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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (12)
2011.03.17 Thu
ガソリンや灯油の買い占めはやめましょう。被災地では深刻な燃料不足だそうです。
買いだめしたい気持ちは分かります。
今、私の住んでいる地域でも、町内業者も燃料が入荷されず、在庫不足から購入制限が出ています。家にある燃料が切れたら…と思うと、怖くて買っておきたくなります。
でも、こういう事態ですので、買いだめ・買い占めは自粛しましょうね。
新潟も、今日は雪です。職場も燃料が足りなくなり、暖房が点かない状況です。
みなさま、風邪などひかないよう、気を付けてくださいね。
「地元だったら心配しないけどっ…」
「私、これからこっち住むんだよ?」
「そうだけどっ」
「え、由里ちゃん、一人暮らしすんの? 1人? 1人で生活すんのっ!?」
由里のことが心配で堪らないといった様子の祐介を遮って、睦月が全然違った切り口で驚いている。
睦月は今でも、一人暮らしなんて、とんでもない超人がするようなことだと思っている節があるのだ。
「そうだよー、一人暮らし。むっちゃんと違って、1人でご飯作れるしね」
笑顔でブイサインを作る由里は、見た目に違わずきっぱりした性格のようで、兄の親友とはいえ、年上の男に向かって、あっさりバッサリとそう言った。
しかしこればかりは、実家を離れてから既に3年も経つのに、未だに食事の後片付けすら儘ならない睦月に、言い返す言葉はない。
和衣は先ほどの、覚束ない手付きで食器を拭いていた睦月を思い出して笑ったが、それはしっかり睦月に気付かれていて、こっそり蹴飛ばされた。
「でもまぁいっか。お兄ちゃんの住んでるトコも見たし、今日はもう帰るね」
睦月と和衣はすでに風呂上がり、あとは寝るだけの格好をしているし、いくら規則の厳しくない寮とはいえ、いつまでも部外者、それも女性がいるのはよくないと思ったのだろう、由里は荷物をまとめて立ち上がった。
「あ、お兄ちゃん。いくら妹だからっつって、女の子が来たときはお茶くらい出してよね。彼女に嫌われるよ」
「うるさいっ。送ってくから、ホラ、荷物っ」
由里にからかわれ、柄にもなく祐介は顔を赤らめながら、ぶっきら棒に由里の手から荷物を奪った。
何だかんだ言っても、祐介はひどく優しい男なのだ。
「はいはいはーいっ! 俺が由里ちゃん送ってく! ねぇゆっち、いいでしょ?」
何を思ったのか、睦月がいきなりそんなことを言い出した。しかも、小学生みたいに元気よく挙手して。
由里的には、別に誰が送ってくれてもいいし、ここからなら電車で乗り換えなしだから、送ってくれるまでしなくてもいいのだけれど。
「でもむっちゃん、帰り…」
心配そうに言ったのは、和衣だ。
由里を送って行った後、睦月はまたこの寮まで帰って来なければならないのに。バイト帰りですら睦月を1人にさせたくないくらい、祐介に負けず劣らず過保護な和衣は、それを心配する。
「大丈夫。亮のバイト終わるから、一緒に帰って来るし。ちょっ、俺着替えて来るから、由里ちゃん、ちょっと待ってて」
「うん」
睦月はパタパタと部屋を出て行った。
「…てかさ、お兄ちゃん、ここマジ赤いけど」
「当たり前だよ。本気で殴られたんだぞ!」
睦月がいなくなって、由里は改めて祐介の頬を指差して笑ったが、祐介にしたら笑い事ではない。
訳も分からず殴られた後、何となくあっさりと謝られたきり、どうして殴られたのか、その理由を少しも明かされていないのだ。
なのに睦月自身は、もうすでにそのことはどうでもよくなったのか、全然悪びれたふうもなく、由里を送っていくと張り切って支度をしに行ってしまった。
「むっちゃんてさ、相変わらず、何かあると手が出るんだねー」
「だから、笑い事じゃないっつの!」
由里の言葉に祐介はまた機嫌を損ねたが、彼女の言い方からして、睦月のその性格は、相当昔からのようだ。
そういえば和衣たちが初めて会ったときも、女の子に間違われてナンパされていた睦月は、その男の胸倉を掴み上げていたっけ。
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買いだめしたい気持ちは分かります。
今、私の住んでいる地域でも、町内業者も燃料が入荷されず、在庫不足から購入制限が出ています。家にある燃料が切れたら…と思うと、怖くて買っておきたくなります。
でも、こういう事態ですので、買いだめ・買い占めは自粛しましょうね。
新潟も、今日は雪です。職場も燃料が足りなくなり、暖房が点かない状況です。
みなさま、風邪などひかないよう、気を付けてくださいね。
「地元だったら心配しないけどっ…」
「私、これからこっち住むんだよ?」
「そうだけどっ」
「え、由里ちゃん、一人暮らしすんの? 1人? 1人で生活すんのっ!?」
由里のことが心配で堪らないといった様子の祐介を遮って、睦月が全然違った切り口で驚いている。
睦月は今でも、一人暮らしなんて、とんでもない超人がするようなことだと思っている節があるのだ。
