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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (8)
2011.03.10 Thu
あれで男はない。まぁ女の子の格好をするのが好きな男だって言うなら、それはあるかもだけど、と潤も友人くんも、睦月の必死の言葉を肯定してくれない。
「でも彼女かどうかは…、学校の、あの、ゼミとか一緒の、子、とか」
「いや、でも年下ぽかったし。腕組んでたし」
「ッ!!!!」
「腕組んでたっつーか、組まれてたっつーか」
「引っ張られてた!」
ガーーーーンッッ!!! と、激しくショックを受けている睦月をよそに、潤と友人くんは、そのときの祐介の様子を思い出して、笑っている。
年下で、少し気の強そうな女の子に、グイグイと腕を引かれて行く祐介を見て、あぁやっぱり彼女の尻に敷かれてんだな…と思ったらしい。
「だからもしかしたら、今日は帰って来ねぇかもよ?」
「彼女とお泊まりでなっ」
2人にしたら、たあいもない話題。
まさかそれで睦月がショックを受けているとも、和衣が最初の『でも、アイツの彼女、結構かわいくなかった?』以降、思考がすっかり機能停止して、何も考えられずにいるとも思っていなくて。
じゃーなー、と潤は手を振って、友人と部屋に入って行った。
「カ…カズちゃ…」
「部屋…戻る…」
睦月はただでさえ、人ほど恋愛経験は多くないし、誰かから恋愛相談を持ち掛けられた経験もないのに、いきなりこんな修羅場寸前の状況に直面させられても、どう対処したらいいか分からない。
部屋に戻るという和衣を引き止めたほうがいいのだろうか、でも一緒にいて、どんな言葉を掛けたらいいのか、どう接したらいいのか、さっぱり分からない。
「カズちゃ…」
睦月が、どうしよう、どうしよう…と思っているうち、和衣は、いつの間にか落っことしてしまっていたクッキーの包みも拾わず、フラフラと自分の部屋のほうへと向かって行ってしまう。
「ちょっちょっカズちゃん待って! 待って待って」
睦月は慌てて追い掛け、和衣を引き止めた。
「ねぇ何かの間違いだって。ね、カズちゃん」
世の中には、恋人がいても、他の人と愛し合ったり体の関係を持ったりする人はいるけれど、まさか祐介に限って、それはあり得ないと思う。
それは単に和衣を慰めたいからそう言うわけではなくて、幼馴染みとして、もう20年も一緒にいるんだから、絶対にそう思う。
「ね、メールしよ? ゆっちに。あ、電話!」
「ヤダ…」
潤たちの話が嘘か本当か、でも真実は祐介に確かめたい。確かめるべきだと思う。
もう嫉妬深いとか、鬱陶しいとか、そんな場合じゃないだろう。
「カズちゃん、」
「ヤダッ…、だってもしそれがホントに彼女だったら…」
真実を知るのが怖い。
もし祐介が一緒に歩いていた女の子が彼女だったら。そうしたら和衣は、祐介と別れることになってしまうのだろうか。
「…ゆっちが帰って来るの、もう待たない?」
「…………」
「カズちゃん?」
「…待たない」
「じゃ、お風呂入って、もう寝よ?」
睦月は、床に転がったままのクッキーの包みを拾い上げた。
落とした衝撃でリボンが少し変になっていたけれど、不器用な自分が直そうと思ってもうまくいかないだろうから、やめておいた。
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「でも彼女かどうかは…、学校の、あの、ゼミとか一緒の、子、とか」
「いや、でも年下ぽかったし。腕組んでたし」
「ッ!!!!」
「腕組んでたっつーか、組まれてたっつーか」
「引っ張られてた!」
ガーーーーンッッ!!! と、激しくショックを受けている睦月をよそに、潤と友人くんは、そのときの祐介の様子を思い出して、笑っている。
年下で、少し気の強そうな女の子に、グイグイと腕を引かれて行く祐介を見て、あぁやっぱり彼女の尻に敷かれてんだな…と思ったらしい。
