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10. その、あたたかさ (中編)
2008.05.02 Fri
―――――もう会わないにしよ?
「…………ん、」
「ゴメンな、今まで振り回して、傷付けて…………ゴメン。でも俺、和哉と一緒にいれて、すげぇ幸せだった。…………ありがとう」
「…………ぅん…」
俯いたままの、和哉のつむじを見つめて。
あぁ……このまま時間が止まっちゃえばいいのにって思った。ずっとこのままでいれたらいいのに。
「……大樹、俺……も、帰る、ね?」
「うん。あ、送る!」
反射的に俺は和哉の手を取った。
「いいよ、駅、すぐそこだし! 大丈夫だから!」
俺、女の子じゃないし! って言われて、俺は掴んでいた和哉の手を離した。
「じゃあ、ね」
「……あぁ」
和哉は背を向けて、歩き出す。
段々とその背中が小さくなっていって。
走ってって、あの背中を抱き締めて、やっぱり好きだって思いを伝えたい。
「ハッ…」
あまりに女々しい思いに、自嘲する。
もう、終わったんだ……。
俺は足の力が抜けて、ベンチにドサリと身を投げる。
項垂れて、頭を抱える。
あぁ、まだこんなにも好きなのに。
こんなにも胸が痛くて。
いつかこの想いも、痛みも、繋いだ手のぬくもりも、みんな忘れてしまうんだろうか……。
「…………ん、」
「ゴメンな、今まで振り回して、傷付けて…………ゴメン。でも俺、和哉と一緒にいれて、すげぇ幸せだった。…………ありがとう」
「…………ぅん…」
俯いたままの、和哉のつむじを見つめて。
あぁ……このまま時間が止まっちゃえばいいのにって思った。ずっとこのままでいれたらいいのに。
「……大樹、俺……も、帰る、ね?」
「うん。あ、送る!」
反射的に俺は和哉の手を取った。
「いいよ、駅、すぐそこだし! 大丈夫だから!」
俺、女の子じゃないし! って言われて、俺は掴んでいた和哉の手を離した。
「じゃあ、ね」
「……あぁ」
和哉は背を向けて、歩き出す。
段々とその背中が小さくなっていって。
走ってって、あの背中を抱き締めて、やっぱり好きだって思いを伝えたい。
「ハッ…」
あまりに女々しい思いに、自嘲する。
もう、終わったんだ……。
俺は足の力が抜けて、ベンチにドサリと身を投げる。
項垂れて、頭を抱える。
あぁ、まだこんなにも好きなのに。
こんなにも胸が痛くて。
いつかこの想いも、痛みも、繋いだ手のぬくもりも、みんな忘れてしまうんだろうか……。
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