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one night in heaven (11)
2011.04.29 Fri
三世代揃った家族連れや、若いカップル、ビジネスマン、それに結婚式か何かパーティーに出席したのだろう、キレイに着飾った女の子たちでロビーは賑やかだ。
正面玄関から入ってまっすぐのところにあるロビーラウンジには、小さな子どもがいるのが見えて、そんな年からこういうホテルに泊まるって、どんなお家なんだろう、と思ってしまう。
たぶん、住む世界が違うとはこういうことを言うのだろう。
「睦月、こっち」
「…ん」
コートを掴む睦月の手を無理には解かず、亮はフロントのほうへと向かう。
全然自慢にはならないが、睦月は今まで自分でホテルや旅館のチェックインをしたことがないから、本当に亮にすべてをお任せするしかない。
(おねーさん、えーご喋ってる…)
亮がチェックインをしている間、睦月はその後ろにひっ付きながら、フロントの中の様子を窺っていれば、格好いい制服に身を包んだフロントレセプションの女性が、英語でお客さんと話している。
外国人宿泊客も多いから、英語くらい話せないと勤まらないのかもしれない。
「お部屋までご案内いたしますね」
ロビーアテンダントの女性が、笑顔で2人の荷物を預かり、エレヴェータのほうへと案内してくれる。
睦月にしたら、荷物なんてほんの少しだし、全然平気で持てるのに……なんて思ってしまうあたり、やっぱり一般庶民なのかも。
「さんじゅーはちかい…」
エレヴェータが停まると、階数表示をずっと見上げていた睦月は、思わず到着した階を口に出して言ってしまった。
しかも自分では気付いていなかったが、見上げている間中、ずっと口をポカンとさせていたようで、睦月は慌てて口元を引き締めた。
「こちらでございます。お部屋の説明はいかがいたしましょうか?」
ドアまで開けてもらい、部屋の中に通されると、その広くて明るい室内に、睦月は思わず「わぁ~すご~い!」と駆け出しそうになったが、そこはグッと堪えた。
それにしても、部屋の説明て? と睦月は、亮とロビーアテンダントの女性を交互に見る。
早く2人きりになりたいと思っていたけれど、せっかくだから聞いてみようかな、とお願いしてみれば、内線の掛け方やセキュリティボックスの使い方、電動カーテンの開閉の仕方まで、丁寧に教えてもらった。
「では、ごゆっくりお寛ぎください」
深々と頭を下げ、リビーアテンダントの女性は部屋を出ていくと、「ふ、ぁ……緊張した…」と、睦月は気が抜けたように大きなベッドの片方に腰を下ろして、仰向けに寝そべった。
「そんなに? でも平気だったでしょ?」
亮も、睦月と同じベッドに座って、目を閉じている睦月の頬に触れた。
「平気だったけどー…でも緊張した」
「部屋の説明聞くって、睦月、自分でお願いしたじゃん?」
「何か…せっかくだから? こーゆーチャンスはもうないかもだから、経験しとこうと思って。ぐふふ」
猫が甘えるみたいに、亮の手に頬をすり寄せた。
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正面玄関から入ってまっすぐのところにあるロビーラウンジには、小さな子どもがいるのが見えて、そんな年からこういうホテルに泊まるって、どんなお家なんだろう、と思ってしまう。
たぶん、住む世界が違うとはこういうことを言うのだろう。
「睦月、こっち」
「…ん」
コートを掴む睦月の手を無理には解かず、亮はフロントのほうへと向かう。
全然自慢にはならないが、睦月は今まで自分でホテルや旅館のチェックインをしたことがないから、本当に亮にすべてをお任せするしかない。
(おねーさん、えーご喋ってる…)
亮がチェックインをしている間、睦月はその後ろにひっ付きながら、フロントの中の様子を窺っていれば、格好いい制服に身を包んだフロントレセプションの女性が、英語でお客さんと話している。
