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one night in heaven (3)
2011.04.21 Thu
「誘うとしたらだよ、誘うとしたら! 何でショウが睦月とホントに旅行行くんだよ! 行かせぇねよ!」
「あーはいはい。てかお前、面倒くせぇな」
翔真にしたら、睦月がそんなに旅行が好きでないとか、それ自体を今知ったのだ。
昔、絶叫系のアトラクションに乗れない亮の代わりに、睦月と遊園地に行ったことがあるけれど、そういえば旅行の話なんてしたこともないし、はっきり言って睦月がどこに行きたいかなんて、まったく見当もつかない。
「でもショウしか頼る相手がいないの! 祐介にも聞いたけど、『睦月、旅行嫌いじゃね?』とか言って、あっさり片付けられたし! 分かってて聞いたんだっつの!」
「分かった、分かった」
椅子を飛び降りた亮は、翔真のベッドのそばに行き、興奮気味にベッドを殴る。
睦月のことを何でも知っている人トップ3に、常にランクインの祐介の答えは、『睦月は旅行が好きでないのだから、行きたい場所なんかない』で決まっているようで、ちっとも亮の参考にはならなかったらしい。
「てかさ、ショウ、真大とどっか行ったの? アイツも旅行券貰ったじゃん。一緒に行ってねぇの?」
「…行ったけど?」
「マジで!? どこっ?」
「…………、温泉、とか………………普通に」
微妙な間を挟みながら、翔真はボソリと答えた。
どうも視線をちゃんと亮に合わせないところが、何となく怪しい。
「ショウちゃ~ん、どこの温泉行ったの~?」
「…そんなの聞いてどうすんだよ」
「参考にする」
ニヤニヤしている亮に、翔真はひどく嫌そうな顔で聞き返すが、亮はシレッとそんなことを言う。
普段からシャワーだけで済まそうとしては、和衣に湯船に無理やり沈められている睦月を、温泉なんかに誘って色よい返事が貰えるとは、到底思えないのに。
「お前にはぜってぇ教えねぇ」
「何でっ、ショウのケチ!」
「うっせ」
翔真は手にしていたマンガ本で、亮の頭を叩いた。
亮は非常におもしろくなさそうな顔をしたが、はっきり言って、これ以上亮の相手をするのは面倒くさい。無視だ、無視。
そう思ったのに。
「…………。ショウが教えてくんないなら、真大に聞いちゃおっかなーイテッ!」
無視を決め込んだ翔真に、亮が軽く脅しを掛ければ、即行で返事の代わりのキックが飛んで来た。
いくら強気な性格の真大でも、亮は先輩だし、絶対に内緒にしておかなければならないほどの内容でもないから、聞かれれば絶対に答えてしまうに違いない。
別に知られたからどうということもないが、やっぱり恥ずかしいし、だからこそ、今聞かれるまで、真大と旅行に行ったこと自体を黙っていたのだ。知られてたまるか。
「お前は自分の心配しろよ。むっちゃんと旅行行きてぇんだろ?」
「行きたい」
「ならもっと真剣に考えろ」
ついつい話が脱線してしまうが、もとはと言えば、亮が睦月を旅行に誘いたいと言い出したのが始まりだ。
これだけ翔真の部屋に入り浸って、何時間もパソコンに向かっていたのだから、いい加減けりを付けてもらいたい。
back next
「あーはいはい。てかお前、面倒くせぇな」
翔真にしたら、睦月がそんなに旅行が好きでないとか、それ自体を今知ったのだ。
昔、絶叫系のアトラクションに乗れない亮の代わりに、睦月と遊園地に行ったことがあるけれど、そういえば旅行の話なんてしたこともないし、はっきり言って睦月がどこに行きたいかなんて、まったく見当もつかない。
「でもショウしか頼る相手がいないの! 祐介にも聞いたけど、『睦月、旅行嫌いじゃね?』とか言って、あっさり片付けられたし! 分かってて聞いたんだっつの!」
「分かった、分かった」
椅子を飛び降りた亮は、翔真のベッドのそばに行き、興奮気味にベッドを殴る。
睦月のことを何でも知っている人トップ3に、常にランクインの祐介の答えは、『睦月は旅行が好きでないのだから、行きたい場所なんかない』で決まっているようで、ちっとも亮の参考にはならなかったらしい。
「てかさ、ショウ、真大とどっか行ったの? アイツも旅行券貰ったじゃん。一緒に行ってねぇの?」
「…行ったけど?」
「マジで!? どこっ?」
「…………、温泉、とか………………普通に」
微妙な間を挟みながら、翔真はボソリと答えた。
どうも視線をちゃんと亮に合わせないところが、何となく怪しい。
「ショウちゃ~ん、どこの温泉行ったの~?」
「…そんなの聞いてどうすんだよ」
「参考にする」
ニヤニヤしている亮に、翔真はひどく嫌そうな顔で聞き返すが、亮はシレッとそんなことを言う。
普段からシャワーだけで済まそうとしては、和衣に湯船に無理やり沈められている睦月を、温泉なんかに誘って色よい返事が貰えるとは、到底思えないのに。
「お前にはぜってぇ教えねぇ」
「何でっ、ショウのケチ!」
「うっせ」
翔真は手にしていたマンガ本で、亮の頭を叩いた。
亮は非常におもしろくなさそうな顔をしたが、はっきり言って、これ以上亮の相手をするのは面倒くさい。無視だ、無視。
そう思ったのに。
「…………。ショウが教えてくんないなら、真大に聞いちゃおっかなーイテッ!」
無視を決め込んだ翔真に、亮が軽く脅しを掛ければ、即行で返事の代わりのキックが飛んで来た。
いくら強気な性格の真大でも、亮は先輩だし、絶対に内緒にしておかなければならないほどの内容でもないから、聞かれれば絶対に答えてしまうに違いない。
別に知られたからどうということもないが、やっぱり恥ずかしいし、だからこそ、今聞かれるまで、真大と旅行に行ったこと自体を黙っていたのだ。知られてたまるか。
「お前は自分の心配しろよ。むっちゃんと旅行行きてぇんだろ?」
「行きたい」
「ならもっと真剣に考えろ」
ついつい話が脱線してしまうが、もとはと言えば、亮が睦月を旅行に誘いたいと言い出したのが始まりだ。
これだけ翔真の部屋に入り浸って、何時間もパソコンに向かっていたのだから、いい加減けりを付けてもらいたい。
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