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愛が致死量 (6)
2011.02.14 Mon
「俺なんて、急いで買って来たから、全然なのにっ…」
「ちょっ待って慶太、え、チョコてこれのことだよな?」
「…ん」
名残惜しく思いつつ、慶太から離れてチョコを手にすれば、慶太は恨めしげな顔で頷いた。
…ゴメン、慶太。
不謹慎だって思うけど、今めっちゃニヤけそう。
だってそれってあれだろ? 嫉妬的な。
これ、俺が誰か女の子から貰ったモンだと、思っちゃってんだろ?
「ッ、何笑ってんすか、相川さんっ!」
あ、ヤベ。顔に出てた。
全然痛くない力で、胸の辺りをバシバシ叩かれたって、そんなのかわいいだけだけど。
「あはは、慶太、もー超好きっ!」
「何言ってんすかっ! ちょっ離してっ!」
もう1回、ギュッて抱き締めたら、今度は抵抗されてしまう
でも構わない。
「ねぇ、慶太からのチョコは? くれるんでしょ? そのために来たんだもんな」
「知らないっ、もう帰るっ…!」
「ダメ、帰さない」
慶太の抵抗なんて、俺からしたら子どもを相手にしてるようなもん。
もちろん慶太だって、死ぬ気で暴れて本気出せば逃げられるだろうけど、俺相手に、この状況でそこまではないから。
「じゃあ俺から。はい、慶太。ハッピーバレンタイン」
「は?」
ハート型のボックスは机に戻して、もう1個のほうをもがいてる慶太に差し出せば、即行で『何それ』て顔される。
女の子から貰ったヤツを、ご機嫌取りで差し出したとでも思ってるんだろうか(慶太のことだし…)。
「別にこれ、誰かから貰ったとかじゃねぇし。俺が、お前にやりたくて用意したの。だから貰って?」
「は…? え、嘘…」
「いや、マジで」
よほどビックリしたのか、慶太は抵抗をやめて、ポカンというか、キョトンというか、何とも言えない顔になって、マジマジと俺を見た。
「相川さんが、買ったの…? チョコ? 俺のために…?」
「そうだよ。慶太に上げたくて買ったんだよ。だから貰ってよ」
「ありがと…ございます…」
まだ、信じらんない、て顔しながら、慶太はようやくチョコを受け取ってくれた。
「あの…ありがとうございます…」
「うん。で、慶太からは?」
いい年して、自分からバレンタインのチョコをねだるって、何なんだ?
でもそのために、明日会う約束してんのに、わざわざ慶太は来てくれたんだから。ねだってでも、やっぱ欲しいよ――――て、そう思うのに。
「俺のは、……やっぱ明日…」
「は? え、何で?」
え、ちょっ、意味分かんないんですけど。
だってお前、今日がバレンタインだって思い出して、それでチョコ買って、家まで来てくれたんだろ?
なのに、何で明日?
いや、明日が14日でバレンタインだっつーなら分かるけど、明日はもう15日じゃん。今日会えてんのに、チョコも用意してんのに、何でまた明日?
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「ちょっ待って慶太、え、チョコてこれのことだよな?」
「…ん」
名残惜しく思いつつ、慶太から離れてチョコを手にすれば、慶太は恨めしげな顔で頷いた。
…ゴメン、慶太。
不謹慎だって思うけど、今めっちゃニヤけそう。
だってそれってあれだろ? 嫉妬的な。
これ、俺が誰か女の子から貰ったモンだと、思っちゃってんだろ?
「ッ、何笑ってんすか、相川さんっ!」
あ、ヤベ。顔に出てた。
全然痛くない力で、胸の辺りをバシバシ叩かれたって、そんなのかわいいだけだけど。
「あはは、慶太、もー超好きっ!」
「何言ってんすかっ! ちょっ離してっ!」
もう1回、ギュッて抱き締めたら、今度は抵抗されてしまう
でも構わない。
「ねぇ、慶太からのチョコは? くれるんでしょ? そのために来たんだもんな」
「知らないっ、もう帰るっ…!」
「ダメ、帰さない」
慶太の抵抗なんて、俺からしたら子どもを相手にしてるようなもん。
もちろん慶太だって、死ぬ気で暴れて本気出せば逃げられるだろうけど、俺相手に、この状況でそこまではないから。
「じゃあ俺から。はい、慶太。ハッピーバレンタイン」
「は?」
ハート型のボックスは机に戻して、もう1個のほうをもがいてる慶太に差し出せば、即行で『何それ』て顔される。
女の子から貰ったヤツを、ご機嫌取りで差し出したとでも思ってるんだろうか(慶太のことだし…)。
「別にこれ、誰かから貰ったとかじゃねぇし。俺が、お前にやりたくて用意したの。だから貰って?」
「は…? え、嘘…」
「いや、マジで」
よほどビックリしたのか、慶太は抵抗をやめて、ポカンというか、キョトンというか、何とも言えない顔になって、マジマジと俺を見た。
「相川さんが、買ったの…? チョコ? 俺のために…?」
「そうだよ。慶太に上げたくて買ったんだよ。だから貰ってよ」
「ありがと…ございます…」
まだ、信じらんない、て顔しながら、慶太はようやくチョコを受け取ってくれた。
「あの…ありがとうございます…」
「うん。で、慶太からは?」
いい年して、自分からバレンタインのチョコをねだるって、何なんだ?
でもそのために、明日会う約束してんのに、わざわざ慶太は来てくれたんだから。ねだってでも、やっぱ欲しいよ――――て、そう思うのに。
「俺のは、……やっぱ明日…」
「は? え、何で?」
え、ちょっ、意味分かんないんですけど。
だってお前、今日がバレンタインだって思い出して、それでチョコ買って、家まで来てくれたんだろ?
なのに、何で明日?
いや、明日が14日でバレンタインだっつーなら分かるけど、明日はもう15日じゃん。今日会えてんのに、チョコも用意してんのに、何でまた明日?
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