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ぬくぬくお風呂 (7)
2011.01.18 Tue
「なぁ祐介っ」
「…睦月が喜びそうなことつったら、クリスマスツリー飾るとかさ、サンタさんの形した砂糖菓子みたいのの乗っかったケーキとかだろ?」
そんなの聞くまでもなくね? という顔で、祐介はサラッと言ってのける。
確かに去年は、ツリーの飾り付けに大喜びしたのだ、睦月は。何も間違っていない。
けれど。
「…何でお前がそんなに分かんだよっ」
「えーーー……。教えてやったのに、その言われ方?」
やっぱりとっても理不尽だ! と祐介は顔を顰めた。
言わなければ言わないで不満顔をされるし、せっかく教えてやれば文句を言われる始末。一体どうしろと言うのだ。
「だって俺、睦月と超ガキのころから一緒にいんだから、分かるよ、そんくらい。お前だって、ずーっと一緒にいるから、和衣のことがそんだけ分かるんだろ?」
「…………」
変な言いがかりを付けられたままでも困るので、祐介は分かりやすく亮に説明してやった。
「…そっか。そういうことか」
ようやく納得したのか、亮は祐介から離れた。
(ちょっといいホテルとか、どうかなぁ…なんて思ってたけど)
亮が考えているホテルとは、もちろんラブホテルのことなのだが。
普通のホテルでもいいけれど、どうせやることはやるわけだし、だったらいつもよりいい目のラブホに泊まるのもいいかなぁ、なんて、ちょっと考えていたのだけれど。
(それよりケーキなんだろうなぁ、睦月は)
それも、小学生とかが喜びそうな、ベタなクリスマスケーキ。
ツリーは去年買ったけれど、きっと今年はまた新しい飾りとか、欲しがるんだろうな。
…そんなクリスマスも、悪くない。
睦月が喜んでくれるなら。
「つか亮、俺もう上がっていい? 熱ぃんだけど…」
「へぇっ? ――――わっ、うわっ!?」
「ぶはっ!」
ザッブーン! と大きく水飛沫が上がる。
もう上がる、と祐介に声を掛けられたとき、完全に思考が飛んでいた亮が、わけの分からないまま立ち上がろうとしたら、急にクラッと来て、そのまま湯船の中に崩れ落ちたのだ。
和衣がすっ転んだときには被害を受けなかった祐介も、最後の最後に、頭からお湯を被ってしまう。
「おま…何してっ…」
「だってっ…何か、クラクラす…」
「アホかーーー!!」
そんなに長く湯船に浸かっていたつもりはないが、どうやら完全に逆上せてしまったらしい。
祐介の突っ込みの声が、頭に響く。
「早く上がれ、バカッ!」
バカだのアホだの、そんなに言わなくてもいいのに…。
ちょっとだけ切なくなりながら、亮は祐介に風呂場から引っ張り出された。
一夜にして、3人もの人間が溺れ掛けたのは、恐らく寮の風呂史上、初めてのことだったに違いない。
長風呂もほどほどに。
*end*
back next
「…睦月が喜びそうなことつったら、クリスマスツリー飾るとかさ、サンタさんの形した砂糖菓子みたいのの乗っかったケーキとかだろ?」
そんなの聞くまでもなくね? という顔で、祐介はサラッと言ってのける。
確かに去年は、ツリーの飾り付けに大喜びしたのだ、睦月は。何も間違っていない。
けれど。
「…何でお前がそんなに分かんだよっ」
「えーーー……。教えてやったのに、その言われ方?」
やっぱりとっても理不尽だ! と祐介は顔を顰めた。
言わなければ言わないで不満顔をされるし、せっかく教えてやれば文句を言われる始末。一体どうしろと言うのだ。
「だって俺、睦月と超ガキのころから一緒にいんだから、分かるよ、そんくらい。お前だって、ずーっと一緒にいるから、和衣のことがそんだけ分かるんだろ?」
「…………」
変な言いがかりを付けられたままでも困るので、祐介は分かりやすく亮に説明してやった。
「…そっか。そういうことか」
ようやく納得したのか、亮は祐介から離れた。
(ちょっといいホテルとか、どうかなぁ…なんて思ってたけど)
亮が考えているホテルとは、もちろんラブホテルのことなのだが。
