スポンサーサイト
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:スポンサー広告
部屋でまったり (2)
2010.12.24 Fri
蒼一郎の住んでいる寮からは、駅までの時間も入れて、40分以上は掛かる。
てっきりこの辺りにいて、すぐに迎えに来るものだと思い込んでいた郁雅は、あまりの事実に気が抜けて、そのままベッドに倒れ込んだ。
「ふざけんなよー…」
早くてもあと30分は来ないだろう。
この出掛ける気満々な気持ちを、一体どうしてくれるつもりなんだ。
だいたい郁雅だって、家を出る直前だったのだ。もしこれでもっと早くに郁雅が家を出ていたら、一体どうするつもりだったのだろうか。
もともと蒼一郎というのは、物事をあまり深く考えないというか、肝心なところで1歩足りないようなところがあるから、今日だって、郁雅が家を出ているかもしれないなんて、少しも思わなかったのだろう。
(メール…)
今どの辺なのか、あとどのくらいで来るのか、メールしてみようか。
けれどそんなことを知ったところで、何が出来るわけでもないから、やめておいた。
「つーか、寒ぃし!」
蒼一郎がすぐ来ると思って、点けないでおいたエアコン。
コートは着込んだままだったが、あと30分は来ないんだとしたら、とてもこのままでは耐えられない。
郁雅はベッドを飛び降りて、エアコンのスイッチを入れた。ついでにコートも脱ぐ。
何だかとてつもなく面倒くさい気持ちになって来てしまった。
郁雅はあくびを1つして、ベッドに転がった。
*****
「あーさむっ、さむ、さむ、さむーーーっ!!」
大概、物言いが大げさな蒼一郎とはいえ、今日の寒さは、本当にこのくらい叫んでもいいと思う。
暖房の効いた車内に未練を残しつつ、郁雅の家の最寄りの駅で電車を降りた蒼一郎は、ギューッとコートの中に首を竦めて先を急ぐ。
やっぱり今日は、郁雅の家に行くことにして正解だ。
こんな寒い外、1秒だって長くいたくはない。
「イークー」
郁雅の住むアパートが見えたところで、とうとう蒼一郎は駆け出し、ダッシュでアパートの階段を駆け上がる。
そんなことをしなくとも、家で待っていろと言われた郁雅は、もちろん素直に家で待っているはずだが、蒼一郎のほうが待ち切れなくなっていた。
「イクー、イク、開けてー」
ピンポーンとインターフォンを押した後、反応のない室内に、蒼一郎は続けざまにインターフォンを押しては郁雅の名前を呼んだ。
「イクー」
「…うるせぇよ」
ガチャリと鍵の開く音がして、ようやくドアが開いたかと思うと、ひどく不機嫌そうな顔をした郁雅が、コート片手に顔を覗かせた。
back next
てっきりこの辺りにいて、すぐに迎えに来るものだと思い込んでいた郁雅は、あまりの事実に気が抜けて、そのままベッドに倒れ込んだ。
「ふざけんなよー…」
早くてもあと30分は来ないだろう。
この出掛ける気満々な気持ちを、一体どうしてくれるつもりなんだ。
だいたい郁雅だって、家を出る直前だったのだ。もしこれでもっと早くに郁雅が家を出ていたら、一体どうするつもりだったのだろうか。
もともと蒼一郎というのは、物事をあまり深く考えないというか、肝心なところで1歩足りないようなところがあるから、今日だって、郁雅が家を出ているかもしれないなんて、少しも思わなかったのだろう。
(メール…)
今どの辺なのか、あとどのくらいで来るのか、メールしてみようか。
けれどそんなことを知ったところで、何が出来るわけでもないから、やめておいた。
「つーか、寒ぃし!」
蒼一郎がすぐ来ると思って、点けないでおいたエアコン。
コートは着込んだままだったが、あと30分は来ないんだとしたら、とてもこのままでは耐えられない。
郁雅はベッドを飛び降りて、エアコンのスイッチを入れた。ついでにコートも脱ぐ。
何だかとてつもなく面倒くさい気持ちになって来てしまった。
郁雅はあくびを1つして、ベッドに転がった。
*****
「あーさむっ、さむ、さむ、さむーーーっ!!」
大概、物言いが大げさな蒼一郎とはいえ、今日の寒さは、本当にこのくらい叫んでもいいと思う。
暖房の効いた車内に未練を残しつつ、郁雅の家の最寄りの駅で電車を降りた蒼一郎は、ギューッとコートの中に首を竦めて先を急ぐ。
やっぱり今日は、郁雅の家に行くことにして正解だ。
こんな寒い外、1秒だって長くいたくはない。
「イークー」
郁雅の住むアパートが見えたところで、とうとう蒼一郎は駆け出し、ダッシュでアパートの階段を駆け上がる。
そんなことをしなくとも、家で待っていろと言われた郁雅は、もちろん素直に家で待っているはずだが、蒼一郎のほうが待ち切れなくなっていた。
「イクー、イク、開けてー」
ピンポーンとインターフォンを押した後、反応のない室内に、蒼一郎は続けざまにインターフォンを押しては郁雅の名前を呼んだ。
「イクー」
「…うるせぇよ」
ガチャリと鍵の開く音がして、ようやくドアが開いたかと思うと、ひどく不機嫌そうな顔をした郁雅が、コート片手に顔を覗かせた。
back next
- 関連記事
-
- 部屋でまったり (3) (2010/12/25)
- 部屋でまったり (2) (2010/12/24)
- 部屋でまったり (1) (2010/12/23)
- BL小説ランキング参加中です。クリックいただけたら嬉しいです。
- コメントや拍手、ありがとうございます。拍手の公開コメントへのお返事はこちらから。それ以外は、コメントをいただいた記事に返信いたします。
- お題配布サイト「明日」はひっそりまったり更新中です。毎日更新しない日誌「遊び心がない」もよろしくね。
カテゴリー:Baby Baby Baby Love
テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学