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one night in heaven (2)
2011.04.20 Wed
「違ぇの、サプライズ的にしたいわけ。『ねぇねぇむっちゃん、旅行しよ?』『え、マジ?』『うん、ここ行こ?』『わーい、いいよ! ヤッター!』みたいな」
「……へぇー…」
何だかよく分からない独り芝居とかを始められ、翔真はドン引き気味だが、亮はそれに気付かず、「ショウ、どこがいいと思う!?」と縋り付く。
和衣からは、恋愛エキスパートのように思われている亮だって、いくら恋愛経験が多めと言ってもまだ20歳の男子大学生だから、色恋沙汰で誰かに縋ったり頼ったりしたくなることなど、いくらでもあるのだ。
「なぁ、ショウー」
「えー? むっちゃんの行きたいような場所? 旅行で? てか、そういうの、カズに頼めば? バイトのときとかに、こっそり探り入れてもらうの」
「カズはダメ! 探り入れるとか、そんな器用なまねがアイツに出来るわけがない。そんで、絶対うっかり睦月に喋りそう」
「あー…想像付くな、それ」
口が軽いわけではないが、和衣は、"ついうっかり"が多い。
ましてや気心の知れた睦月相手なら、それはなおさらだろうし、口下手で嘘やごまかしが下手くそだから、絶対に睦月にバレるに決まっている。
「でも別に、どうしてもむっちゃんに内緒にしとかなきゃいけないわけじゃないんだし、いいんじゃね? バレても。何でサプライズ?」
「…たぶん睦月のことだから、旅行の計画とかすんの、面倒くさがりそう」
「あーそうね、確かに」
「どうせ1人で計画しなきゃなんないのに、睦月に旅行誘おうとしてんのがバレバレなのは虚しい」
「虚しいね」
「だったらいっそ、睦月に内緒で事を進めたい」
睦月の場合、デートの行き先なんて何でもいいけれど、本当のところ、面倒くさいから出来ればお出掛けしたくない、という典型的なインドアタイプだ。
そんな子を旅行に誘おうとしているのだから、行き先を考えるのも、どう事を進めるのか考えるのも一苦労だ。
「大体さぁ、睦月、旅行そんなに好きじゃねぇんだって」
「はぁ? じゃあ誘ったって、『わーい、いいよ!』は、ねぇじゃん」
それはサプライズ以前に、とっても根本的なところで、亮は何かを間違えているのでは?
まぁ、恋人と一緒に旅行に行きたいと思う気持ちは、翔真にも分かるけれど。
「でもカズが女装コンテストで貰った旅行券。俺、睦月の分も預かっててさぁ」
「はい?」
「何か睦月に預かってて、て言われて。そんとき、亮が連れてってくれるなら行ってもいい、て言われたんだよね」
「うわぁー、ツンデレ全開だー、むっちゃん」
たとえツンデレ全開だろうと、睦月がそう言ったのは確かだから、亮が旅行に誘ったら、『ヤッター!』はなくても、『まぁいいけど』くらいは言ってくれると思うのだ。
「ショウだったら、どこ行く?」
「え、真大と?」
「うぅん、睦月と」
「いや、むっちゃん旅行になんか誘わねぇし」
恋人との旅行にはどこに行くのか、という意見を参考に聞きたいのかと思えば、翔真が睦月を旅行に誘うとしたらどこにするのか、という超ピンポイントな質問だった。
みんなで行くならまだしも、翔真が睦月と2人で旅行に行くなどあり得ないのだから、答えてみようがない。
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「……へぇー…」
何だかよく分からない独り芝居とかを始められ、翔真はドン引き気味だが、亮はそれに気付かず、「ショウ、どこがいいと思う!?」と縋り付く。
和衣からは、恋愛エキスパートのように思われている亮だって、いくら恋愛経験が多めと言ってもまだ20歳の男子大学生だから、色恋沙汰で誰かに縋ったり頼ったりしたくなることなど、いくらでもあるのだ。
「なぁ、ショウー」
「えー? むっちゃんの行きたいような場所? 旅行で? てか、そういうの、カズに頼めば? バイトのときとかに、こっそり探り入れてもらうの」
「カズはダメ! 探り入れるとか、そんな器用なまねがアイツに出来るわけがない。そんで、絶対うっかり睦月に喋りそう」
「あー…想像付くな、それ」
口が軽いわけではないが、和衣は、"ついうっかり"が多い。
ましてや気心の知れた睦月相手なら、それはなおさらだろうし、口下手で嘘やごまかしが下手くそだから、絶対に睦月にバレるに決まっている。
「でも別に、どうしてもむっちゃんに内緒にしとかなきゃいけないわけじゃないんだし、いいんじゃね? バレても。何でサプライズ?」
「…たぶん睦月のことだから、旅行の計画とかすんの、面倒くさがりそう」
「あーそうね、確かに」
「どうせ1人で計画しなきゃなんないのに、睦月に旅行誘おうとしてんのがバレバレなのは虚しい」
「虚しいね」
「だったらいっそ、睦月に内緒で事を進めたい」
睦月の場合、デートの行き先なんて何でもいいけれど、本当のところ、面倒くさいから出来ればお出掛けしたくない、という典型的なインドアタイプだ。
そんな子を旅行に誘おうとしているのだから、行き先を考えるのも、どう事を進めるのか考えるのも一苦労だ。
「大体さぁ、睦月、旅行そんなに好きじゃねぇんだって」
「はぁ? じゃあ誘ったって、『わーい、いいよ!』は、ねぇじゃん」
それはサプライズ以前に、とっても根本的なところで、亮は何かを間違えているのでは?
まぁ、恋人と一緒に旅行に行きたいと思う気持ちは、翔真にも分かるけれど。
「でもカズが女装コンテストで貰った旅行券。俺、睦月の分も預かっててさぁ」
「はい?」
「何か睦月に預かってて、て言われて。そんとき、亮が連れてってくれるなら行ってもいい、て言われたんだよね」
「うわぁー、ツンデレ全開だー、むっちゃん」
たとえツンデレ全開だろうと、睦月がそう言ったのは確かだから、亮が旅行に誘ったら、『ヤッター!』はなくても、『まぁいいけど』くらいは言ってくれると思うのだ。
「ショウだったら、どこ行く?」
「え、真大と?」
「うぅん、睦月と」
「いや、むっちゃん旅行になんか誘わねぇし」
恋人との旅行にはどこに行くのか、という意見を参考に聞きたいのかと思えば、翔真が睦月を旅行に誘うとしたらどこにするのか、という超ピンポイントな質問だった。
みんなで行くならまだしも、翔真が睦月と2人で旅行に行くなどあり得ないのだから、答えてみようがない。
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