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もうさようならの時間 (3)
2011.05.26 Thu
(あのバカがっ…!)
亮が心の中でそう罵った相手は、もちろん和衣だ。
いや、和衣はまったく何にも悪くはないのだが、つい恨み言が心に浮かんだ。
「あ、亮、まだお風呂行ってないー」
亮がベッドでウダウダしていたら、睦月が風呂から戻ってきた。
全然普通。
もう、昼間のカフェテリアのことなんて、すっかり忘れているんだろうか。
「カズちゃんが、早くお風呂入っちゃいなさい、て」
「え、何それ、お母さん…?」
大した突っ込みでもないのに、睦月は「ひゃははは」と受けまくっている。
和衣と違って亮は長風呂ではないから(睦月ほどのカラスの行水でもないが)、時間ギリギリになっても、入りそびれるということは、そうないのだが。
「…風呂、行ってくる」
言われたとおり風呂に行こうと、亮がベッドを降りると、睦月は冷蔵庫に頭を突っ込んでいた。
何か飲み物を探しているのだろう。
「…むっちゃん、入ってるコーラ飲んでいいよ」
「ホント!?」
冷蔵庫の中を見てみたはいいけれど、中のペットボトル飲料はすべて亮のもので、睦月は若干愕然としていたのだが、亮にそう言われて、現金にも睦月は笑顔でパッと振り向いた。
「ありがと、亮~。バイト代出たら、コーラいっぱい買ったげるねっ」
「いや、それが無駄遣いだから。まぁとりあえず、ごちそうさま」
睦月の無邪気な笑顔に見送られ、亮は部屋を出た。
…こうして見ていると、やはり睦月に、亮に隠しておきたい疾しいことがあるようには思えなくて。
昼間のカフェテリアでの話は嘘ではなくて、昨日の夜は、お金ないけれど、ど~しても読みたいマンガがあったとか、ど~しても食べたいお菓子があったとか、そんなで、コンビニに行ったのかもしれない。
そのほうが、今、亮が風呂に行っている間に、密かに誰か他の想い人に例えばメールをしている…と考えるよりも自然だ、と亮は思った。
*****
しかし、亮の儚い期待を裏切るように、出来れば知りたくなかった、悲しい事実に気付いてしまった。
――――睦月はやはり、亮に内緒で、こっそりどこかに出掛けている。
それは翔真に指摘された日だけでなく、それと同じ曜日の同じくらいの時間と、亮がバイトに行っている別の曜日も。
2人ともがバイトを入れている火曜日は、授業が早く終わる日で、睦月たちはその後すぐにバイトだけれど、亮は睦月が帰って来てからバイトに行く。そんな日は、亮が出て行った後で出掛けているのだ。
いくら亮が睦月のことを信じていたくても、これはいよいよ怪しい。
週1でしかデートしない彼女の浮気だって、男はそれなりにちゃんと気付くんだから(それは女の子も同じだろうけど)、一緒に暮らしていて、毎日顔を合わせている相手のことなら、すぐに分かる。
睦月だって、亮に黙って出掛けることならいくらでもあるだろうし、それだけで浮気云々を疑う気は更々ないのだが、何にしても睦月は、こっそり出掛けている事実を、亮にひた隠しにしているのだ。
だからこそ、怪しいと思ってしまう。
疑いたくないけれど、睦月を信じ切れずにいる自分がいる。
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亮が心の中でそう罵った相手は、もちろん和衣だ。
いや、和衣はまったく何にも悪くはないのだが、つい恨み言が心に浮かんだ。
「あ、亮、まだお風呂行ってないー」
亮がベッドでウダウダしていたら、睦月が風呂から戻ってきた。
全然普通。
もう、昼間のカフェテリアのことなんて、すっかり忘れているんだろうか。
「カズちゃんが、早くお風呂入っちゃいなさい、て」
「え、何それ、お母さん…?」
大した突っ込みでもないのに、睦月は「ひゃははは」と受けまくっている。
和衣と違って亮は長風呂ではないから(睦月ほどのカラスの行水でもないが)、時間ギリギリになっても、入りそびれるということは、そうないのだが。
「…風呂、行ってくる」
言われたとおり風呂に行こうと、亮がベッドを降りると、睦月は冷蔵庫に頭を突っ込んでいた。
