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10. その、あたたかさ (後編)
2008.05.03 Sat
和哉と別れて1週間。
別れて……ってか、別に付き合ってたわけじゃないけど。
俺は仲村にその後のことを話してないし、和哉も話してないのか、仲村は何も言ってこない。もしかしたら、分かってて何も言ってこないのかもしれないけど、どっちでも良かった。
和哉のこと忘れたくて、女でも抱いてみようかと思ったけど、何かむなしいからやめた。ダチから合コンのお誘いもあったけど、行かない。
和哉がいなくなった世界は、あまりに陳腐で、色褪せていて、何もかもがどうでも良かった。
♪~~~♪~~~♪
頭と体が重くてベッドに転がっていたら、ローテーブルに投げ出していた携帯電話が音を立てた。
悪いがとても電話に出る気分じゃなくて、そのまま放っておいたら、しばらくしてプツリと途切れた。でもすぐにまた掛かってきて。
イライラする…。
電源を切ってやろうと思って、ベッドを降りると、携帯の小さな液晶画面に表示されていたのは、和哉の名前。
「えっ!?」
そういえば番号とか消すなんてこと、してなかったっけ。思い付きもしなかったっていうか。
「ぁ、ッ、と」
慌てて出ようとして、でもそれより先に留守電になって、電話が切れる。今度は俺のほうから掛け直した。
「和哉!?」
『バカッ!』
「え?」
何だ? 何でいきなりキレられてんの、俺。
『バ、カ……大樹のバカ……ヒック、何で…』
「どうし……おい、どうしたんだよ!?」
電話口で泣いてる和哉。
何で? 俺のせい?
『何で……何で、手、なんか掴んだんだよ、ック…』
「は? え? 何? 手がどうしたって?」
『も……大樹のこと、忘れてやろうって思ったのに……』
「和哉、分かんない。何で泣いてんの? 手がどうしたんだよ?」
『あのとき……大樹が、手…掴むから……ヒック…』
あのとき?
手を掴んだって…………あ。
あの別れ際。
送るって言って、思わず掴んでしまった和哉の手。もしかして、そのことを言ってるんだろうか。
「和哉、手がどうしたの?」
泣きじゃくる子供をあやすように、和哉に声を掛ける。何度もしゃくり上げながら、和哉はまだ俺にバカバカ言ってる。
「和哉、」
『だって……だって、もう1週間も経つのにっ……まだ、消えないんだもん…ック……』
「消えないって、何が?」
そんなに強く掴んだつもりはないけど……まさか、ケガしたとか!?
「かず…大丈夫なのか!?」
『も……無理。大樹が掴んだとこ……熱くて、』
「え?」
『ずっと……熱が消えない…。毎日、大樹のこと思い出して……もぉヤダよ……』
え……それって…。
『俺…………やっぱ、大樹のこと―――――好きだ……』
「和哉…」
『好き……好きだよぉ…』
「……俺で、いいの? 俺、ゲイじゃなかったんだぜ? 和哉が絶対好きにならないって言った、ノン気の男なのに」
『それでもっ…………だって、好き、だしっ…! 離れてる間、1週間なのに……すごい苦しかったっ…』
「俺も、和哉に会えなくて……苦しかった…。―――愛してる」
そう言うと、和哉は声を上げて泣き出してしまった。
『……そ…そんなこと言われたら、信じちゃうっ…!』
「信じろよ。信じて。俺は和哉のこと、愛してる」
『ふぇ…』
「和哉、愛してるから…………だから、今度はちゃんと恋愛しよう? 冗談なんかじゃなくて、友達でもなくて」
『…………うん』
…………ようやく手に入れた、本気の恋。
今度こそ、絶対に手放したりなんかしない。
*END*
はぁ~…何とか終わりましたよ、このお話。
いかがでしたでしょうか。
気付けばもう5月。だらだら長々とすみません。
拍手、コメント、ランクリしてくださったみなさん、ありがとうございました。
大変励みになりました。
