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愛が致死量 (4)
2011.02.12 Sat
「え? は?」
「コンビニ行こうとして外出たら、いたから上がってもらったんだけど。つか、気にしないで上がって来ちゃってよかったのに」
ポカンとしてる俺にそう言ってから、弟は笑いながら(機嫌、直ったのか?)慶太の背中をポンと押して部屋を出ていった。
「え…、慶太…?」
「すいません、急に来ちゃって、あの…」
「いや、いいんだけど……何で? え、用事は? 終わったの?」
突然の来訪に、俺よりも慶太のほうが何だか戸惑ってる(自分から俺んち来たくせに)。
俺は何の用事もなかったから、来てくれて全然構わないんだけど(寧ろ嬉しいくらい!)、慶太、自分の予定は? 終わったの?
「おわ…り、ました…。てか今日…」
グズッと慶太が鼻を啜った。
何だか眉間も寄ってるし、え、何? コイツも機嫌悪ぃの? でも俺、別に何もしてないよな? 何かするほど、会ってから時間経ってないし。
…え、まさか、『用事は?』とか聞いたのがまずかった?
「慶太?」
「…………相川さんの…………バカッ!」
「えぇーーーー!! 何でっ? 何でっ!?」
何で俺、罵られんの?
俺、何した? やっぱ今日の用事のこととか、触れられたくなかった?
「何でこないだメールしたとき、今日がバレンタインて教えてくれなかったんですかぁっ…!?」
「…………、はい?」
「も…俺、全然気付かなくてっ…、言ってくれたら、今日の予定なんていくらでも変更したのにっ…!!」
「いや、だって…」
あわあわしてる俺に向って吐き出された言葉は、考えてたのとは全然違うことだった。
でもそんなの、とんだ言いがかりだよ。俺だってホントはそうしてほしかったけど、それは言えなかったんだよ。分かってよ。
慶太は俺の顔をジッと見たまま、まだ眉を寄せてる。その表情は、怒っているのか拗ねているのか、よく分からない。
俺もこれ以上、何て言ったらいいか分かんなくて、口籠ってしまう。
「…今日がバレンタインて分かったの、夕飯食った後だったんです」
慶太はもう1度鼻を啜ってから、静かに口を開いた。
てか、本気でその時間まで気付かなかったんだ…。
「でも俺、チョコ買ってないし、今さら相川さんに何て言っていいか分かんないしっ…、……うえぇー…」
「えっ…えぇーーー、ちょっ慶太!?」
慶太に何て言葉を掛けていいか分かんなくて、ただ話を聞いてるしか出来ないでいたら、急に慶太の目からボロボロ涙が零れ落ちるから、俺はめっちゃ焦った。
何で!? 何で泣くの!? 今の、どの辺で泣くことがあった!?
「慶太、慶太ッ、…て、おいっ!」
触れた慶太の手が、ビックリするくらい冷たい。
え? コイツ、玄関の外にいたっつったよな? 一体どんだけ外にいたんだよ…。
「慶太、いつウチに来たの? どんくらい外いた?」
「10時前、くらい…」
「マジかよ!」
もうすぐ11時なんですけどっ! コイツ、1時間も外にいたの!?
思わず頭に手をやった。
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「コンビニ行こうとして外出たら、いたから上がってもらったんだけど。つか、気にしないで上がって来ちゃってよかったのに」
ポカンとしてる俺にそう言ってから、弟は笑いながら(機嫌、直ったのか?)慶太の背中をポンと押して部屋を出ていった。
「え…、慶太…?」
「すいません、急に来ちゃって、あの…」
「いや、いいんだけど……何で? え、用事は? 終わったの?」
突然の来訪に、俺よりも慶太のほうが何だか戸惑ってる(自分から俺んち来たくせに)。
俺は何の用事もなかったから、来てくれて全然構わないんだけど(寧ろ嬉しいくらい!)、慶太、自分の予定は? 終わったの?
「おわ…り、ました…。てか今日…」
グズッと慶太が鼻を啜った。
何だか眉間も寄ってるし、え、何? コイツも機嫌悪ぃの? でも俺、別に何もしてないよな? 何かするほど、会ってから時間経ってないし。
…え、まさか、『用事は?』とか聞いたのがまずかった?
「慶太?」
「…………相川さんの…………バカッ!」
「えぇーーーー!! 何でっ? 何でっ!?」
何で俺、罵られんの?
俺、何した? やっぱ今日の用事のこととか、触れられたくなかった?
「何でこないだメールしたとき、今日がバレンタインて教えてくれなかったんですかぁっ…!?」
「…………、はい?」
「も…俺、全然気付かなくてっ…、言ってくれたら、今日の予定なんていくらでも変更したのにっ…!!」
「いや、だって…」
あわあわしてる俺に向って吐き出された言葉は、考えてたのとは全然違うことだった。
でもそんなの、とんだ言いがかりだよ。俺だってホントはそうしてほしかったけど、それは言えなかったんだよ。分かってよ。
慶太は俺の顔をジッと見たまま、まだ眉を寄せてる。その表情は、怒っているのか拗ねているのか、よく分からない。
俺もこれ以上、何て言ったらいいか分かんなくて、口籠ってしまう。
「…今日がバレンタインて分かったの、夕飯食った後だったんです」
慶太はもう1度鼻を啜ってから、静かに口を開いた。
てか、本気でその時間まで気付かなかったんだ…。
「でも俺、チョコ買ってないし、今さら相川さんに何て言っていいか分かんないしっ…、……うえぇー…」
「えっ…えぇーーー、ちょっ慶太!?」
慶太に何て言葉を掛けていいか分かんなくて、ただ話を聞いてるしか出来ないでいたら、急に慶太の目からボロボロ涙が零れ落ちるから、俺はめっちゃ焦った。
何で!? 何で泣くの!? 今の、どの辺で泣くことがあった!?
「慶太、慶太ッ、…て、おいっ!」
触れた慶太の手が、ビックリするくらい冷たい。
え? コイツ、玄関の外にいたっつったよな? 一体どんだけ外にいたんだよ…。
「慶太、いつウチに来たの? どんくらい外いた?」
「10時前、くらい…」
「マジかよ!」
もうすぐ11時なんですけどっ! コイツ、1時間も外にいたの!?
思わず頭に手をやった。
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