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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (10)
2011.03.14 Mon
和衣も睦月も、祐介の部屋の前、動けずに固まっていたら、とうとうその声の主が階段を上り終え、廊下のほうに現れた。
祐介と、隣を歩く女の子。
先ほど潤が言っていたように、短いスカートの、少し気の強そうな。
祐介はいろいろとショップの紙バッグを抱えていて、でもそれはどう見ても女の子のお店のものだから、彼女のものなのだろう。祐介が、買ってあげたの?
和衣の足元が、フラリと揺らいだ。
「あれ、2人とも何して…、て、」
「こんのバカーーーーー!!」
「へ?」
部屋に向かって歩いて来た祐介が、自分の部屋の前にいた睦月と和衣に気付いて声を掛けようとした、それとほぼ同時に、睦月は拳を振り上げた。
「あ、むっちゃん?」
しかしそれが祐介にヒットする寸前、妙に明るい女の子の声が睦月を呼んだ。
祐介の、『彼女』…………!!??
「あ、えっ? 由里(ユリ)ちゃんっ…!?」
「だぁ~~~、イッテーーー!!!」
「あ、ゆっちゴメン」
彼女の――――由里の声は、睦月を止めるのには一役買ったが、残念ながら一歩遅く、慣性の法則どおり振り上がった拳は、見事に祐介にクリーンヒット。
帰って来て早々、まさか睦月に殴られるなんて思ってもいなかった祐介は、もちろん何も身構えていなかったから、そのままキレイに後ろに吹っ飛んだ。
「え、ちょっ、お兄ちゃん大丈夫!?」
由里は驚いて祐介のもとに駆け寄った。
「お…兄、ちゃん…??」
まったく何もかも状況の把握できない和衣は、ただポカンと、頬をさすりながら起き上がる祐介を見ていた。
*****
「野上由里です、こんばんはー」
廊下で騒がしくし過ぎだと気付いて、由里も連れて慌てて祐介の部屋に上がり込み、部屋の真ん中にあるローテーブルを4人で囲む。
大変申し訳なさそうな顔をしている睦月と、不機嫌丸出しの祐介、そして何が何だか分からずにいる和衣を前に、由里はニコニコとそう挨拶した。
野上由里。
言わずもがな、祐介の妹である。
「いもーと、さん…」
由里に自己紹介されても、睦月に彼女が祐介の妹であることを説明されても、まだ和衣は十分に状況が把握できなくて、呆然としていた。
だって、祐介に妹がいるなんて聞いたことがない……こともなかったが、こっちにいて、一緒に買い物が行くほどだなんて全然知らなかった。
「俺も知らなかった。由里ちゃん、いつからこっちいたの?」
「あ、もう全然こないだ。私、春から大学行くんで。昨日やっと引っ越しの荷物が片付いたばっかななの」
どうやら睦月も知らなかったらしく驚いていたが、由里はこの春から大学に進学し地元を離れて暮らすのだという。
そして昨日ようやく片付けが終わったので、今日は『進学祝い』と称して、祐介にあちこち連れて行ってもらったというわけだ。
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祐介と、隣を歩く女の子。
先ほど潤が言っていたように、短いスカートの、少し気の強そうな。
祐介はいろいろとショップの紙バッグを抱えていて、でもそれはどう見ても女の子のお店のものだから、彼女のものなのだろう。祐介が、買ってあげたの?
和衣の足元が、フラリと揺らいだ。
「あれ、2人とも何して…、て、」
「こんのバカーーーーー!!」
「へ?」
部屋に向かって歩いて来た祐介が、自分の部屋の前にいた睦月と和衣に気付いて声を掛けようとした、それとほぼ同時に、睦月は拳を振り上げた。
「あ、むっちゃん?」
しかしそれが祐介にヒットする寸前、妙に明るい女の子の声が睦月を呼んだ。
祐介の、『彼女』…………!!??
「あ、えっ? 由里(ユリ)ちゃんっ…!?」
「だぁ~~~、イッテーーー!!!」
「あ、ゆっちゴメン」
彼女の――――由里の声は、睦月を止めるのには一役買ったが、残念ながら一歩遅く、慣性の法則どおり振り上がった拳は、見事に祐介にクリーンヒット。
帰って来て早々、まさか睦月に殴られるなんて思ってもいなかった祐介は、もちろん何も身構えていなかったから、そのままキレイに後ろに吹っ飛んだ。
「え、ちょっ、お兄ちゃん大丈夫!?」
由里は驚いて祐介のもとに駆け寄った。
「お…兄、ちゃん…??」
まったく何もかも状況の把握できない和衣は、ただポカンと、頬をさすりながら起き上がる祐介を見ていた。
*****
「野上由里です、こんばんはー」
廊下で騒がしくし過ぎだと気付いて、由里も連れて慌てて祐介の部屋に上がり込み、部屋の真ん中にあるローテーブルを4人で囲む。
大変申し訳なさそうな顔をしている睦月と、不機嫌丸出しの祐介、そして何が何だか分からずにいる和衣を前に、由里はニコニコとそう挨拶した。
野上由里。
言わずもがな、祐介の妹である。
「いもーと、さん…」
由里に自己紹介されても、睦月に彼女が祐介の妹であることを説明されても、まだ和衣は十分に状況が把握できなくて、呆然としていた。
だって、祐介に妹がいるなんて聞いたことがない……こともなかったが、こっちにいて、一緒に買い物が行くほどだなんて全然知らなかった。
「俺も知らなかった。由里ちゃん、いつからこっちいたの?」
「あ、もう全然こないだ。私、春から大学行くんで。昨日やっと引っ越しの荷物が片付いたばっかななの」
どうやら睦月も知らなかったらしく驚いていたが、由里はこの春から大学に進学し地元を離れて暮らすのだという。
そして昨日ようやく片付けが終わったので、今日は『進学祝い』と称して、祐介にあちこち連れて行ってもらったというわけだ。
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