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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (4)
2011.03.06 Sun
「カズちゃん、まだアレ上げてなかったの?」
「…だって祐介、出掛けてて、いないんだもん」
「ふぅん。まぁでも、そのほうがよかったかもね」
和衣が戸締りするところを眺めながら、睦月がそんなことを言うものだから、和衣は「何でそんなこと言うの!?」と、すぐに噛み付いた。
「だってさぁ、もしゆっちがいたら、ますますバイトなんて忘れちゃうんじゃない? 最悪、出掛けちゃったりしてたら、バイト、サボりだよ?」
「う…」
確かに。
昨日から、ホワイトデーのことばかり考えていて、バイトのことは少しも思い出していなかったから、ありえない状況ではない。
どうせ祐介は不在だし、今はバイトに集中して、時間が過ぎるのを待とう、と和衣は気合を入れ直した。
*****
バイトが終わった後、面倒くさがる睦月を引っ張って、ダッシュで寮まで戻った。
睦月は、『俺は1人でも帰れるから、カズちゃん先行って』と言ったのだが、バイトの行き来は睦月と一緒に! が信念の和衣にそれは通じず、かといって普通に歩いても帰れず、結局、睦月までもが走る羽目になったのだ。
「もーカズちゃん、信っじらんないっ!」
「だってぇ!」
「これでゆっちがいなかったら、絶対に許さないんだからっ!」
一体誰を許さないつもりなのか、睦月は物騒なことを口走りながら、拳を構えた。
「ゴ…ゴメン…」
「もぉ、あとは勝手にやってよね」
和衣の背中をバシンと叩いて、睦月は自分の部屋に戻った。
時間的には7時を過ぎているから、もう帰って来ているだろうか。とりあえず、バイト中もどことなくそわそわしていた和衣の気持ちが報われれば、何よりだ。
――――て、思ってたのに!
「何でカズちゃん、俺んトコ来んのー!!」
「だってだってぇっ!」
祐介の部屋に行ったら、まだ鍵は開いていないし、中にも人の気配がなくて、まだ帰って来ていない様子だった。
ガーンとなって、しばらく呆然としていた和衣だったが、このやり切れない思いをどこにぶつけたらいいか分からなくて、さっき別れたばかりの睦月の部屋に飛び込んで来たのだ。
「もぉ~っ! 俺、これからご飯なのっ。お腹空いてんのっ。邪魔しないでっ!」
亮は今日、睦月より遅い時間にバイトが入っているから、今は不在だけれど、出掛ける前に睦月の分の夕食を用意していってくれていて。
それを電子レンジに入れようとしていた睦月は、闖入して来た和衣に、不機嫌丸出しで言い放った。
今日は1日、和衣に振り回されっ放しだ。
「だって…。祐介、まだ帰って来てなかった…」
「いやそれ、別に俺の部屋に来る理由になんねぇし」
睦月の言葉は尤もだったが、今の和衣には、ちょっと辛すぎる。
ぅー…と和衣は唇を突き出した。
「ゆっちにメールすれば?」
電子レンジをセットしながら、睦月はそう提案してみる。
和衣が祐介に会いたくて、その彼が帰って来ていないのなら、今どこにいて、いつ帰って来るのか、聞いてみればいい。
なのに和衣は、「でもぉ…」と何か渋っている。
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「…だって祐介、出掛けてて、いないんだもん」
「ふぅん。まぁでも、そのほうがよかったかもね」
和衣が戸締りするところを眺めながら、睦月がそんなことを言うものだから、和衣は「何でそんなこと言うの!?」と、すぐに噛み付いた。
「だってさぁ、もしゆっちがいたら、ますますバイトなんて忘れちゃうんじゃない? 最悪、出掛けちゃったりしてたら、バイト、サボりだよ?」
「う…」
確かに。
昨日から、ホワイトデーのことばかり考えていて、バイトのことは少しも思い出していなかったから、ありえない状況ではない。
どうせ祐介は不在だし、今はバイトに集中して、時間が過ぎるのを待とう、と和衣は気合を入れ直した。
*****
バイトが終わった後、面倒くさがる睦月を引っ張って、ダッシュで寮まで戻った。
睦月は、『俺は1人でも帰れるから、カズちゃん先行って』と言ったのだが、バイトの行き来は睦月と一緒に! が信念の和衣にそれは通じず、かといって普通に歩いても帰れず、結局、睦月までもが走る羽目になったのだ。
「もーカズちゃん、信っじらんないっ!」
「だってぇ!」
「これでゆっちがいなかったら、絶対に許さないんだからっ!」
一体誰を許さないつもりなのか、睦月は物騒なことを口走りながら、拳を構えた。
「ゴ…ゴメン…」
「もぉ、あとは勝手にやってよね」
和衣の背中をバシンと叩いて、睦月は自分の部屋に戻った。
時間的には7時を過ぎているから、もう帰って来ているだろうか。とりあえず、バイト中もどことなくそわそわしていた和衣の気持ちが報われれば、何よりだ。
――――て、思ってたのに!