「そうだよー、一人暮らし。むっちゃんと違って、1人でご飯作れるしね」
笑顔でブイサインを作る由里は、見た目に違わずきっぱりした性格のようで、兄の親友とはいえ、年上の男に向かって、あっさりバッサリとそう言った。
しかしこればかりは、実家を離れてから既に3年も経つのに、未だに食事の後片付けすら儘ならない睦月に、言い返す言葉はない。
和衣は先ほどの、覚束ない手付きで食器を拭いていた睦月を思い出して笑ったが、それはしっかり睦月に気付かれていて、こっそり蹴飛ばされた。
「でもまぁいっか。お兄ちゃんの住んでるトコも見たし、今日はもう帰るね」
睦月と和衣はすでに風呂上がり、あとは寝るだけの格好をしているし、いくら規則の厳しくない寮とはいえ、いつまでも部外者、それも女性がいるのはよくないと思ったのだろう、由里は荷物をまとめて立ち上がった。
「あ、お兄ちゃん。いくら妹だからっつって、女の子が来たときはお茶くらい出してよね。彼女に嫌われるよ」
「うるさいっ。送ってくから、ホラ、荷物っ」
由里にからかわれ、柄にもなく祐介は顔を赤らめながら、ぶっきら棒に由里の手から荷物を奪った。
何だかんだ言っても、祐介はひどく優しい男なのだ。
「はいはいはーいっ! 俺が由里ちゃん送ってく! ねぇゆっち、いいでしょ?」
何を思ったのか、睦月がいきなりそんなことを言い出した。しかも、小学生みたいに元気よく挙手して。
由里的には、別に誰が送ってくれてもいいし、ここからなら電車で乗り換えなしだから、送ってくれるまでしなくてもいいのだけれど。
「でもむっちゃん、帰り…」
心配そうに言ったのは、和衣だ。
由里を送って行った後、睦月はまたこの寮まで帰って来なければならないのに。バイト帰りですら睦月を1人にさせたくないくらい、祐介に負けず劣らず過保護な和衣は、それを心配する。
「大丈夫。亮のバイト終わるから、一緒に帰って来るし。ちょっ、俺着替えて来るから、由里ちゃん、ちょっと待ってて」
「うん」
睦月はパタパタと部屋を出て行った。
「…てかさ、お兄ちゃん、ここマジ赤いけど」
「当たり前だよ。本気で殴られたんだぞ!」
睦月がいなくなって、由里は改めて祐介の頬を指差して笑ったが、祐介にしたら笑い事ではない。
訳も分からず殴られた後、何となくあっさりと謝られたきり、どうして殴られたのか、その理由を少しも明かされていないのだ。
なのに睦月自身は、もうすでにそのことはどうでもよくなったのか、全然悪びれたふうもなく、由里を送っていくと張り切って支度をしに行ってしまった。
「むっちゃんてさ、相変わらず、何かあると手が出るんだねー」
「だから、笑い事じゃないっつの!」
由里の言葉に祐介はまた機嫌を損ねたが、彼女の言い方からして、睦月のその性格は、相当昔からのようだ。
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如月久美子 ⇒
お名前を伏せようと思ったのですが、アルファベット1文字でしたので。。。
やっぱりゆっちさんは、女の子に振り回されそうですよね(笑)
一応、妹は2人いるという脳内設定なんですが、実家にいたときは、2人ともに振り回されてたんじゃないかなぁ…と。
カズちゃん、ようやくほっと一息。
でも果たしてうまく渡せるでしょうか。
ホワイトデーも、なかなか大変です(笑)
拍手&コメントありがとうございました。
やっぱりゆっちさんは、女の子に振り回されそうですよね(笑)
一応、妹は2人いるという脳内設定なんですが、実家にいたときは、2人ともに振り回されてたんじゃないかなぁ…と。
カズちゃん、ようやくほっと一息。
でも果たしてうまく渡せるでしょうか。
ホワイトデーも、なかなか大変です(笑)
拍手&コメントありがとうございました。
如月久美子 ⇒
いつもコメントありがとうございます。
むっちゃんの、愛の(!?)鉄拳制裁、やっちゃった本人は、もうどうでもよくなっちゃってるみたいで(笑)
妹には振り回されるは、むっちゃんにはブッ飛ばされるは、ゆっちさんにとっては、散々なホワイトデーになりました。
果たしてカズちゃんから、愛のお返しは貰えるんでしょうか…??
お楽しみにです。
燃料不足は深刻ですよね。
お店でも日用品やらが品薄になっているようで…。
買いたくなる気持ちは分かるんですが;
今日は午後からようやく晴れましたが、雪解け、そして春はまだまだ遠い感じです(涙)
拍手&コメントありがとうございました。
むっちゃんの、愛の(!?)鉄拳制裁、やっちゃった本人は、もうどうでもよくなっちゃってるみたいで(笑)
妹には振り回されるは、むっちゃんにはブッ飛ばされるは、ゆっちさんにとっては、散々なホワイトデーになりました。
果たしてカズちゃんから、愛のお返しは貰えるんでしょうか…??
お楽しみにです。
燃料不足は深刻ですよね。
お店でも日用品やらが品薄になっているようで…。
買いたくなる気持ちは分かるんですが;
今日は午後からようやく晴れましたが、雪解け、そして春はまだまだ遠い感じです(涙)
拍手&コメントありがとうございました。