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愛が致死量 (7)
2011.02.15 Tue
「だって俺のは…、あの、今日もう帰りますっ、明日また来ますっ!」
「ええぇーーー!!! 何でだよっ、ちょっ、慶太!」
ダメだ、今日の慶太は、俺には難解すぎる。
何で帰っちゃうの? 今日わざわざ来てくれて、明日も会う約束なのに。だってさっきまで、今日は帰るつもりだなんて素振り、ちっともなかったじゃん!
「だって、も…俺、全然っ…」
「…何? ゴメン、分かんね。何で帰りてぇの? チョコ、渡したくなくなったから?」
慶太は、唇を噛んで俯いてしまった。
何で? 今日がバレンタインだって気が付いて、関心ないわけじゃないから、今日来てくれたんだろ? なのに何でこんなふうになっちゃうの?
そういえば慶太、俺からチョコ受け取ったときも、『ありがとうございます』とは言ってくれたけど、そんなに嬉しそうな顔じゃなかった…。
「…分かった。チョコはもういいから」
「え…」
「そりゃ、お前からもチョコ欲しいけど、でもそのせいで今日は帰るとか言うんだったら、別にそこまでしていらないよ。それよりも、慶太と一緒にいたいよ」
「…」
ゆっくりと顔を上げた慶太の目は、心なしか潤んでる気がする。
何でだろ、泣かせたいわけじゃないのに。
こんなに悲しい想いさせるなら、最初からバレンタインだなんて、思わなきゃよかった。
「ちが…違う、相川さん…」
「何が?」
「……」
「なぁ、お前の思ってること、みんな言ってくんね? ゴメン、俺、鈍感かもだけど、何でお前が『また明日』て言うのか分かんない。俺は今一緒にいたいし、帰したくない」
慶太は、困ったように視線を彷徨わせてる。
…やっぱもう、今日は俺と一緒にいたくないのかな。
「ちが…俺も、相川さんといたい…。帰りたくない」
「なら、何で? 何で帰るつったの?」
「だってチョコ…。俺のチョコ、急いで買って来て、全然なのにっ…、相川さんからこんなの貰って、全然釣り合わないっ…!」
「えぇっ!? そんなこと!?」
つか、釣り合うとか、釣り合ねぇとか、その意味が分かんねぇ! その基準て何なの!?
バレンタインにチョコが貰えたら嬉しいなぁ、とは思ってたけど、そういうことは全然考えてなかったんですけど!
大体俺のだって、値段的にはそんなにしねぇよ? 多分有名なブランドのヤツとかじゃないし(もともと甘いモンなんて食わねぇから、そういうの知らねぇし)。
「値段とかじゃなくてっ!」
「えっ? えぇっ!? じゃあ何っ!?」
慶太が、何で分かんないの!? みたいな顔で睨むから、俺はますます焦ってしまう。
コイツ目力あるし、しかも何か潤んでるせいで、余計その威力が増してるし。
「だって相川さん…、このチョコ買うのに、きっといろいろ考えてくれたんでしょ? 時間掛けて選んでくれたんじゃないんですか?」
「まぁ…それなりに」
自分が普段、甘いものとか食わねぇせいで、そういうのが全然分かんないっつのもあるし、慶太がどういうチョコがいいかとかも分かんないから、結構悩んだって言えば悩んだけど…。
「なのに俺は、時間なくて超慌てて買って……こんなの全然気持ちが籠ってない…。こんな形だけのチョコなんて、俺は上げたくない。ちゃんと相川さんのために選んで、そういうのを上げたいのっ」
「…」
そう打ち明けた慶太は、めっちゃ落ち込んで、また俯いてしまったけど、俺はそんな慶太とは裏腹に、嬉しさが増してくる。
だって、そんなにも俺のこと、思っててくれたってことだろ?
あーもうっ、反則だろ、こんなにかわいいの。
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「ええぇーーー!!! 何でだよっ、ちょっ、慶太!」
ダメだ、今日の慶太は、俺には難解すぎる。
何で帰っちゃうの? 今日わざわざ来てくれて、明日も会う約束なのに。だってさっきまで、今日は帰るつもりだなんて素振り、ちっともなかったじゃん!
