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嬉しいプレゼント (2)
2011.01.07 Fri
「あのさぁ、お前…」
「え、何?」
えっと…俺ホント、何したっけ? と朋文が記憶をフル回転させている間も、譲の眉間のしわは消えてくれない。
「朋文、えっと…」
譲が言い掛けたところで、口を閉ざした。
何だか深刻そうな雰囲気に、朋文は少し身構えた。『クリスマスメニュー、やっぱり思い付かなかった』くらいのことならいいが、『俺、この店辞めたいんだけど…』とかだったらどうしよう…。
「おはようございまーす…」
沈黙がいっそう気まずくなったところで、店のドアが開き、とても元気があるとは言い難い挨拶が聞こえた。
朋文がそろそろ来るだろうと思っていた、バイトの亜沙美(アサミ)ちゃんだ。
彼女の場合、決して愛想が悪いわけではないのだが、テンションが低いというか、テンポが遅いというか、独特の雰囲気を持っている(それが一部に非常に受けがよく、彼女目当てで通っているお客もいるという噂さえある)。
「おはよ」
「…………、おはよーございまーす…」
化粧気はないが、かわいらしい顔立ちの彼女は、譲と朋文の間に流れるいつもとは違う空気に気付いていないのだろうか、深々と頭を下げると、バックルームへ消えていった。
「えっと…何だっけ、話…?」
「いや、いいや、やっぱ」
亜沙美がいなくなって、朋文のほうから話を再開するよう切り出したのに、あっさりと断られてしまった。
彼女のいるところでは、話しにくいことなのだろうか。
(だとしたら、マジで辞めたいとか…?)
いや、それを仕事時間前に言う?
朋文も十二分に空気は読めない男だけれど、それってそれ以上に空気読めてない!
「あの、譲っ!」
「あ゛ぁ?」
「いやっ…何でも、ない…」
普通の人なら、自分が悪くなくても思わず謝ってしまいそうになる譲の凄みも、難なくかわしてしまう朋文なのに、今日ばかりは何だか言葉に詰まってしまった。
「てんちょー…、トイレの電気が点きませーん」
朋文がタジタジしていると、バックルームを出てトイレに向った亜沙美が、カチカチとスイッチを何回もオンオフしながら、店内を振り返った。
ちなみに朋文のことを『店長』と呼ぶのは、この店で彼女だけだ。
「あ、電気切れちゃったかな? 今、電球換えるよ」
「漏れそうなので、お早めにお願いしまーす…」
「はいはい」
そういうことは、わざわざ言わなくていいんじゃないかなぁ…ということを付け加える亜沙美に、朋文は苦笑いしつつ電球を取りに向かった。
「…譲さーん」
「何だ? 漏らすなよ?」
「漏らしませーん…。ていうか、店長にちゃんと言いましたー?」
「うっせ。黙れ」
「…………、黙りまーす」
譲の凄みに動じないのは、何も朋文だけではなかった。
亜沙美は少しもビビらなかったが、自分の質問に対する譲の答えが『No』だということが分かったので、それ以上は何も聞かなかった。
「お待たせ亜沙美ちゃん、電気換えたよ」
「はーい」
本当に漏れそうだったのか、スローテンポの亜沙美にしては珍しく、いそいそとトイレへと向かった。
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「え、何?」
えっと…俺ホント、何したっけ? と朋文が記憶をフル回転させている間も、譲の眉間のしわは消えてくれない。
「朋文、えっと…」
譲が言い掛けたところで、口を閉ざした。
何だか深刻そうな雰囲気に、朋文は少し身構えた。『クリスマスメニュー、やっぱり思い付かなかった』くらいのことならいいが、『俺、この店辞めたいんだけど…』とかだったらどうしよう…。
「おはようございまーす…」
沈黙がいっそう気まずくなったところで、店のドアが開き、とても元気があるとは言い難い挨拶が聞こえた。
朋文がそろそろ来るだろうと思っていた、バイトの亜沙美(アサミ)ちゃんだ。
彼女の場合、決して愛想が悪いわけではないのだが、テンションが低いというか、テンポが遅いというか、独特の雰囲気を持っている(それが一部に非常に受けがよく、彼女目当てで通っているお客もいるという噂さえある)。
「おはよ」
「…………、おはよーございまーす…」
化粧気はないが、かわいらしい顔立ちの彼女は、譲と朋文の間に流れるいつもとは違う空気に気付いていないのだろうか、深々と頭を下げると、バックルームへ消えていった。
「えっと…何だっけ、話…?」
「いや、いいや、やっぱ」
亜沙美がいなくなって、朋文のほうから話を再開するよう切り出したのに、あっさりと断られてしまった。
彼女のいるところでは、話しにくいことなのだろうか。
(だとしたら、マジで辞めたいとか…?)
