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10. その、あたたかさ (前編)
2008.05.01 Thu
「何で追っ掛けてきたの?」
「和哉のこと、好きだから」
「冗談って言ったくせに」
「ゴメン」
さっき改札であれだけ大騒ぎして、5分もしないうちにまた同じ駅に行くなんて恥ずかしいって和哉が言い張るから(俺はもう別にどうだって良かったけど)、向かったのは近くの公園。
時間も時間だから、もう誰もいない。
「……ゴメン、知らなかったんだ、その、和哉が…」
「ゲイだってこと?」
「あ…」
「章ちゃんから、聞いたんでしょ? じゃなきゃ、追い掛けてくるわけないもんね?」
「…………あぁ。だから昨日、思わず言っちゃって、どうしようって…」
でもそれが余計に和哉のこと傷付けるなんて、夢にも思わなくて。
「別に、いいけどね。俺だって別に、自分がゲイだってこと、言って歩いてるわけじゃないし」
「ゴメン」
「だから、謝んなくていいってば」
「昨日言ったの、冗談なんかじゃないから」
「余計タチ悪いよ。前に言ったでしょ? 俺、もう誰も好きにならないって。ましてやノン気の男なんて…………絶対、好きにならない」
俺を見据えてそう言った後、和哉は俯いた。
「でも俺は本気で和哉のこと、好きなんだ」
「……みんなそう言うよ。お前のことが好きだって。でも結局、最後は女のほうがいいっつって、逃げられちゃうもん。ノン気と付き合ったって、絶対ロクなことない。もうヤなの!」
「俺はそんなことない!」
「嘘ばっか。女の子と、いっぱい遊んでるくせに」
もどかしい。
どうすればこの思いが和哉に伝わるんだろう。
でも今までの自分のレンアイを指摘されれば、反論の余地はなくて。
やっぱりもう…………ダメなのかな。
「目、覚ましたほうがいいよ、大樹。お前は女の子のほうが好きなんだって。だから俺とは友達でいよう?」
……………………。
「……いや、今さら友達は無理でしょ。俺、お前に告って振られちゃったんだぜ? なのにこれからも今までみたいに、"いいお友達"で、一緒に出掛けたり、メシ食いに行ったり…………そんなの出来ると思ってんの? つーか俺が無理」
「だって…」
「―――ゴメン、和哉のこと責めたいわけじゃないんだ」
いつもいつも、うまくいく恋愛ばっかじゃないってこと、知ってる。
ただ今までは、うまくいかなくたって、それほどまでに固執してなかっただけ。ダメならダメで、他を探してたから。
ただ……和哉に会って、他の誰かじゃダメなんだってことに気付かされて。
「俺、和哉のことすげぇ好きだし、お前の願ってることなら何でも叶えてやりたいって思うけど…、こんな気持ち抱えて、これからも今までみたいに"友達"として和哉と会うのは無理だよ」
「……」
「―――――だから……ゴメン、もう会わないにしよ?」
「和哉のこと、好きだから」
「冗談って言ったくせに」
「ゴメン」
さっき改札であれだけ大騒ぎして、5分もしないうちにまた同じ駅に行くなんて恥ずかしいって和哉が言い張るから(俺はもう別にどうだって良かったけど)、向かったのは近くの公園。
時間も時間だから、もう誰もいない。
「……ゴメン、知らなかったんだ、その、和哉が…」
「ゲイだってこと?」
「あ…」
「章ちゃんから、聞いたんでしょ? じゃなきゃ、追い掛けてくるわけないもんね?」
「…………あぁ。だから昨日、思わず言っちゃって、どうしようって…」
でもそれが余計に和哉のこと傷付けるなんて、夢にも思わなくて。
「別に、いいけどね。俺だって別に、自分がゲイだってこと、言って歩いてるわけじゃないし」
「ゴメン」
「だから、謝んなくていいってば」
「昨日言ったの、冗談なんかじゃないから」
「余計タチ悪いよ。前に言ったでしょ? 俺、もう誰も好きにならないって。ましてやノン気の男なんて…………絶対、好きにならない」
俺を見据えてそう言った後、和哉は俯いた。
「でも俺は本気で和哉のこと、好きなんだ」
「……みんなそう言うよ。お前のことが好きだって。でも結局、最後は女のほうがいいっつって、逃げられちゃうもん。ノン気と付き合ったって、絶対ロクなことない。もうヤなの!」
「俺はそんなことない!」
「嘘ばっか。女の子と、いっぱい遊んでるくせに」
もどかしい。
どうすればこの思いが和哉に伝わるんだろう。
でも今までの自分のレンアイを指摘されれば、反論の余地はなくて。
やっぱりもう…………ダメなのかな。
「目、覚ましたほうがいいよ、大樹。お前は女の子のほうが好きなんだって。だから俺とは友達でいよう?」
……………………。
「……いや、今さら友達は無理でしょ。俺、お前に告って振られちゃったんだぜ? なのにこれからも今までみたいに、"いいお友達"で、一緒に出掛けたり、メシ食いに行ったり…………そんなの出来ると思ってんの? つーか俺が無理」
「だって…」
「―――ゴメン、和哉のこと責めたいわけじゃないんだ」
いつもいつも、うまくいく恋愛ばっかじゃないってこと、知ってる。
ただ今までは、うまくいかなくたって、それほどまでに固執してなかっただけ。ダメならダメで、他を探してたから。
ただ……和哉に会って、他の誰かじゃダメなんだってことに気付かされて。
「俺、和哉のことすげぇ好きだし、お前の願ってることなら何でも叶えてやりたいって思うけど…、こんな気持ち抱えて、これからも今までみたいに"友達"として和哉と会うのは無理だよ」
「……」
「―――――だから……ゴメン、もう会わないにしよ?」
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