「だって、も…俺、全然っ…」
「…何? ゴメン、分かんね。何で帰りてぇの? チョコ、渡したくなくなったから?」
慶太は、唇を噛んで俯いてしまった。
何で? 今日がバレンタインだって気が付いて、関心ないわけじゃないから、今日来てくれたんだろ? なのに何でこんなふうになっちゃうの?
そういえば慶太、俺からチョコ受け取ったときも、『ありがとうございます』とは言ってくれたけど、そんなに嬉しそうな顔じゃなかった…。
「…分かった。チョコはもういいから」
「え…」
「そりゃ、お前からもチョコ欲しいけど、でもそのせいで今日は帰るとか言うんだったら、別にそこまでしていらないよ。それよりも、慶太と一緒にいたいよ」
「…」
ゆっくりと顔を上げた慶太の目は、心なしか潤んでる気がする。
何でだろ、泣かせたいわけじゃないのに。
こんなに悲しい想いさせるなら、最初からバレンタインだなんて、思わなきゃよかった。
「ちが…違う、相川さん…」
「何が?」
「……」
「なぁ、お前の思ってること、みんな言ってくんね? ゴメン、俺、鈍感かもだけど、何でお前が『また明日』て言うのか分かんない。俺は今一緒にいたいし、帰したくない」
慶太は、困ったように視線を彷徨わせてる。
…やっぱもう、今日は俺と一緒にいたくないのかな。
「ちが…俺も、相川さんといたい…。帰りたくない」
「なら、何で? 何で帰るつったの?」
「だってチョコ…。俺のチョコ、急いで買って来て、全然なのにっ…、相川さんからこんなの貰って、全然釣り合わないっ…!」
「えぇっ!? そんなこと!?」
つか、釣り合うとか、釣り合ねぇとか、その意味が分かんねぇ! その基準て何なの!?
バレンタインにチョコが貰えたら嬉しいなぁ、とは思ってたけど、そういうことは全然考えてなかったんですけど!
大体俺のだって、値段的にはそんなにしねぇよ? 多分有名なブランドのヤツとかじゃないし(もともと甘いモンなんて食わねぇから、そういうの知らねぇし)。
「値段とかじゃなくてっ!」
「えっ? えぇっ!? じゃあ何っ!?」
慶太が、何で分かんないの!? みたいな顔で睨むから、俺はますます焦ってしまう。
コイツ目力あるし、しかも何か潤んでるせいで、余計その威力が増してるし。
「だって相川さん…、このチョコ買うのに、きっといろいろ考えてくれたんでしょ? 時間掛けて選んでくれたんじゃないんですか?」
「まぁ…それなりに」
自分が普段、甘いものとか食わねぇせいで、そういうのが全然分かんないっつのもあるし、慶太がどういうチョコがいいかとかも分かんないから、結構悩んだって言えば悩んだけど…。
「なのに俺は、時間なくて超慌てて買って……こんなの全然気持ちが籠ってない…。こんな形だけのチョコなんて、俺は上げたくない。ちゃんと相川さんのために選んで、そういうのを上げたいのっ」
「…」
そう打ち明けた慶太は、めっちゃ落ち込んで、また俯いてしまったけど、俺はそんな慶太とは裏腹に、嬉しさが増してくる。
だって、そんなにも俺のこと、思っててくれたってことだろ?
あーもうっ、反則だろ、こんなにかわいいの。
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柚子季 杏 ⇒
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
慶タンは無自覚でかわいいので、完全に反則です。
でも確かに、相川さんもかわいい子に~~~!!!
慶タンの前では、相川さんもただのかわいい男です(^_^;)
コメントありがとうございました!
でも確かに、相川さんもかわいい子に~~~!!!
慶タンの前では、相川さんもただのかわいい男です(^_^;)
コメントありがとうございました!