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キャンディじゃなくてキスが欲しいよ (3)
2011.03.05 Sat
結局、和衣のホワイトデー大作戦(…と和衣が1人で勝手に命名した、睦月いわく『ネーミングセンス・ゼロ』の作戦)は、クッキーを上げることに落ち着いた。
せっかくだから手作りとかどうかな!? と和衣は思ったのだが、生まれてこの方、そんなもの作ったこともないし、第一、同室者に何と言い訳して作ったらいいのかも分からなくて、それは断念した。
相変わらず情報難民な和衣は、鬱陶しがられながらも智久のパソコンを頼りに、今流行りのスイーツやら、ホワイトデーのお返しに人気の品を調べ、買いに走ったのは3月13日。
バレンタインのときと違って、何を恥ずかしがることもないのだから(バレンタインだって、和衣は何も恥ずかしがっていなかったが)、さっさと買いに行けばいいものを、グズグズしているうちに、結局前日となってしまった。
引っ張り連れて行った睦月は、眠かったせいか、ずっと機嫌が悪く、『どれがいいかな!?』と縋る和衣にもつれなくて、ご機嫌取りのためにランチをごちそうしてやるはめに。
どうせこうやって余計な出費を増やすだけなのだから、1人で買いに行ければいいのに、しかし和衣はそれも出来ず、むにゃむにゃしている睦月をあやしながら、ようやく、これぞという品を見つけたのだった。
そして3月14日、ホワイトデー。
祐介の同室者は春休みになると早々と帰省したので、和衣は、心置きなく2人で過ごせると思ったのだが、祐介の部屋に向かってみれば、ドアには鍵が。
「祐介、祐介~」
一応、声を掛けながらノックもしてみたが、反応なし。
出掛けてしまったのだろう。特に和衣とは何も約束していなかったし、祐介にだって自分だけの用事もあるだろうから、仕方がないのは分かるけれど、若干テンションが下がる。
「むぅ…」
けれど、いくら和衣が嫉妬深くても、こんなことにいちいちヤキモチも妬いていられないし、そんなの鬱陶しいだけなのは分かっているので、和衣はちょっとシュンとなりながらも、自分の部屋に戻った。
(今日はバイトの日じゃないし、夜までには帰って来るよね)
そう思って和衣は、1人の部屋でベッドに身を投げた。
でも、バイトとかでなく出掛けるなんて、やっぱり祐介はホワイトデーとか、別にどうでもいいのかな。俺だけ、こだわり過ぎ?
お返しを上げるだけなら、そんなに時間掛かることではないから、ちょっと会えれば用は足りるけれど、お返しを上げて、それで終わりというのも、何だか寂しい気がする。
なんて、1人で考え込んでいたら、睦月が部屋を訪ねてきた。
しかも何だか、ものすごく怪訝そうな顔をしている。
「カズちゃん、何してんの?」
「何って…」
もそもそと起き上がった和衣は、首を傾げる。
別に何かしているわけではないけれど、睦月こそ、何か用事があって来たのではないのだろうか。
キョトンとしている和衣に、睦月も小首を傾げる。
「カズちゃん、バイト行かないの?」
「えっ!?」
訝しげに睦月に言われて、和衣はハッとした。
大体からして、1つのことに集中すると、他が見えなくなるのは和衣の悪い癖だ。今日も、ホワイトデーのことばかり考えていたら、肝心なことをすっかり忘れていた。
今日、祐介はバイト休みだったけれど、和衣本人はバイトの日だったのだ。
「あっ、あっ…そっか! ゴメンむっちゃん、今支度するっ!」
「え、もしかして忘れてたの?」
慌ててベッドから飛び降りた和衣に、睦月は目を丸くした。
春休みとはいえ、よくもまぁ、ここまですっかり忘れることが出来たものだ。
「お待たせっ」
支度をすると言っても、簡単に荷物を纏めるだけなので、そんなに時間も掛からない。
すぐに睦月のところに来た和衣は、しかしベッドの上に、祐介に上げるつもりのお返しを投げ出したままだったことに気付いて、それを机の引き出しにしまった。
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せっかくだから手作りとかどうかな!? と和衣は思ったのだが、生まれてこの方、そんなもの作ったこともないし、第一、同室者に何と言い訳して作ったらいいのかも分からなくて、それは断念した。
相変わらず情報難民な和衣は、鬱陶しがられながらも智久のパソコンを頼りに、今流行りのスイーツやら、ホワイトデーのお返しに人気の品を調べ、買いに走ったのは3月13日。
バレンタインのときと違って、何を恥ずかしがることもないのだから(バレンタインだって、和衣は何も恥ずかしがっていなかったが)、さっさと買いに行けばいいものを、グズグズしているうちに、結局前日となってしまった。
引っ張り連れて行った睦月は、眠かったせいか、ずっと機嫌が悪く、『どれがいいかな!?』と縋る和衣にもつれなくて、ご機嫌取りのためにランチをごちそうしてやるはめに。