普通のホテルでもいいけれど、どうせやることはやるわけだし、だったらいつもよりいい目のラブホに泊まるのもいいかなぁ、なんて、ちょっと考えていたのだけれど。
(それよりケーキなんだろうなぁ、睦月は)
それも、小学生とかが喜びそうな、ベタなクリスマスケーキ。
ツリーは去年買ったけれど、きっと今年はまた新しい飾りとか、欲しがるんだろうな。
…そんなクリスマスも、悪くない。
睦月が喜んでくれるなら。
「つか亮、俺もう上がっていい? 熱ぃんだけど…」
「へぇっ? ――――わっ、うわっ!?」
「ぶはっ!」
ザッブーン! と大きく水飛沫が上がる。
もう上がる、と祐介に声を掛けられたとき、完全に思考が飛んでいた亮が、わけの分からないまま立ち上がろうとしたら、急にクラッと来て、そのまま湯船の中に崩れ落ちたのだ。
和衣がすっ転んだときには被害を受けなかった祐介も、最後の最後に、頭からお湯を被ってしまう。
「おま…何してっ…」
「だってっ…何か、クラクラす…」
「アホかーーー!!」
そんなに長く湯船に浸かっていたつもりはないが、どうやら完全に逆上せてしまったらしい。
祐介の突っ込みの声が、頭に響く。
「早く上がれ、バカッ!」
バカだのアホだの、そんなに言わなくてもいいのに…。
ちょっとだけ切なくなりながら、亮は祐介に風呂場から引っ張り出された。
一夜にして、3人もの人間が溺れ掛けたのは、恐らく寮の風呂史上、初めてのことだったに違いない。
長風呂もほどほどに。
*end*
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音夜 ⇒ No title
まったくどこまでも世話焼かせるって感じなんでしょね、ゆっちくん的にはw
そっかーむっちゃんが喜ぶのはツリーやらサンタさんケーキなんですね。ゆっちくんがいうとおり、何とも定番で単純だw雪だるまあげても喜んでくれそーですね。
それにしてもカズくんは、何をプレゼントするんでしょか。どんな物でもゆっちくんは喜んでくれると思うけど。
結局、逆上せたのは亮くんだったw
「おとなおばけタオル」
かわいいですよね。確かにむっちゃんが喜んで被ってそうw
あ、プレゼントはこれで決定でいいんじゃないでしょーか、亮くん
そっかーむっちゃんが喜ぶのはツリーやらサンタさんケーキなんですね。ゆっちくんがいうとおり、何とも定番で単純だw雪だるまあげても喜んでくれそーですね。
それにしてもカズくんは、何をプレゼントするんでしょか。どんな物でもゆっちくんは喜んでくれると思うけど。
結局、逆上せたのは亮くんだったw
「おとなおばけタオル」
かわいいですよね。確かにむっちゃんが喜んで被ってそうw
あ、プレゼントはこれで決定でいいんじゃないでしょーか、亮くん
- |2011.01.19
- |Wed
- |20:08
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ Re: No title
むっちゃんはかなーりお子ちゃまですが、ゆっちさんからしたら、亮タンも十分に、手のかかる子ども…。
私は長風呂派なんで、逆上せたことないんですが、長風呂の苦手な人だったら、こんなに入ってたら、こうなっちゃうんだろうな、と(笑)
むっちゃん、去年はツリーを買って飾り付けをして、ご満悦。
ケーキ食べたい、ツリー飾りたい、サンタさん! て、小学生並みの発想しか出来ないみたいですが、それはそれで幸せかと(*^_^*)
あ、おばけタオル、反応くださり、ありがとうございます!
かわいいですよね~(*^_^*)
コメントありがとうございました!
私は長風呂派なんで、逆上せたことないんですが、長風呂の苦手な人だったら、こんなに入ってたら、こうなっちゃうんだろうな、と(笑)
むっちゃん、去年はツリーを買って飾り付けをして、ご満悦。
ケーキ食べたい、ツリー飾りたい、サンタさん! て、小学生並みの発想しか出来ないみたいですが、それはそれで幸せかと(*^_^*)
あ、おばけタオル、反応くださり、ありがとうございます!
かわいいですよね~(*^_^*)
コメントありがとうございました!