スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
ホラー映画にはご用心 (8)
2011.03.01 Tue
大混乱のうちに映画は終了し、翔真の部屋には屍が5つ…。
映画を見始めたときは、4人しかいなかった部屋の人数が5人に増えたのは、何も呪いのせいではない。
増えた1人は祐介で、彼を呼び寄せたのは睦月だった。
同じ寮に住んでいながら、祐介をメールで呼び寄せるのは睦月のお得意の手段で、もう収拾のつかなくなっている和衣を引き取ってもらおうと、メールしたのだ。
そして、和衣に抱き付かれながらも懸命にメールを打った睦月は、親切心から映画の終了時間も添えてやった。祐介は、少しでも映画を見たくないだろうから。
しかしそれが、仇となった。
睦月は正確な映画の終了時間を知らなかったので、大体このくらいかなぁーと思う時間をメールしたのだが、律儀な祐介は、その時間ちょうどに翔真の部屋にやって来てしまったのだ。
何だか大変なことになっているようなので、早く和衣を迎えに行ってやりたいという気持ちがあったから。
…しかし、そのタイミングは最悪だった。映画はまだ、終わっていなかったのである。
終わっていなかったどころか、中から聞こえる和衣の悲鳴に驚いて祐介がドアを開けた瞬間、クライマックスもいいところ、恐らくこの映画の中で一番怖いであろうシーンが映し出されていたのだ。
和衣の腕から逃れたい一心だった睦月と、和衣を引き剥がしてやろうとしていた真大はテレビを見ていなかったが、和衣を気にしつつ画面を見ていた翔真は蒼褪めて固まり、和衣はもちろん大絶叫、さらにはとばっちりで一番怖いシーンを見てしまった祐介までもが大絶叫という騒ぎ。
つまり。
「苦し…助け…!」
(カズちゃん、離してーーーー!!!)
「カズくん、ちょっ…」
(本気で苦しがってる、本気で苦しがってるから、離してやって…!)
「うっわ!」
(カズ、何してんだ…………って、うわっグロすぎんだろ、これ! もうマジ肉とか食えねぇ!)
「ひっ…ギャーーーーー!!!!」
(ギャーーーーーーーーー怖い怖い怖い怖いゴメンなさーーーーい!!!)
「え、何やって…………うわあぁーーーーー!!!!!」
(中で何騒いで……うわあああぁぁぁぁーーーーー!!!)
というわけである。
映画が終わり、次回の予告とCMが終わり、次の番組が始まっても、5人はへたり込んだまま動けなかった。そんな気力は少しも残っていない。
それでも最初に動いたのは翔真で、テレビのリモコンを弄って、適当にチャンネルを変えた。
映画の後の番組では、出演者が分厚いステーキを頬張ろうとしていたのだ。普段なら『おもしろい』で済むのが、今は最高に悪趣味としか思えなくて。
睦月は睦月で、ようやく力の緩んだ和衣の腕の中から這い出し、(も…絶対にカズちゃんと映画見ない…!)と、固く心に決めた。
始まる前も始まってからも、ずっと和衣は怖がっていたけれど、まさかここまでだったとは。
「こ…怖かった…、怖かったぁ~…」
そんな和衣は、ボロボロと涙を零しながら、グッタリとしている祐介に縋り付いた。
今まで散々、嫌がる睦月に無理やり抱き付いていたくせに、やっぱり抱き付く相手は祐介がいい、なんて、睦月が聞いたら怒り狂いそうなことを思いながら。
back next
映画を見始めたときは、4人しかいなかった部屋の人数が5人に増えたのは、何も呪いのせいではない。
増えた1人は祐介で、彼を呼び寄せたのは睦月だった。
同じ寮に住んでいながら、祐介をメールで呼び寄せるのは睦月のお得意の手段で、もう収拾のつかなくなっている和衣を引き取ってもらおうと、メールしたのだ。
そして、和衣に抱き付かれながらも懸命にメールを打った睦月は、親切心から映画の終了時間も添えてやった。祐介は、少しでも映画を見たくないだろうから。
しかしそれが、仇となった。
睦月は正確な映画の終了時間を知らなかったので、大体このくらいかなぁーと思う時間をメールしたのだが、律儀な祐介は、その時間ちょうどに翔真の部屋にやって来てしまったのだ。
何だか大変なことになっているようなので、早く和衣を迎えに行ってやりたいという気持ちがあったから。
…しかし、そのタイミングは最悪だった。映画はまだ、終わっていなかったのである。
終わっていなかったどころか、中から聞こえる和衣の悲鳴に驚いて祐介がドアを開けた瞬間、クライマックスもいいところ、恐らくこの映画の中で一番怖いであろうシーンが映し出されていたのだ。
和衣の腕から逃れたい一心だった睦月と、和衣を引き剥がしてやろうとしていた真大はテレビを見ていなかったが、和衣を気にしつつ画面を見ていた翔真は蒼褪めて固まり、和衣はもちろん大絶叫、さらにはとばっちりで一番怖いシーンを見てしまった祐介までもが大絶叫という騒ぎ。
つまり。
「苦し…助け…!」
(カズちゃん、離してーーーー!!!)