「何でカズちゃん、俺んトコ来んのー!!」
「だってだってぇっ!」
祐介の部屋に行ったら、まだ鍵は開いていないし、中にも人の気配がなくて、まだ帰って来ていない様子だった。
ガーンとなって、しばらく呆然としていた和衣だったが、このやり切れない思いをどこにぶつけたらいいか分からなくて、さっき別れたばかりの睦月の部屋に飛び込んで来たのだ。
「もぉ~っ! 俺、これからご飯なのっ。お腹空いてんのっ。邪魔しないでっ!」
亮は今日、睦月より遅い時間にバイトが入っているから、今は不在だけれど、出掛ける前に睦月の分の夕食を用意していってくれていて。
それを電子レンジに入れようとしていた睦月は、闖入して来た和衣に、不機嫌丸出しで言い放った。
今日は1日、和衣に振り回されっ放しだ。
「だって…。祐介、まだ帰って来てなかった…」
「いやそれ、別に俺の部屋に来る理由になんねぇし」
睦月の言葉は尤もだったが、今の和衣には、ちょっと辛すぎる。
ぅー…と和衣は唇を突き出した。
「ゆっちにメールすれば?」
電子レンジをセットしながら、睦月はそう提案してみる。
和衣が祐介に会いたくて、その彼が帰って来ていないのなら、今どこにいて、いつ帰って来るのか、聞いてみればいい。
なのに和衣は、「でもぉ…」と何か渋っている。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒
カズくん、また悩んでますねw
前話の『ホラー映画には・・・』では途中ゆっちさんも加わり(←強制?)ドタバタのむっちゃんとカズくんたちに爆笑させてもらいましたが、
今回もカズくんに振り回されてるむっちゃんですねw
面倒くさいが口癖みたいなむっちゃんですが、実は結構世話焼きだったりして
相手がカズくんだから?なのかな。にしてもカズくんは甘え上手…つか、天然なんでしょーけど だからむっちゃんもつい付き合ってしまうんでしょーけど
この2人の絡みは読んでて凄く楽しいですw
前話の『ホラー映画には・・・』では途中ゆっちさんも加わり(←強制?)ドタバタのむっちゃんとカズくんたちに爆笑させてもらいましたが、
今回もカズくんに振り回されてるむっちゃんですねw
面倒くさいが口癖みたいなむっちゃんですが、実は結構世話焼きだったりして
相手がカズくんだから?なのかな。にしてもカズくんは甘え上手…つか、天然なんでしょーけど だからむっちゃんもつい付き合ってしまうんでしょーけど
この2人の絡みは読んでて凄く楽しいですw
- |2011.03.06
- |Sun
- |21:43
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
カズちゃん、無自覚ながら、周囲を振り回しっ放しです。
一直線な性格なんでね。。。
むっちゃんは、相当なめんどくさがり屋さんですが、カズちゃんには甘いんですよ(でも他には厳しい…(笑))
友情カプを書くのは好きなんですが、この2人はキャピキャピしてて、楽しいです(*^_^*)
果たしてカズちゃんは、すてきなホワイトデーを過ごせるんでしょうか。
お楽しみに、です。
コメントありがとうございました!
一直線な性格なんでね。。。
むっちゃんは、相当なめんどくさがり屋さんですが、カズちゃんには甘いんですよ(でも他には厳しい…(笑))
友情カプを書くのは好きなんですが、この2人はキャピキャピしてて、楽しいです(*^_^*)
果たしてカズちゃんは、すてきなホワイトデーを過ごせるんでしょうか。
お楽しみに、です。
コメントありがとうございました!