「だからもしかしたら、今日は帰って来ねぇかもよ?」
「彼女とお泊まりでなっ」
2人にしたら、たあいもない話題。
まさかそれで睦月がショックを受けているとも、和衣が最初の『でも、アイツの彼女、結構かわいくなかった?』以降、思考がすっかり機能停止して、何も考えられずにいるとも思っていなくて。
じゃーなー、と潤は手を振って、友人と部屋に入って行った。
「カ…カズちゃ…」
「部屋…戻る…」
睦月はただでさえ、人ほど恋愛経験は多くないし、誰かから恋愛相談を持ち掛けられた経験もないのに、いきなりこんな修羅場寸前の状況に直面させられても、どう対処したらいいか分からない。
部屋に戻るという和衣を引き止めたほうがいいのだろうか、でも一緒にいて、どんな言葉を掛けたらいいのか、どう接したらいいのか、さっぱり分からない。
「カズちゃ…」
睦月が、どうしよう、どうしよう…と思っているうち、和衣は、いつの間にか落っことしてしまっていたクッキーの包みも拾わず、フラフラと自分の部屋のほうへと向かって行ってしまう。
「ちょっちょっカズちゃん待って! 待って待って」
睦月は慌てて追い掛け、和衣を引き止めた。
「ねぇ何かの間違いだって。ね、カズちゃん」
世の中には、恋人がいても、他の人と愛し合ったり体の関係を持ったりする人はいるけれど、まさか祐介に限って、それはあり得ないと思う。
それは単に和衣を慰めたいからそう言うわけではなくて、幼馴染みとして、もう20年も一緒にいるんだから、絶対にそう思う。
「ね、メールしよ? ゆっちに。あ、電話!」
「ヤダ…」
潤たちの話が嘘か本当か、でも真実は祐介に確かめたい。確かめるべきだと思う。
もう嫉妬深いとか、鬱陶しいとか、そんな場合じゃないだろう。
「カズちゃん、」
「ヤダッ…、だってもしそれがホントに彼女だったら…」
真実を知るのが怖い。
もし祐介が一緒に歩いていた女の子が彼女だったら。そうしたら和衣は、祐介と別れることになってしまうのだろうか。
「…ゆっちが帰って来るの、もう待たない?」
「…………」
「カズちゃん?」
「…待たない」
「じゃ、お風呂入って、もう寝よ?」
睦月は、床に転がったままのクッキーの包みを拾い上げた。
落とした衝撃でリボンが少し変になっていたけれど、不器用な自分が直そうと思ってもうまくいかないだろうから、やめておいた。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒
あああ この展開は…;
ゆっちさんに限ってまさかとは思いますが、それよりもカズくんが心配
かなりショック受けてますよね 思考が停止したカズくん、ヤケにならなきゃいいですが
ここはむっちゃんの友情パワーに頼るしかない気がしますが
ゆっちさんに限ってまさかとは思いますが、それよりもカズくんが心配
かなりショック受けてますよね 思考が停止したカズくん、ヤケにならなきゃいいですが
ここはむっちゃんの友情パワーに頼るしかない気がしますが
- |2011.03.10
- |Thu
- |18:00
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
ゆっちさんに限って……ですが、一体どこ行っちゃったんでしょう、ホントに。
さすがのむっちゃんも、経験のない事態に、あたふたです。
カズちゃんを悲しませやがって~~~! と、書いてる間中、ヤキモキしてました(笑)
果たして、ハッピーなホワイトデーを過ごせるでしょうか。
もうしばし、お付き合いくださいませ(*^_^*)
コメントありがとうございました!
さすがのむっちゃんも、経験のない事態に、あたふたです。
カズちゃんを悲しませやがって~~~! と、書いてる間中、ヤキモキしてました(笑)
果たして、ハッピーなホワイトデーを過ごせるでしょうか。
もうしばし、お付き合いくださいませ(*^_^*)
コメントありがとうございました!