「カズくん、ちょっ…」
(本気で苦しがってる、本気で苦しがってるから、離してやって…!)
「うっわ!」
(カズ、何してんだ…………って、うわっグロすぎんだろ、これ! もうマジ肉とか食えねぇ!)
「ひっ…ギャーーーーー!!!!」
(ギャーーーーーーーーー怖い怖い怖い怖いゴメンなさーーーーい!!!)
「え、何やって…………うわあぁーーーーー!!!!!」
(中で何騒いで……うわあああぁぁぁぁーーーーー!!!)
というわけである。
映画が終わり、次回の予告とCMが終わり、次の番組が始まっても、5人はへたり込んだまま動けなかった。そんな気力は少しも残っていない。
それでも最初に動いたのは翔真で、テレビのリモコンを弄って、適当にチャンネルを変えた。
映画の後の番組では、出演者が分厚いステーキを頬張ろうとしていたのだ。普段なら『おもしろい』で済むのが、今は最高に悪趣味としか思えなくて。
睦月は睦月で、ようやく力の緩んだ和衣の腕の中から這い出し、(も…絶対にカズちゃんと映画見ない…!)と、固く心に決めた。
始まる前も始まってからも、ずっと和衣は怖がっていたけれど、まさかここまでだったとは。
「こ…怖かった…、怖かったぁ~…」
そんな和衣は、ボロボロと涙を零しながら、グッタリとしている祐介に縋り付いた。
今まで散々、嫌がる睦月に無理やり抱き付いていたくせに、やっぱり抱き付く相手は祐介がいい、なんて、睦月が聞いたら怒り狂いそうなことを思いながら。
back next
- 関連記事
-
- ホラー映画にはご用心 (9) (2011/03/02)
- ホラー映画にはご用心 (8) (2011/03/01)
- ホラー映画にはご用心 (7) (2011/02/28)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
コメントの投稿はこちらから ♥
COMMENT-FORM
柚子季 杏 ⇒
ごめんなさい……笑いが止まらないwwwww
むっちゃん、最初にカズちゃん連れて来た自分が悪いww
ゆっちさんも災難だったなあ((笑´∀`))ヶラヶラ
むっちゃん、最初にカズちゃん連れて来た自分が悪いww
ゆっちさんも災難だったなあ((笑´∀`))ヶラヶラ
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
確かにむっちゃんは、自業自得かも(苦笑)
まさかここまでとは思わなかったんでしょう。いつもみたいないたずら心で、ちょっとからかってやるつもりが、こんな目に(^_^;)
まぁ一番の被害者は、ゆっちさんですね(でも、意図してなかったとはいえ、ゆっちさんをこんな目に遭わせたのも、むっちゃん…)
私もホラーとかグロテスクなのは苦手なので、多分カズちゃんみたいになると思います(というか、最初から見ない)。
少なくとも、トイレに行った時点で、逃げるだろうなぁ…(笑)
コメントありがとうございました!
まさかここまでとは思わなかったんでしょう。いつもみたいないたずら心で、ちょっとからかってやるつもりが、こんな目に(^_^;)
まぁ一番の被害者は、ゆっちさんですね(でも、意図してなかったとはいえ、ゆっちさんをこんな目に遭わせたのも、むっちゃん…)
私もホラーとかグロテスクなのは苦手なので、多分カズちゃんみたいになると思います(というか、最初から見ない)。
少なくとも、トイレに行った時点で、逃げるだろうなぁ…(笑)
コメントありがとうございました!