何か飲み物を探しているのだろう。
「…むっちゃん、入ってるコーラ飲んでいいよ」
「ホント!?」
冷蔵庫の中を見てみたはいいけれど、中のペットボトル飲料はすべて亮のもので、睦月は若干愕然としていたのだが、亮にそう言われて、現金にも睦月は笑顔でパッと振り向いた。
「ありがと、亮~。バイト代出たら、コーラいっぱい買ったげるねっ」
「いや、それが無駄遣いだから。まぁとりあえず、ごちそうさま」
睦月の無邪気な笑顔に見送られ、亮は部屋を出た。
…こうして見ていると、やはり睦月に、亮に隠しておきたい疾しいことがあるようには思えなくて。
昼間のカフェテリアでの話は嘘ではなくて、昨日の夜は、お金ないけれど、ど~しても読みたいマンガがあったとか、ど~しても食べたいお菓子があったとか、そんなで、コンビニに行ったのかもしれない。
そのほうが、今、亮が風呂に行っている間に、密かに誰か他の想い人に例えばメールをしている…と考えるよりも自然だ、と亮は思った。
*****
しかし、亮の儚い期待を裏切るように、出来れば知りたくなかった、悲しい事実に気付いてしまった。
――――睦月はやはり、亮に内緒で、こっそりどこかに出掛けている。
それは翔真に指摘された日だけでなく、それと同じ曜日の同じくらいの時間と、亮がバイトに行っている別の曜日も。
2人ともがバイトを入れている火曜日は、授業が早く終わる日で、睦月たちはその後すぐにバイトだけれど、亮は睦月が帰って来てからバイトに行く。そんな日は、亮が出て行った後で出掛けているのだ。
いくら亮が睦月のことを信じていたくても、これはいよいよ怪しい。
週1でしかデートしない彼女の浮気だって、男はそれなりにちゃんと気付くんだから(それは女の子も同じだろうけど)、一緒に暮らしていて、毎日顔を合わせている相手のことなら、すぐに分かる。
睦月だって、亮に黙って出掛けることならいくらでもあるだろうし、それだけで浮気云々を疑う気は更々ないのだが、何にしても睦月は、こっそり出掛けている事実を、亮にひた隠しにしているのだ。
だからこそ、怪しいと思ってしまう。
疑いたくないけれど、睦月を信じ切れずにいる自分がいる。
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けいったん ⇒ バ━ヾ(*´∀`*)ノ━ンチャ☆
今日は こんな時間から お邪魔します。┏○))ペコ
むっちゃんの不審な行動に 亮が ますます 疑うのは 無理ないですね。
何かを 企んでいるのは 間違いないなぁ~
(。-`ω´-)ンー...ダメだ、さっぱり思いつかない...byebye☆
むっちゃんの不審な行動に 亮が ますます 疑うのは 無理ないですね。
何かを 企んでいるのは 間違いないなぁ~
(。-`ω´-)ンー...ダメだ、さっぱり思いつかない...byebye☆
- |2011.05.26
- |Thu
- |22:25
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
こんばんは~…て、もうこんな時間…。
コメレス遅くてすみません~!!
むっちゃん、相変わらず計算なのか天然なのか、その真理を図り切れませんね。。。
亮タンがヤキモキするのも無理ありません。
> (。-`ω´-)ンー...ダメだ、さっぱり思いつかない...byebye☆
ですよね…。
むっちゃんのことだから、私たちの考えることの、遥か彼方のことを考えてますんで(笑)
それにしても、この顔→ (。-`ω´-) かわいい~。
コメントありがとうございました!
コメレス遅くてすみません~!!
むっちゃん、相変わらず計算なのか天然なのか、その真理を図り切れませんね。。。
亮タンがヤキモキするのも無理ありません。
> (。-`ω´-)ンー...ダメだ、さっぱり思いつかない...byebye☆
ですよね…。
むっちゃんのことだから、私たちの考えることの、遥か彼方のことを考えてますんで(笑)
それにしても、この顔→ (。-`ω´-) かわいい~。
コメントありがとうございました!