそう約束した。
それでも疑わしげな視線を向ける和衣の部屋を出た亮は、そのまま風呂場へは向かわず、再び自分の部屋へと戻った。
もちろん、和衣との約束を果たすため。
「ねぇむっちゃん、ちょっと話…」
「ッ、んぁっ!?」
亮がドアを開けると、ベッドの上で、壁に寄り掛かって足を伸ばしていた睦月の体が、ビクンと跳ね上がった。
それは何も、疾しい関係の相手との連絡の真っ最中に亮が戻って来たから、とかそういうんでなくて、単に眠くてウトウトしていたから、ビックリして体が反応しただけのことだった。
その証拠に、睦月の携帯電話は、テーブルの上に投げっ放しだ。
「ふぇ…? え、亮、もうお風呂上がったの? もうそんな時間経った…?」
「いや、風呂はまだなんだけど、」
「うぅん? カズちゃんが、早くお風呂入んなさい、て…」
眠いのか寝惚けているのか、睦月は目をこすりながら、そんなことを言っている。
「それはそうなんだけど、あのさむっちゃん、やっぱちょっと話があって…、ちょっと聞いて?」
「…ぅ? にゃに…?」
亮はドアを閉めると、モソモソとベッドを降りようとしている睦月を、ベッドの縁に座り直させた。
睦月は素直に言うことを聞いて、大人しくしている。
「ねぇむっちゃん、教えて? 俺に内緒で、夜、時々どこ行ってんの?」
「えっ」
ピクッ…と、かすかに睦月の眉が動いた。
睦月は口八丁だし、時々本当にどうでもいいような嘘はつくけれど(宇宙人に会った的な)、だからと言って、嘘つきというわけではない。
和衣が嘘やごまかしが下手くそなのと同じように、やはり睦月だって、好きな人を前にして、まったく何でもないふうに、平然と嘘なんてつけないのだ。
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けいったん ⇒ No title
カズちゃん、昨日は 中途半端なんて言って ごめんね(*・ω・)*_ _))ペコリン
カズちゃんの気持ちが通じて 亮も ちゃんと聞く気になったよ!
♪(〃'▽'〃)ヾ(・ω・ )イイコイイコ
さぁ むっちゃんは 正直に 話してくれるのかな?
(*^ω^)ノ" byebye☆
カズちゃんの気持ちが通じて 亮も ちゃんと聞く気になったよ!
♪(〃'▽'〃)ヾ(・ω・ )イイコイイコ
さぁ むっちゃんは 正直に 話してくれるのかな?
(*^ω^)ノ" byebye☆
- |2011.05.29
- |Sun
- |20:15
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
カズちゃん、熱意だけは人一倍ですからね。
しかも、言うこと聞かなかったら、何となくしつこそう…(笑)
むっちゃんは何だか寝惚けてますが、果たして真相は。
これで、亮タン、モヤモヤが解けるかな。
コメントありがとうございました!
しかも、言うこと聞かなかったら、何となくしつこそう…(笑)
むっちゃんは何だか寝惚けてますが、果たして真相は。
これで、亮タン、モヤモヤが解けるかな。
コメントありがとうございました!