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ハッピークリスマス (5)
2011.01.25 Tue
「ゴメンな、イク」
「謝んないでください。こっちこそ、朝早くからホントありがとうございました。……あ、てか山口くん」
「ぅん?」
「今日は夜……帰って来ないですよね? イブだし」
翔真が部屋を出る間際、郁雅がおずおずと尋ねる。
やっぱ1人で1日中看病は大変かな、夜は交代したほうがいいよね、と、翔真は思ったのだが、郁雅はそれとは違った言葉を続けた。
「あの…俺、今日、泊まってってもいいですよね? ここ…」
少し照れたような表情で言う郁雅に、翔真はすぐに先ほどの言葉の真意を知る。
そうはいってもクリスマスイブだ。病人とはいえ、恋人と2人きりで過ごしたいから。
「全然構わないけど……うつされんなよ、風邪」
「はい、気を付けます」
「あと…大変だったら、遠慮しないで連絡して。すぐ来るから」
郁雅のことだから、絶対に遠慮しそうな気はするけれど、それでも放ってはおけないから。
「ありがとうございます。いってらっしゃい」
未練を残しつつも、翔真は郁雅に見送られて部屋を出た。
残された郁雅は、蒼一郎が寝ているのをいいことに、1つ溜め息を零す。
蒼一郎だって、好きでイブに熱を出したわけではないし、そんなことで郁雅も怒ったり拗ねたりはしないが、呆れはする。
何だってこのタイミングなんだろう。
(…しょうがねぇか)
郁雅は、熱で頬を赤くしている蒼一郎の顔を覗き込んだ。
*****
蒼一郎を医者に診せようと、近所の内科医院に電話したところ、ラッキーなことに往診をしてもらえることになり、郁雅は素直にその申し出に甘えた。
近所とはいえ、歩いてしか行けないのに、寝込んでいる蒼一郎を連れていくのは、結構大変なことだと思っていたから。
加えてよかったことに、この時期に熱を出すなんて、まさかインフルエンザか!? と、少し怯えていたのだが、ただの風邪だと判明した。
貰った処方箋を持って、近所のドラッグストアに行き、ついでに買い物もして帰って来ると、なぜか蒼一郎がふとんから抜け出していた。
「お前、何フラフラしてんだよっ」
「ちが違う違う、トイレ行ってたの!」
帰って来た郁雅に冷ややかな視線を向けられ、蒼一郎は慌てて説明した。
この寮は風呂とトイレが共同で、各部屋に付いていないから、どうしても部屋の外に出なければならないのだ。
「薬貰って来たから、メシ食って、薬飲んで寝ろよ」
「…ん」
「あ、お粥、レトルトでもいい? 作ってもいいけど、このほうが手っ取り早そうだったから」
郁雅はドラッグストアの買い物袋をガサガサ漁りながら、ベッドに戻った蒼一郎に尋ねる。
キチンと自炊している郁雅は、お粥くらいなら作れるし、レトルトよりは手作りのものを食べさせてやりたかったが、今はそれより早く食事をさせて薬を飲ませなければ。
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「謝んないでください。こっちこそ、朝早くからホントありがとうございました。……あ、てか山口くん」
「ぅん?」
「今日は夜……帰って来ないですよね? イブだし」
翔真が部屋を出る間際、郁雅がおずおずと尋ねる。
やっぱ1人で1日中看病は大変かな、夜は交代したほうがいいよね、と、翔真は思ったのだが、郁雅はそれとは違った言葉を続けた。
「あの…俺、今日、泊まってってもいいですよね? ここ…」
少し照れたような表情で言う郁雅に、翔真はすぐに先ほどの言葉の真意を知る。
そうはいってもクリスマスイブだ。病人とはいえ、恋人と2人きりで過ごしたいから。
「全然構わないけど……うつされんなよ、風邪」
「はい、気を付けます」
「あと…大変だったら、遠慮しないで連絡して。すぐ来るから」
郁雅のことだから、絶対に遠慮しそうな気はするけれど、それでも放ってはおけないから。
「ありがとうございます。いってらっしゃい」
未練を残しつつも、翔真は郁雅に見送られて部屋を出た。
残された郁雅は、蒼一郎が寝ているのをいいことに、1つ溜め息を零す。
蒼一郎だって、好きでイブに熱を出したわけではないし、そんなことで郁雅も怒ったり拗ねたりはしないが、呆れはする。
何だってこのタイミングなんだろう。
(…しょうがねぇか)
郁雅は、熱で頬を赤くしている蒼一郎の顔を覗き込んだ。
*****
蒼一郎を医者に診せようと、近所の内科医院に電話したところ、ラッキーなことに往診をしてもらえることになり、郁雅は素直にその申し出に甘えた。
近所とはいえ、歩いてしか行けないのに、寝込んでいる蒼一郎を連れていくのは、結構大変なことだと思っていたから。
加えてよかったことに、この時期に熱を出すなんて、まさかインフルエンザか!? と、少し怯えていたのだが、ただの風邪だと判明した。
貰った処方箋を持って、近所のドラッグストアに行き、ついでに買い物もして帰って来ると、なぜか蒼一郎がふとんから抜け出していた。
「お前、何フラフラしてんだよっ」
「ちが違う違う、トイレ行ってたの!」
帰って来た郁雅に冷ややかな視線を向けられ、蒼一郎は慌てて説明した。
この寮は風呂とトイレが共同で、各部屋に付いていないから、どうしても部屋の外に出なければならないのだ。
「薬貰って来たから、メシ食って、薬飲んで寝ろよ」
「…ん」
「あ、お粥、レトルトでもいい? 作ってもいいけど、このほうが手っ取り早そうだったから」
郁雅はドラッグストアの買い物袋をガサガサ漁りながら、ベッドに戻った蒼一郎に尋ねる。
キチンと自炊している郁雅は、お粥くらいなら作れるし、レトルトよりは手作りのものを食べさせてやりたかったが、今はそれより早く食事をさせて薬を飲ませなければ。
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