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もうさようならの時間 (4)
2011.05.27 Fri
(あー嫌だー…。むっちゃんを疑う日が来るなんてー…)
今まで付き合ってきた女の子とは、そういうのに気付いてしまうと、気分が白けちゃって、何となく距離を置くようになり、最終的には別れてしまっていた。
相手を束縛する気はないけれど、浮気を許せるほどの寛大さも持ち合わせていないから。
なのに今は。
今、睦月に感じている思いは、かつての彼女に抱いた疑念と同じはずなのに、睦月と離れたいだなんて、少しも思わない。
睦月の気持ちが、他の誰かに移っているのだとしたら、奪い返してやりたい。
「ただいまー、お帰りー」
亮がキュッと唇を噛み締めたところで、部屋のドアが開き、睦月が風呂から戻って来た。
ちなみに睦月の『ただいまー、お帰りー』の『ただいま』は、自分が部屋に帰って来た挨拶で、『お帰り』は、自分が風呂に行っている間にバイトから帰って来た亮への挨拶だ。
20歳を過ぎてもこんなことを言っている睦月に、亮は思わず笑ってしまいそうになって、慌てて頬を引き締めた。笑っていられる気分ではないのだ。
なのに睦月はお構いなしに、話を続ける。
「あ、亮、亮ー。あのね、カズちゃんにね、亮バイトから帰ってたら、早くお風呂入れ、て言って、て頼まれた」
「いや、アイツ、どんだけ俺の風呂の心配したら気が済むの?」
気持ちは有り難いが、どうして同い年の男に、そこまで風呂の心配をされなければならないのだろう(亮は、ちゃんと毎日風呂に入っているのに)。
何だかすっごく微妙な気持ち。
「カズちゃん、ホントは亮と一緒にお風呂入りたいのかな? ゴメンね、いっつも俺が一緒に入っちゃって」
「いや、そんなことないから。別に一緒には入りたくないから」
風呂場で一緒になる分には別に構わないが、わざわざ誘い合ってまで、和衣と一緒に風呂なんか、入りたくはない。
冗談なのか、天然の本気なのかよく分からない睦月に突っ込みつつ、亮は部屋を出た――――ら。
「――――亮」
和衣が、自分の部屋の前にいた。
和衣は風呂上がりの格好をしているが、しかしまさか本気で亮を風呂に誘おうという気なのだろうか。
しかしそれにしても、機嫌のよさそうな顔ではない。むぅ~と唇を突き出している顔は、流行りのアヒル口というヤツだ(さすがに和衣でも、そんなもの意識していないだろうが)。
「ちょっと話あんだけど」
「何カズ。俺、風呂行きたいんだけど」
寮の廊下。
目の前に立ち塞がる和衣に、亮は嫌そうにそう言ったが、和衣はその場を退こうとしないし、亮が和衣をよけて先に進もうとしたら、和衣も同じほうに動いて行く手を阻んだ。
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今まで付き合ってきた女の子とは、そういうのに気付いてしまうと、気分が白けちゃって、何となく距離を置くようになり、最終的には別れてしまっていた。
相手を束縛する気はないけれど、浮気を許せるほどの寛大さも持ち合わせていないから。
なのに今は。
今、睦月に感じている思いは、かつての彼女に抱いた疑念と同じはずなのに、睦月と離れたいだなんて、少しも思わない。
睦月の気持ちが、他の誰かに移っているのだとしたら、奪い返してやりたい。
「ただいまー、お帰りー」
亮がキュッと唇を噛み締めたところで、部屋のドアが開き、睦月が風呂から戻って来た。
ちなみに睦月の『ただいまー、お帰りー』の『ただいま』は、自分が部屋に帰って来た挨拶で、『お帰り』は、自分が風呂に行っている間にバイトから帰って来た亮への挨拶だ。
20歳を過ぎてもこんなことを言っている睦月に、亮は思わず笑ってしまいそうになって、慌てて頬を引き締めた。笑っていられる気分ではないのだ。
なのに睦月はお構いなしに、話を続ける。
