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ずっと一緒にいたいから (1)
2011.01.19 Wed
「ねぇねぇイクー、これってどういうことー?」
「…だから、」
眉を寄せて、ウンウン唸りながらテキストを見ていた蒼一郎は、それでもやっぱりさっぱり理解できずに、同じテーブルでテキストとノートを広げていた郁雅に尋ねた。
蒼一郎と郁雅は、同じ大学の同じ学部、同じ学科の同級生ながら、蒼一郎のほうが1つ年上だ。
それは、蒼一郎が1年浪人してこの大学に入ったからではなくて、単位不足から1年留年してしまった同級生なので、本当のことを言うと蒼一郎は、去年もこの科目を勉強している。
だから、郁雅に分からないことを聞かれたら答える、とまでは行かなくても、蒼一郎のほうが郁雅に何か聞く、というのは、本来ならば筋違いなのだが…。
「んぁー、ダメだ、分かんね!」
「おい、蒼!」
んー! と大きく伸びをしたかと思うと、蒼一郎はそのまま後ろに引っ繰り返った。
「イクー、ちょっと休憩」
「お前さぁ…」
実はほんの30分前にも、そう言って休憩をしているのだ。まったく、これで来年、郁雅の後輩になったら、一体どうするつもりなのだろうか。
「だってさぁ、このコタツがヤバいよね。こんなにぬくぬくしてたらさぁ」
狭い一室に2人で押し込められている寮と違って、6畳一間+ロフト付きのアパートなら、コタツだって置ける。
郁雅的に、コタツはそんなに必要としていなかったのだが、蒼一郎のリクエストで購入してみたのだ――――が。
「お前をそんなだらけさせるために、コタツ買ったんじゃねぇよ」
しかし郁雅は呆れた声を出しながらも、シャーペンを置いて蒼一郎の横に転がった。
あぁ、何という甘さ。
…ちょっと反省。
「…イク」
ちょいちょいと手招きされて、郁雅は蒼一郎のほうへと身を近付ける。
頭の片隅では、こんなにのん気なことをしている場合ではないと、分かってはいるけれど。
「えっへっへ、イクー、キスしていい?」
「そのつもりで呼んだくせに、聞くんじゃねぇよ」
何だか締まりのない顔になっている蒼一郎に、郁雅は眉を寄せた。
本当にコイツは、常に緊張感が足りな過ぎる。
「えへへ」
郁雅がわざと面倒くさそうな顔をしても、蒼一郎はさして気にした様子もなく、郁雅の首の後ろに手を回してキスをする。
伸びた襟足の髪に指を絡ませると、郁雅は擽ったそうに首を竦めた。
「イク…」
「よし、勉強の続きな」
「うぇっ!? ちょっ待っ……何で!? 違うでしょ? そうじゃないでしょ、今のこの雰囲気は! 空気読んでよ、イク!」
これはどう考えたって、勉強の続きを始めるような雰囲気ではない。
絶対にこのままベッドに行くべきでしょ!? と蒼一郎は喚くが、郁雅は照れるわけでもなく冷静だ。
「お前、今の自分の状況、分かってんのか? ん?」
「あぅ…」
あっさりと蒼一郎の腕の中から抜け出て、郁雅は体を起した。
そんな空気を呼んでいる場合ではないのだ、実際のところ。
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「…だから、」
眉を寄せて、ウンウン唸りながらテキストを見ていた蒼一郎は、それでもやっぱりさっぱり理解できずに、同じテーブルでテキストとノートを広げていた郁雅に尋ねた。
蒼一郎と郁雅は、同じ大学の同じ学部、同じ学科の同級生ながら、蒼一郎のほうが1つ年上だ。
それは、蒼一郎が1年浪人してこの大学に入ったからではなくて、単位不足から1年留年してしまった同級生なので、本当のことを言うと蒼一郎は、去年もこの科目を勉強している。
だから、郁雅に分からないことを聞かれたら答える、とまでは行かなくても、蒼一郎のほうが郁雅に何か聞く、というのは、本来ならば筋違いなのだが…。
「んぁー、ダメだ、分かんね!」
「おい、蒼!」
んー! と大きく伸びをしたかと思うと、蒼一郎はそのまま後ろに引っ繰り返った。
「イクー、ちょっと休憩」
「お前さぁ…」
実はほんの30分前にも、そう言って休憩をしているのだ。まったく、これで来年、郁雅の後輩になったら、一体どうするつもりなのだろうか。
「だってさぁ、このコタツがヤバいよね。こんなにぬくぬくしてたらさぁ」
狭い一室に2人で押し込められている寮と違って、6畳一間+ロフト付きのアパートなら、コタツだって置ける。
郁雅的に、コタツはそんなに必要としていなかったのだが、蒼一郎のリクエストで購入してみたのだ――――が。
「お前をそんなだらけさせるために、コタツ買ったんじゃねぇよ」
しかし郁雅は呆れた声を出しながらも、シャーペンを置いて蒼一郎の横に転がった。
あぁ、何という甘さ。
…ちょっと反省。
「…イク」
ちょいちょいと手招きされて、郁雅は蒼一郎のほうへと身を近付ける。
頭の片隅では、こんなにのん気なことをしている場合ではないと、分かってはいるけれど。
「えっへっへ、イクー、キスしていい?」
「そのつもりで呼んだくせに、聞くんじゃねぇよ」
何だか締まりのない顔になっている蒼一郎に、郁雅は眉を寄せた。
本当にコイツは、常に緊張感が足りな過ぎる。
「えへへ」
郁雅がわざと面倒くさそうな顔をしても、蒼一郎はさして気にした様子もなく、郁雅の首の後ろに手を回してキスをする。
伸びた襟足の髪に指を絡ませると、郁雅は擽ったそうに首を竦めた。
「イク…」
「よし、勉強の続きな」
「うぇっ!? ちょっ待っ……何で!? 違うでしょ? そうじゃないでしょ、今のこの雰囲気は! 空気読んでよ、イク!」
これはどう考えたって、勉強の続きを始めるような雰囲気ではない。
絶対にこのままベッドに行くべきでしょ!? と蒼一郎は喚くが、郁雅は照れるわけでもなく冷静だ。
「お前、今の自分の状況、分かってんのか? ん?」
「あぅ…」
あっさりと蒼一郎の腕の中から抜け出て、郁雅は体を起した。
そんな空気を呼んでいる場合ではないのだ、実際のところ。
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