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one night in heaven (8)
2011.04.26 Tue
「いいのー。亮が連れてってくれてるから、お礼なの。俺1人だったら、旅行なんて行かないまま終わってたし。だから素直に奢られときなさい」
「そうなの? じゃあ、ありがたくゴチになる」
お礼をされるほどのことをしたとは思っていないが、睦月が喜んでくれているからなのだと思って、素直に受け取ることにした。
「観覧車行こー、亮、亮ー」
寒さから、もこもこふわふわの襟元に首をうずめながら、睦月は、早く早くと亮を急かす。
そんなに急がなくても、観覧車はもちろん逃げないのだが、待ち切れない睦月は、今にも駆け出さんばかりの勢いだ。
「睦月、そんなに…」
「うわっ」
「あぶなっ」
よそ見してると転ぶよ、と亮が声を掛けようとした矢先、前も足元も全然見ていなかった睦月は、案の定、タイルだかに躓いて転び掛けている。
咄嗟に亮が睦月の腕を掴んだので、何とか転ぶことだけは免れたけれど。
「睦月、大丈夫?」
「えっへっへー、大丈夫ー」
きっと危なかったことよりも嬉しさのほうが大きいのだろう、睦月は危機感ゼロに、ヘラヘラ笑いながら答えた。
まったく浮かれすぎもいいところなのだが、睦月の嬉しそうな顔に、亮も何も言えなくなってしまう。
ちょっとしたお出掛けなら今までにもあるけれど、遠くもないホテルにお泊りとはいえ、今日は旅行だし、何だか妙に浮かれた気分になるのも分かるから。
「チケットあそこ! 早く並ぼ?」
「分かったから、睦月、ちょっ…」
つい今し方、躓いて転び掛けたというのに、睦月は無邪気に亮の腕を引っ張って、券売機の列に向かう。
旅行面倒くさいとか、インドア派とか、そんなの嘘でしょ? と思わず亮が思ってしまうほどの、睦月のはしゃぎっぷり。
これが、亮と一緒だから、という理由だったら、とっても嬉しい限りだけれど。
「今度来たときは、他のも乗るんだからね?」
「…はい」
観覧車のチケットを買った後、お金を入れていない状態で、他のアトラクションのチケットのボタンをカチカチ押しながら、睦月は念を押すようにねだった。
亮は一応返事をするが、睦月が押しているのボタンが、普通にジェットコースターなのがちょっと気になる。
「亮ー?」
「ホントに分かったってば!」
疑わしげな視線を向けられ、亮は仕方なしにそう言い放った。
睦月は、こういう約束なら絶対に忘れなそうなので、きっとそう遠くない未来、睦月と一緒に絶叫系のアトラクションに乗るはめになるのだろう。
若干暗い気持ちになりつつ、亮は睦月を連れて観覧車へと向かった。
「あんま並んでないね、よかった」
観覧車には乗りたいけれど、この寒い中、並んでずっと待っているのは、ちょっと耐えられない。
普通そういうことはチケットを買う前に確認すべきなんだろうけど、今日は浮かれていたせいか、肝心なことを忘れていた。
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「そうなの? じゃあ、ありがたくゴチになる」
お礼をされるほどのことをしたとは思っていないが、睦月が喜んでくれているからなのだと思って、素直に受け取ることにした。
「観覧車行こー、亮、亮ー」
寒さから、もこもこふわふわの襟元に首をうずめながら、睦月は、早く早くと亮を急かす。
そんなに急がなくても、観覧車はもちろん逃げないのだが、待ち切れない睦月は、今にも駆け出さんばかりの勢いだ。
「睦月、そんなに…」
「うわっ」
「あぶなっ」
よそ見してると転ぶよ、と亮が声を掛けようとした矢先、前も足元も全然見ていなかった睦月は、案の定、タイルだかに躓いて転び掛けている。
咄嗟に亮が睦月の腕を掴んだので、何とか転ぶことだけは免れたけれど。
「睦月、大丈夫?」
「えっへっへー、大丈夫ー」
きっと危なかったことよりも嬉しさのほうが大きいのだろう、睦月は危機感ゼロに、ヘラヘラ笑いながら答えた。
まったく浮かれすぎもいいところなのだが、睦月の嬉しそうな顔に、亮も何も言えなくなってしまう。
ちょっとしたお出掛けなら今までにもあるけれど、遠くもないホテルにお泊りとはいえ、今日は旅行だし、何だか妙に浮かれた気分になるのも分かるから。
「チケットあそこ! 早く並ぼ?」
「分かったから、睦月、ちょっ…」
つい今し方、躓いて転び掛けたというのに、睦月は無邪気に亮の腕を引っ張って、券売機の列に向かう。
旅行面倒くさいとか、インドア派とか、そんなの嘘でしょ? と思わず亮が思ってしまうほどの、睦月のはしゃぎっぷり。
これが、亮と一緒だから、という理由だったら、とっても嬉しい限りだけれど。
「今度来たときは、他のも乗るんだからね?」
「…はい」
観覧車のチケットを買った後、お金を入れていない状態で、他のアトラクションのチケットのボタンをカチカチ押しながら、睦月は念を押すようにねだった。
亮は一応返事をするが、睦月が押しているのボタンが、普通にジェットコースターなのがちょっと気になる。
「亮ー?」
「ホントに分かったってば!」
疑わしげな視線を向けられ、亮は仕方なしにそう言い放った。
睦月は、こういう約束なら絶対に忘れなそうなので、きっとそう遠くない未来、睦月と一緒に絶叫系のアトラクションに乗るはめになるのだろう。
若干暗い気持ちになりつつ、亮は睦月を連れて観覧車へと向かった。
「あんま並んでないね、よかった」
観覧車には乗りたいけれど、この寒い中、並んでずっと待っているのは、ちょっと耐えられない。
普通そういうことはチケットを買う前に確認すべきなんだろうけど、今日は浮かれていたせいか、肝心なことを忘れていた。
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如月久美子 ⇒ >拍手コメ→Kさん
基本的にむっちゃん、スーパー面倒くさがりなんで、自分の好きなこと以外は興味なしです(笑)
でも遊園地は大好きだから、もう大はしゃぎですヽ(^o^)丿
これだけ喜んでくれたら、亮タンも悩んで旅行に誘った甲斐がありましたね。
あとは、絶叫マシンに乗れるようになるだけ…(汗)
私も絶叫マシン、乗れるのと乗れないのがあるから、苦手なヤツはホントにダメ~~!! て言っちゃうと思います(笑)
拍手&コメントありがとうございました!
でも遊園地は大好きだから、もう大はしゃぎですヽ(^o^)丿
これだけ喜んでくれたら、亮タンも悩んで旅行に誘った甲斐がありましたね。
あとは、絶叫マシンに乗れるようになるだけ…(汗)
私も絶叫マシン、乗れるのと乗れないのがあるから、苦手なヤツはホントにダメ~~!! て言っちゃうと思います(笑)
拍手&コメントありがとうございました!