スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
愛が致死量 (5)
2011.02.13 Sun
「だってっ…、チョコ買ってたら遅くなった…!」
「そんで、外で待ってたの?」
「べ…別に待ってたとかっ…、相川さんいたらチョコ渡せるかな…て、でも着いたら10時だし、こんな時間に来ちゃって、家族とかいんのに迷惑だしっ…」
俺んちは、あんま時間とか気にせず、友だちとかいつでもウェルカム状態なんだけど、確かに、一般的には慶太の言ってることのほうが正解だよな。
でもそれにしたって、こんな時期に(しかも夜!)、よく1時間も外で待ってたよ。
「帰ろうとも思いましたよっ! 来るときは何も考えてなかったけど、来てから、相川さんいないかも、て思って…。相川さんいないのに、こんな時間に…」
「だったらメールするとか…」
「そんな今さら…。俺のほうが土曜日予定があるとか言っときながら、バレンタインも忘れてたくせに、今さら相川さんに会いたいとか言えないっ…、…うぇーんっ!」
「あーもうホラ、泣くなよ、バカ」
ホントに子どもが泣くみたいな泣き方で、慶太がわんわんと泣き出すから、何かもう、さっきまでの微妙な空気とか、ちょっとイラッと来たこととか、何かどうでもよくなってくる。
…慶太の気持ち、分かったから。
確かに夕飯食った後に今日がバレンタインて気が付いたとこで、今さら何て言っていいかなんて、分かんねぇよな。俺だって分かんねぇよ。
つか、俺だったら、どうせ明日会えるんだし今日はもういいや、てなっちゃいそう。なのに。
「…そこまでして、俺に会いたいと思ってくれたんだ?」
冷えた慶太の体を温めるように、コートの上から抱き締める。
慶太は素直にコクリと頷いた。
今さら何て言っていいか分かんねぇのに、とりあえず勢いでチョコ持って俺んち来てくれて。
時間が時間だから…て、家にも入れなくて、外で1時間も待ってて。
何なのコイツ、かわいすぎる。
つか弟!
あのタイミングでコンビニとか、よく思い付いた! さすが俺の弟!(すっげぇいい子だから、早く仲直りしてやってね、彼女さん!)
「…ありがと、慶太。めっちゃ嬉しい」
「ううぅ…そんなん言わないでくださいー、嘘ばっか…」
「何でだよ」
俺にも腕を回してくるとか、そんなんも出来ないで、ただ突っ立って俺に抱き締められてるだけの慶太が、ジュビジュビ鼻を啜りながら、そんな失礼なことを言いやがる。
でも怒んない。
「…何で?」
少しだけ体を離して、慶太の顔を覗く。
「だって相川さん、もうチョコ2個っ…、あんなかわいいのっ、俺のなんて全然だしっ…」
「えっ、何が?」
きっと今日がバレンタインて気が付いてから、コイツ、ずーっとパニクってんだろうな。
頭ん中、グッチャグチャになりすぎて、ちゃんと言えてねぇのとか、気付いてないに違いない。
「チョコが、何?」
急かさず、落ち着けるように、ゆっくりと聞き直す。
慶太は、ヒックヒックて、コントの酔っ払いみたいにしゃくり上げてる。
「チョコ…、あれ」
貰ったんでしょ? と慶太が指差したのは、机の上に並んでる、2つの包み。
俺が慶太のために買ったヤツと、さっき俺がおふくろから貰ったヤツ。
俺は慶太が来て、完全にテンパっちゃって、そんなのもうすっかり忘れてたのに、慶太はこんななのに、ちゃんと見てたんだ。
back next
「そんで、外で待ってたの?」
「べ…別に待ってたとかっ…、相川さんいたらチョコ渡せるかな…て、でも着いたら10時だし、こんな時間に来ちゃって、家族とかいんのに迷惑だしっ…」
俺んちは、あんま時間とか気にせず、友だちとかいつでもウェルカム状態なんだけど、確かに、一般的には慶太の言ってることのほうが正解だよな。
でもそれにしたって、こんな時期に(しかも夜!)、よく1時間も外で待ってたよ。
「帰ろうとも思いましたよっ! 来るときは何も考えてなかったけど、来てから、相川さんいないかも、て思って…。相川さんいないのに、こんな時間に…」
「だったらメールするとか…」
「そんな今さら…。俺のほうが土曜日予定があるとか言っときながら、バレンタインも忘れてたくせに、今さら相川さんに会いたいとか言えないっ…、…うぇーんっ!」
「あーもうホラ、泣くなよ、バカ」
ホントに子どもが泣くみたいな泣き方で、慶太がわんわんと泣き出すから、何かもう、さっきまでの微妙な空気とか、ちょっとイラッと来たこととか、何かどうでもよくなってくる。
…慶太の気持ち、分かったから。
確かに夕飯食った後に今日がバレンタインて気が付いたとこで、今さら何て言っていいかなんて、分かんねぇよな。俺だって分かんねぇよ。
つか、俺だったら、どうせ明日会えるんだし今日はもういいや、てなっちゃいそう。なのに。
「…そこまでして、俺に会いたいと思ってくれたんだ?」
冷えた慶太の体を温めるように、コートの上から抱き締める。
慶太は素直にコクリと頷いた。
今さら何て言っていいか分かんねぇのに、とりあえず勢いでチョコ持って俺んち来てくれて。
時間が時間だから…て、家にも入れなくて、外で1時間も待ってて。
何なのコイツ、かわいすぎる。
つか弟!
あのタイミングでコンビニとか、よく思い付いた! さすが俺の弟!(すっげぇいい子だから、早く仲直りしてやってね、彼女さん!)
「…ありがと、慶太。めっちゃ嬉しい」
「ううぅ…そんなん言わないでくださいー、嘘ばっか…」
「何でだよ」
俺にも腕を回してくるとか、そんなんも出来ないで、ただ突っ立って俺に抱き締められてるだけの慶太が、ジュビジュビ鼻を啜りながら、そんな失礼なことを言いやがる。
でも怒んない。
「…何で?」
少しだけ体を離して、慶太の顔を覗く。
「だって相川さん、もうチョコ2個っ…、あんなかわいいのっ、俺のなんて全然だしっ…」
「えっ、何が?」
きっと今日がバレンタインて気が付いてから、コイツ、ずーっとパニクってんだろうな。
頭ん中、グッチャグチャになりすぎて、ちゃんと言えてねぇのとか、気付いてないに違いない。
「チョコが、何?」
急かさず、落ち着けるように、ゆっくりと聞き直す。
慶太は、ヒックヒックて、コントの酔っ払いみたいにしゃくり上げてる。
「チョコ…、あれ」
貰ったんでしょ? と慶太が指差したのは、机の上に並んでる、2つの包み。
俺が慶太のために買ったヤツと、さっき俺がおふくろから貰ったヤツ。
俺は慶太が来て、完全にテンパっちゃって、そんなのもうすっかり忘れてたのに、慶太はこんななのに、ちゃんと見てたんだ。
back next
- 関連記事
-
- 愛が致死量 (6) (2011/02/14)
- 愛が致死量 (5) (2011/02/13)
- 愛が致死量 (4) (2011/02/12)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。