どうせこうやって余計な出費を増やすだけなのだから、1人で買いに行ければいいのに、しかし和衣はそれも出来ず、むにゃむにゃしている睦月をあやしながら、ようやく、これぞという品を見つけたのだった。
そして3月14日、ホワイトデー。
祐介の同室者は春休みになると早々と帰省したので、和衣は、心置きなく2人で過ごせると思ったのだが、祐介の部屋に向かってみれば、ドアには鍵が。
「祐介、祐介~」
一応、声を掛けながらノックもしてみたが、反応なし。
出掛けてしまったのだろう。特に和衣とは何も約束していなかったし、祐介にだって自分だけの用事もあるだろうから、仕方がないのは分かるけれど、若干テンションが下がる。
「むぅ…」
けれど、いくら和衣が嫉妬深くても、こんなことにいちいちヤキモチも妬いていられないし、そんなの鬱陶しいだけなのは分かっているので、和衣はちょっとシュンとなりながらも、自分の部屋に戻った。
(今日はバイトの日じゃないし、夜までには帰って来るよね)
そう思って和衣は、1人の部屋でベッドに身を投げた。
でも、バイトとかでなく出掛けるなんて、やっぱり祐介はホワイトデーとか、別にどうでもいいのかな。俺だけ、こだわり過ぎ?
お返しを上げるだけなら、そんなに時間掛かることではないから、ちょっと会えれば用は足りるけれど、お返しを上げて、それで終わりというのも、何だか寂しい気がする。
なんて、1人で考え込んでいたら、睦月が部屋を訪ねてきた。
しかも何だか、ものすごく怪訝そうな顔をしている。
「カズちゃん、何してんの?」
「何って…」
もそもそと起き上がった和衣は、首を傾げる。
別に何かしているわけではないけれど、睦月こそ、何か用事があって来たのではないのだろうか。
キョトンとしている和衣に、睦月も小首を傾げる。
「カズちゃん、バイト行かないの?」
「えっ!?」
訝しげに睦月に言われて、和衣はハッとした。
大体からして、1つのことに集中すると、他が見えなくなるのは和衣の悪い癖だ。今日も、ホワイトデーのことばかり考えていたら、肝心なことをすっかり忘れていた。
今日、祐介はバイト休みだったけれど、和衣本人はバイトの日だったのだ。
「あっ、あっ…そっか! ゴメンむっちゃん、今支度するっ!」
「え、もしかして忘れてたの?」
慌ててベッドから飛び降りた和衣に、睦月は目を丸くした。
春休みとはいえ、よくもまぁ、ここまですっかり忘れることが出来たものだ。
「お待たせっ」
支度をすると言っても、簡単に荷物を纏めるだけなので、そんなに時間も掛からない。
すぐに睦月のところに来た和衣は、しかしベッドの上に、祐介に上げるつもりのお返しを投げ出したままだったことに気付いて、それを机の引き出しにしまった。
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カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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うに ⇒
はじめましてv
ようやく全作品よませていただきましたv
はあ、楽しかった~v 堪能させていただきましたv
カップルではないですが、むっちゃんとカズちゃんのコンビが
大好きですv
続けてかれらがメインのお話が読めて、
毎日しあわせですv
これからも楽しみに通わせていただきますv141
ようやく全作品よませていただきましたv
はあ、楽しかった~v 堪能させていただきましたv
カップルではないですが、むっちゃんとカズちゃんのコンビが
大好きですv
続けてかれらがメインのお話が読めて、
毎日しあわせですv
これからも楽しみに通わせていただきますv141
- |2011.03.05
- |Sat
- |09:06
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >うにさん
初めまして、こんにちは。
作品数も随分ある中、すべて読んでいただいたなんて!
お疲れ様です&本当にありがとうございます。
私自身、友情カプを書くのが好きなので、むっちゃん&カズちゃんコンビを気に入っていただけると、ホントに嬉しいです(*^_^*)
この2人は、噛み合っているのかいないのか、どっちがしっかり者なのか……でもいいコンビだと自負してます(笑)
またぜひお出でくださいね。
これからもよろしくお願いします(*^_^*)
コメントありがとうございました!
作品数も随分ある中、すべて読んでいただいたなんて!
お疲れ様です&本当にありがとうございます。
私自身、友情カプを書くのが好きなので、むっちゃん&カズちゃんコンビを気に入っていただけると、ホントに嬉しいです(*^_^*)
この2人は、噛み合っているのかいないのか、どっちがしっかり者なのか……でもいいコンビだと自負してます(笑)
またぜひお出でくださいね。
これからもよろしくお願いします(*^_^*)
コメントありがとうございました!