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部屋でまったり (1)
2010.12.23 Thu
出掛ける準備を整えて、さぁ家を出ようというところで、郁雅の携帯電話が音を立てた。
何てタイミングだと思いつつ、靴を履く途中だった郁雅は、片手でカバンの中を探りながら、もう片方の手で器用にドアチェーンを外す。
「………………、…はぁ?」
カバンの片隅から拾い上げた携帯電話を、これまた器用に片手で操作していた郁雅は、着信したメールを見て眉を寄せた。
『イクんち行くから、そのまま家で待ってて』
ご丁寧に、文末に家の絵文字まで入れて送られてきたメールは、蒼一郎からのもの。
これから家に行くというその内容に、郁雅は驚きとも呆れともつかない声を上げた後、それでもともう1度読み返してみても、やはり間違いはなかった。
「…………、…何で?」
今日は2人で映画を見に行く約束だ。
2人の住んでいる場所と映画館の位置から、途中の駅で待ち合わせをしているのに、蒼一郎が郁雅の家に来るというのは、一体どういうことだろう。
「何考えてんだ、アイツ」
映画館は、蒼一郎の住んでいる寮からのほうが近いから、駅での待ち合わせが無理なら、郁雅が寮に迎えに行ったほうが早いのに。
そうでないと、蒼一郎はいったん逆方向に来てしまうことになる。もしかしたら蒼一郎は、何か用事でもあって、郁雅の家の近くまで来ているのだろうか。
よくは分からないが、郁雅は勝手にそう結論付け、訝しみつつも了解のメールを送って靴を脱いだ。
エアコンを止めた室内は、あっという間に冷え切っている。
どうせ蒼一郎はすぐ来るだろうし、面倒くさいから、エアコンは点けないで、コートを着たままでいようか。
けれど中途半端に時間を持て余してしまって、仕方なしに携帯電話を弄ってみても、郁雅は必要なときにしかしない子だから、暇潰しにメールをする相手も思い付かない。
テレビを点けて、全部のチャンネルを回してみたが、全部つまらない。
実は意外と気が短い郁雅は、何だか待ち惚けを食ったような気になって、気付けばイライラと指先で本棚を叩いていた。
「あー…もうっ」
郁雅は一呼吸置いて、ベッドに腰掛ける。
読み掛けの本を手に取るけれど、全然集中できない。
だって気持ちがもう、外出モードだ。ソワソワしているわけではないけれど、家の中でのんびりしていようという気分にはならない。
「遅ぇな、アイツ…」
メールをした時点で、一体どこにいたのだろうか。
まさか寮を出ようとしていたところだったりして。
(……………………)
何となく嫌な予感がして、郁雅は先ほど受信したメールの時間を確認する。
「うっわ!」
予感的中。
寮から待ち合わせの駅まで行くのに掛かる時間を、メールの受信時間にプラスすれば、ちょうど待ち合わせの時間。
やはり蒼一郎は、寮を出ようとしたところで、先ほどのメールを送って来たのだ。
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何てタイミングだと思いつつ、靴を履く途中だった郁雅は、片手でカバンの中を探りながら、もう片方の手で器用にドアチェーンを外す。
「………………、…はぁ?」
カバンの片隅から拾い上げた携帯電話を、これまた器用に片手で操作していた郁雅は、着信したメールを見て眉を寄せた。
『イクんち行くから、そのまま家で待ってて』
ご丁寧に、文末に家の絵文字まで入れて送られてきたメールは、蒼一郎からのもの。
これから家に行くというその内容に、郁雅は驚きとも呆れともつかない声を上げた後、それでもともう1度読み返してみても、やはり間違いはなかった。
「…………、…何で?」
今日は2人で映画を見に行く約束だ。
2人の住んでいる場所と映画館の位置から、途中の駅で待ち合わせをしているのに、蒼一郎が郁雅の家に来るというのは、一体どういうことだろう。
「何考えてんだ、アイツ」
映画館は、蒼一郎の住んでいる寮からのほうが近いから、駅での待ち合わせが無理なら、郁雅が寮に迎えに行ったほうが早いのに。
そうでないと、蒼一郎はいったん逆方向に来てしまうことになる。もしかしたら蒼一郎は、何か用事でもあって、郁雅の家の近くまで来ているのだろうか。
よくは分からないが、郁雅は勝手にそう結論付け、訝しみつつも了解のメールを送って靴を脱いだ。
エアコンを止めた室内は、あっという間に冷え切っている。
どうせ蒼一郎はすぐ来るだろうし、面倒くさいから、エアコンは点けないで、コートを着たままでいようか。
けれど中途半端に時間を持て余してしまって、仕方なしに携帯電話を弄ってみても、郁雅は必要なときにしかしない子だから、暇潰しにメールをする相手も思い付かない。
テレビを点けて、全部のチャンネルを回してみたが、全部つまらない。
実は意外と気が短い郁雅は、何だか待ち惚けを食ったような気になって、気付けばイライラと指先で本棚を叩いていた。
「あー…もうっ」
郁雅は一呼吸置いて、ベッドに腰掛ける。
読み掛けの本を手に取るけれど、全然集中できない。
だって気持ちがもう、外出モードだ。ソワソワしているわけではないけれど、家の中でのんびりしていようという気分にはならない。
「遅ぇな、アイツ…」
メールをした時点で、一体どこにいたのだろうか。
まさか寮を出ようとしていたところだったりして。
(……………………)
何となく嫌な予感がして、郁雅は先ほど受信したメールの時間を確認する。
「うっわ!」
予感的中。
寮から待ち合わせの駅まで行くのに掛かる時間を、メールの受信時間にプラスすれば、ちょうど待ち合わせの時間。
やはり蒼一郎は、寮を出ようとしたところで、先ほどのメールを送って来たのだ。
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