「あ、亮、亮ー。あのね、カズちゃんにね、亮バイトから帰ってたら、早くお風呂入れ、て言って、て頼まれた」
「いや、アイツ、どんだけ俺の風呂の心配したら気が済むの?」
気持ちは有り難いが、どうして同い年の男に、そこまで風呂の心配をされなければならないのだろう(亮は、ちゃんと毎日風呂に入っているのに)。
何だかすっごく微妙な気持ち。
「カズちゃん、ホントは亮と一緒にお風呂入りたいのかな? ゴメンね、いっつも俺が一緒に入っちゃって」
「いや、そんなことないから。別に一緒には入りたくないから」
風呂場で一緒になる分には別に構わないが、わざわざ誘い合ってまで、和衣と一緒に風呂なんか、入りたくはない。
冗談なのか、天然の本気なのかよく分からない睦月に突っ込みつつ、亮は部屋を出た――――ら。
「――――亮」
和衣が、自分の部屋の前にいた。
和衣は風呂上がりの格好をしているが、しかしまさか本気で亮を風呂に誘おうという気なのだろうか。
しかしそれにしても、機嫌のよさそうな顔ではない。むぅ~と唇を突き出している顔は、流行りのアヒル口というヤツだ(さすがに和衣でも、そんなもの意識していないだろうが)。
「ちょっと話あんだけど」
「何カズ。俺、風呂行きたいんだけど」
寮の廊下。
目の前に立ち塞がる和衣に、亮は嫌そうにそう言ったが、和衣はその場を退こうとしないし、亮が和衣をよけて先に進もうとしたら、和衣も同じほうに動いて行く手を阻んだ。
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けいったん ⇒
カズちゃんは、なんで 怒ってるの?
亮って 何かしたのかなぁ~
それとも 何も しなかったからか・・・(。´・ω・)ん?
むっちゃん絡みは 間違いないよねー
でも ねぇー
カズちゃんが、絡むと 話しが 遠い お空の向こうまで行って もっと ややこしく なりそうなんですけど。
ガァ~!ガァ~! ≫≫(`≏´)≪≪プン!プン!...byebye☆
亮って 何かしたのかなぁ~
それとも 何も しなかったからか・・・(。´・ω・)ん?
むっちゃん絡みは 間違いないよねー
でも ねぇー
カズちゃんが、絡むと 話しが 遠い お空の向こうまで行って もっと ややこしく なりそうなんですけど。
ガァ~!ガァ~! ≫≫(`≏´)≪≪プン!プン!...byebye☆
- |2011.05.27
- |Fri
- |10:01
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
ここに来て、まさかのカズちゃん登場。
亮タンがここまで疑心暗鬼になった原因の、ほんのちょっとはカズちゃんにあるのにね。。。
> でも ねぇー
> カズちゃんが、絡むと 話しが 遠い お空の向こうまで行って もっと ややこしく なりそうなんですけど。
> ガァ~!ガァ~! ≫≫(`≏´)≪≪プン!プン!...byebye☆
ギャーー!!
さすがけいったんさん、よく分かってらっしゃる!
カズちゃん、友だち思いで、いろいろ一生懸命なんだけど、空回りすること多いですからね…(^_^;)
今度こそ、いい方向に導くことが出来るでしょうか。
コメントありがとうございました!
亮タンがここまで疑心暗鬼になった原因の、ほんのちょっとはカズちゃんにあるのにね。。。
> でも ねぇー
> カズちゃんが、絡むと 話しが 遠い お空の向こうまで行って もっと ややこしく なりそうなんですけど。
> ガァ~!ガァ~! ≫≫(`≏´)≪≪プン!プン!...byebye☆
ギャーー!!
さすがけいったんさん、よく分かってらっしゃる!
カズちゃん、友だち思いで、いろいろ一生懸命なんだけど、空回りすること多いですからね…(^_^;)
今度こそ、いい方向に導くことが出来るでしょうか。
コメントありがとうございました!