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ハッピークリスマス (6)
2011.01.26 Wed
「イク~」
「んー?」
レトルトのお粥を温めている郁雅は、レンジの中の様子を窺っていて、呼んでも振り返ってはくれない。
蒼一郎はベッドに横たわりながら、郁雅の背中を見つめる。
「…」
蒼一郎がもう1度、郁雅のことを呼ぼうとしたら、ちょうど電子レンジが音を立ててしまった。
郁雅はご丁寧にも、お盆にお粥を載せ、薬と水も載せて、蒼一郎のもとへと運んで来る。
「ちょっと温め過ぎたかな…?」
「え、大丈夫? イク」
そういえば電子レンジから器を取り出すとき、布巾で縁を掴んでいたけれど、それって相当熱いんじゃ…?
「大丈夫、大丈夫」
変なところで大雑把な郁雅は、あっさりとそう結論付けたが、湯気の立ち具合からしても、絶対に熱いと思う。
「いや、口に入れる前には冷ますから!」
蒼一郎が、よほど心配そうな顔をしていたのだろう、ベッドのそばまで引っ張って来たローテーブルにお盆を置いた郁雅は、そう言って弁解した。
そして、合わせて持って来たクッションに座って、なぜかレンゲを構える。
……………………。
「…………、…え?」
レンゲと温めたお粥を蒼一郎に渡して、郁雅の仕事はひとまずそこで一区切りが付いたのだと思ったのだが。
「はい、蒼」
蒼一郎の目の前に差し出されたのは、レンゲに盛られた一口分のお粥。
差し出しているのはもちろん郁雅で、その位置に持ってくる前に、先に言った『冷ますから』の言葉どおり、ちゃんとフーフーしてくれている。
………………。
はい?
「え、ちょっイク!」
「何だよ、もうそこまで熱くないだろ。つか、そこまで冷ましたら、逆にまずくね?」
いやいやいや。
そうでなくてね。
普通に、ナチュラルに、『あーん』をしようとしてません? 郁雅さん。
え、そうなの?
そこに照れはないの? 躊躇いもないの?
「蒼?」
「えっ…、いやっ…」
「レトルトっつったって、そこまでまずくはないと思うんだけど…」
なかなか口を付けようとしない蒼一郎に、味の信憑性を疑っていると勘違いしたらしい郁雅は、首を傾げながら、まずはその一口を自分の口に入れてみる。
「…ん。まぁ普通じゃね?」
「そ…そっか」
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「んー?」
レトルトのお粥を温めている郁雅は、レンジの中の様子を窺っていて、呼んでも振り返ってはくれない。
蒼一郎はベッドに横たわりながら、郁雅の背中を見つめる。
「…」
蒼一郎がもう1度、郁雅のことを呼ぼうとしたら、ちょうど電子レンジが音を立ててしまった。
郁雅はご丁寧にも、お盆にお粥を載せ、薬と水も載せて、蒼一郎のもとへと運んで来る。
「ちょっと温め過ぎたかな…?」
「え、大丈夫? イク」
そういえば電子レンジから器を取り出すとき、布巾で縁を掴んでいたけれど、それって相当熱いんじゃ…?
「大丈夫、大丈夫」
変なところで大雑把な郁雅は、あっさりとそう結論付けたが、湯気の立ち具合からしても、絶対に熱いと思う。
「いや、口に入れる前には冷ますから!」
蒼一郎が、よほど心配そうな顔をしていたのだろう、ベッドのそばまで引っ張って来たローテーブルにお盆を置いた郁雅は、そう言って弁解した。
そして、合わせて持って来たクッションに座って、なぜかレンゲを構える。
……………………。
「…………、…え?」
レンゲと温めたお粥を蒼一郎に渡して、郁雅の仕事はひとまずそこで一区切りが付いたのだと思ったのだが。
「はい、蒼」
蒼一郎の目の前に差し出されたのは、レンゲに盛られた一口分のお粥。
差し出しているのはもちろん郁雅で、その位置に持ってくる前に、先に言った『冷ますから』の言葉どおり、ちゃんとフーフーしてくれている。
………………。
はい?
「え、ちょっイク!」
「何だよ、もうそこまで熱くないだろ。つか、そこまで冷ましたら、逆にまずくね?」
いやいやいや。
そうでなくてね。
普通に、ナチュラルに、『あーん』をしようとしてません? 郁雅さん。
え、そうなの?
そこに照れはないの? 躊躇いもないの?
「蒼?」
「えっ…、いやっ…」
「レトルトっつったって、そこまでまずくはないと思うんだけど…」
なかなか口を付けようとしない蒼一郎に、味の信憑性を疑っていると勘違いしたらしい郁雅は、首を傾げながら、まずはその一口を自分の口に入れてみる。
「…ん。まぁ普通じゃね?」
「そ…そっか」
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