今後も恋三昧、よろしくお願いします。
別れて……ってか、別に付き合ってたわけじゃないけど。
俺は仲村にその後のことを話してないし、和哉も話してないのか、仲村は何も言ってこない。もしかしたら、分かってて何も言ってこないのかもしれないけど、どっちでも良かった。
和哉のこと忘れたくて、女でも抱いてみようかと思ったけど、何かむなしいからやめた。ダチから合コンのお誘いもあったけど、行かない。
和哉がいなくなった世界は、あまりに陳腐で、色褪せていて、何もかもがどうでも良かった。
♪~~~♪~~~♪
頭と体が重くてベッドに転がっていたら、ローテーブルに投げ出していた携帯電話が音を立てた。
悪いがとても電話に出る気分じゃなくて、そのまま放っておいたら、しばらくしてプツリと途切れた。でもすぐにまた掛かってきて。
イライラする…。
電源を切ってやろうと思って、ベッドを降りると、携帯の小さな液晶画面に表示されていたのは、和哉の名前。
「えっ!?」
そういえば番号とか消すなんてこと、してなかったっけ。思い付きもしなかったっていうか。
「ぁ、ッ、と」
慌てて出ようとして、でもそれより先に留守電になって、電話が切れる。今度は俺のほうから掛け直した。
「和哉!?」
『バカッ!』
「え?」
何だ? 何でいきなりキレられてんの、俺。
『バ、カ……大樹のバカ……ヒック、何で…』
「どうし……おい、どうしたんだよ!?」
電話口で泣いてる和哉。
何で? 俺のせい?
『何で……何で、手、なんか掴んだんだよ、ック…』
「は? え? 何? 手がどうしたって?」
『も……大樹のこと、忘れてやろうって思ったのに……』
「和哉、分かんない。何で泣いてんの? 手がどうしたんだよ?」
『あのとき……大樹が、手…掴むから……ヒック…』
あのとき?
手を掴んだって…………あ。
あの別れ際。
送るって言って、思わず掴んでしまった和哉の手。もしかして、そのことを言ってるんだろうか。
「和哉、手がどうしたの?」
泣きじゃくる子供をあやすように、和哉に声を掛ける。何度もしゃくり上げながら、和哉はまだ俺にバカバカ言ってる。
「和哉、」
『だって……だって、もう1週間も経つのにっ……まだ、消えないんだもん…ック……』
「消えないって、何が?」
そんなに強く掴んだつもりはないけど……まさか、ケガしたとか!?
「かず…大丈夫なのか!?」
『も……無理。大樹が掴んだとこ……熱くて、』
「え?」
『ずっと……熱が消えない…。毎日、大樹のこと思い出して……もぉヤダよ……』
え……それって…。
『俺…………やっぱ、大樹のこと―――――好きだ……』
「和哉…」
『好き……好きだよぉ…』
「……俺で、いいの? 俺、ゲイじゃなかったんだぜ? 和哉が絶対好きにならないって言った、ノン気の男なのに」
『それでもっ…………だって、好き、だしっ…! 離れてる間、1週間なのに……すごい苦しかったっ…』
「俺も、和哉に会えなくて……苦しかった…。―――愛してる」
そう言うと、和哉は声を上げて泣き出してしまった。
『……そ…そんなこと言われたら、信じちゃうっ…!』
「信じろよ。信じて。俺は和哉のこと、愛してる」
『ふぇ…』
「和哉、愛してるから…………だから、今度はちゃんと恋愛しよう? 冗談なんかじゃなくて、友達でもなくて」
『…………うん』
…………ようやく手に入れた、本気の恋。
今度こそ、絶対に手放したりなんかしない。
*END*
はぁ~…何とか終わりましたよ、このお話。
いかがでしたでしょうか。
気付けばもう5月。だらだら長々とすみません。
拍手、コメント、ランクリしてくださったみなさん、ありがとうございました。
大変励みになりました。
今後も恋三昧、よろしくお願いします。
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