いや、それを仕事時間前に言う?
朋文も十二分に空気は読めない男だけれど、それってそれ以上に空気読めてない!
「あの、譲っ!」
「あ゛ぁ?」
「いやっ…何でも、ない…」
普通の人なら、自分が悪くなくても思わず謝ってしまいそうになる譲の凄みも、難なくかわしてしまう朋文なのに、今日ばかりは何だか言葉に詰まってしまった。
「てんちょー…、トイレの電気が点きませーん」
朋文がタジタジしていると、バックルームを出てトイレに向った亜沙美が、カチカチとスイッチを何回もオンオフしながら、店内を振り返った。
ちなみに朋文のことを『店長』と呼ぶのは、この店で彼女だけだ。
「あ、電気切れちゃったかな? 今、電球換えるよ」
「漏れそうなので、お早めにお願いしまーす…」
「はいはい」
そういうことは、わざわざ言わなくていいんじゃないかなぁ…ということを付け加える亜沙美に、朋文は苦笑いしつつ電球を取りに向かった。
「…譲さーん」
「何だ? 漏らすなよ?」
「漏らしませーん…。ていうか、店長にちゃんと言いましたー?」
「うっせ。黙れ」
「…………、黙りまーす」
譲の凄みに動じないのは、何も朋文だけではなかった。
亜沙美は少しもビビらなかったが、自分の質問に対する譲の答えが『No』だということが分かったので、それ以上は何も聞かなかった。
「お待たせ亜沙美ちゃん、電気換えたよ」
「はーい」
本当に漏れそうだったのか、スローテンポの亜沙美にしては珍しく、いそいそとトイレへと向かった。
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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粟津原栗子 ⇒ No title
なにこれアサミちゃん可愛い…w
無表情で遅いテンポで喋る感じがまた…「漏らしませーん」「黙りまーす」←好きだー!!(声高らかに
好きカプアンケ、いまじっくり見たんですが(遅い)、「高校生男子」で水瀬くんが2人いるとこで笑っちゃいました。いやー、乱れてますねぇ!!(笑
投票したいので改めて読み直しですww
無表情で遅いテンポで喋る感じがまた…「漏らしませーん」「黙りまーす」←好きだー!!(声高らかに
好きカプアンケ、いまじっくり見たんですが(遅い)、「高校生男子」で水瀬くんが2人いるとこで笑っちゃいました。いやー、乱れてますねぇ!!(笑
投票したいので改めて読み直しですww
- |2011.01.07
- |Fri
- |16:47
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ Re: No title
亜沙美ちゃん、最初は、朝だからテンション低いだけで、本当はもっと普通の子にするはずだったんですが、書き始めたら、このキャラのほうがかわいくていいかも…て思っちゃって、こんな子になりました(^_^;)
女の子大好きなんでね。
つい、かわいくしてしまうんです。。。
アンケ、選択肢を作るとき、うっかりキャラの名前とか忘れちゃってて、めっちゃ焦ったことは内緒です(笑)
高校生男子は、エロが書きたくて始めたシリーズなんですが(…)、水瀬くんは乱れまくってますよ。私は高校生男子を何だと思ってるんでしょうか。
ぜひぜひ投票してみてくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!
女の子大好きなんでね。
つい、かわいくしてしまうんです。。。
アンケ、選択肢を作るとき、うっかりキャラの名前とか忘れちゃってて、めっちゃ焦ったことは内緒です(笑)
高校生男子は、エロが書きたくて始めたシリーズなんですが(…)、水瀬くんは乱れまくってますよ。私は高校生男子を何だと思ってるんでしょうか。
ぜひぜひ投票してみてくださいね(*^_^*)
コメントありがとうございました!