外国人宿泊客も多いから、英語くらい話せないと勤まらないのかもしれない。
「お部屋までご案内いたしますね」
ロビーアテンダントの女性が、笑顔で2人の荷物を預かり、エレヴェータのほうへと案内してくれる。
睦月にしたら、荷物なんてほんの少しだし、全然平気で持てるのに……なんて思ってしまうあたり、やっぱり一般庶民なのかも。
「さんじゅーはちかい…」
エレヴェータが停まると、階数表示をずっと見上げていた睦月は、思わず到着した階を口に出して言ってしまった。
しかも自分では気付いていなかったが、見上げている間中、ずっと口をポカンとさせていたようで、睦月は慌てて口元を引き締めた。
「こちらでございます。お部屋の説明はいかがいたしましょうか?」
ドアまで開けてもらい、部屋の中に通されると、その広くて明るい室内に、睦月は思わず「わぁ~すご~い!」と駆け出しそうになったが、そこはグッと堪えた。
それにしても、部屋の説明て? と睦月は、亮とロビーアテンダントの女性を交互に見る。
早く2人きりになりたいと思っていたけれど、せっかくだから聞いてみようかな、とお願いしてみれば、内線の掛け方やセキュリティボックスの使い方、電動カーテンの開閉の仕方まで、丁寧に教えてもらった。
「では、ごゆっくりお寛ぎください」
深々と頭を下げ、リビーアテンダントの女性は部屋を出ていくと、「ふ、ぁ……緊張した…」と、睦月は気が抜けたように大きなベッドの片方に腰を下ろして、仰向けに寝そべった。
「そんなに? でも平気だったでしょ?」
亮も、睦月と同じベッドに座って、目を閉じている睦月の頬に触れた。
「平気だったけどー…でも緊張した」
「部屋の説明聞くって、睦月、自分でお願いしたじゃん?」
「何か…せっかくだから? こーゆーチャンスはもうないかもだから、経験しとこうと思って。ぐふふ」
猫が甘えるみたいに、亮の手に頬をすり寄せた。
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COMMENT-FORM
けいったん ⇒
遊園地での むっちゃんとは違って ホテルでは ”おすまし”むっちゃん!
(o´ェ`o)ゞエヘヘ→(`・ω・´)シャキーン
私も そんな感じなので むっちゃんの気持ちが、よ~く分かるよ(´∀`)ノ '`ィ
やっと亮と 二人っきり~(*・・*)
PC完全復活までは、道は遠いです...(-´ω`-)シュン
漢字変換出来なくて 全部”ひらがな”になった時は 焦ったぁ~d(´゚∀゚`;)...byebye☆
(o´ェ`o)ゞエヘヘ→(`・ω・´)シャキーン
私も そんな感じなので むっちゃんの気持ちが、よ~く分かるよ(´∀`)ノ '`ィ
やっと亮と 二人っきり~(*・・*)
PC完全復活までは、道は遠いです...(-´ω`-)シュン
漢字変換出来なくて 全部”ひらがな”になった時は 焦ったぁ~d(´゚∀゚`;)...byebye☆
- |2011.04.29
- |Fri
- |11:05
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >けいったんさん
むっちゃん、人見知りも手伝って、知らない人の前だと、おすましさんです(`・ω・́)ゝビシッ
でも私も、ちょっといいところに行くと、こっちがお客さんなのに、妙に緊張してしまいます…(^_^;)
やっと亮タンと2人きり。
これでむっちゃんの緊張も解けるでしょうか(*^_^*)
PC、まだまだ完全復活してないんですね(>_<)
漢字変換できないのは、つらいです…。
早く治りますように…!!
コメントありがとうございました!
でも私も、ちょっといいところに行くと、こっちがお客さんなのに、妙に緊張してしまいます…(^_^;)
やっと亮タンと2人きり。
これでむっちゃんの緊張も解けるでしょうか(*^_^*)
PC、まだまだ完全復活してないんですね(>_<)
漢字変換できないのは、つらいです…。
早く治りますように…!!
コメントありがとうございました!