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同意の返事 (2)
2010.12.22 Wed
睦月は部屋の電気を消して、自分のベッドに潜り込んだ――――が。
「ひぅっ…さむっ!」
冷え切った部屋。
冷たいふとん。
はっきり言って、何も安眠をもたらしてはくれない。
きっと我慢してふとんに入っているうちに暖かくなるだろうけど、風呂を出てからずっと寒い続きの睦月には、一瞬でも耐えられなくて、すぐにベッドから這い出た。
「うー…」
睦月は一瞬だけ考えて、今度は徐に、亮のベッドに忍び込んだ。
ぬくぬく。
すでに亮の体温で暖まっていたふとんの中は、程よい暖かさで心地よい。
「…ん…?」
勝手にベッドに入って、勝手に亮にくっ付いて睦月がぬくぬくしていると、熟睡していても違和感を覚えたのか、亮がもぞもぞと身じろぎ出した。
「え…? え? え、むっちゃん!?」
「亮、動くな…」
徹夜明けで1日眠くて、帰って来た後も、ご飯を作るのはちょっと無理…と、さっさと風呂に入って、ベッドに倒れた……というところまでは何となく覚えているのだが、次に目を開けたとき、どうして目の前に睦月が気持ちよさそうに寝ているのだろう。
「むっちゃん??」
「…ぁんだよ…?」
驚いた亮が恐る恐る声を掛ければ、せっかく眠くなってきたのに…と、不機嫌そうに睦月は片目を開けた。
「え、なん…どしたの、むっちゃん」
「寒いんだから、ジッとしてろ…」
重たいまぶたに耐えられず、目を閉じた睦月はムギュと亮にしがみ付く。
これ夢かな? それとも寝惚けてる? と亮は思うが、しかしピタッとくっ付いている睦月の体温はやけにリアルだ。
「んー…ぬくぬく…」
「あ、そう…?」
もしかして睦月は、亮のこと、湯たんぽか何かと間違えているんじゃないだろうか。
しかし確かに部屋の中は冷え切っていて、睦月でなくても、ぬくもりが欲しくなるのも無理はない。
「えっと、むっちゃん…?」
「…んだよ、ダメなのかよ」
再び眠りに落ちようとしたところで声を掛けられ、睦月の眉間にしわが寄る。
「亮、俺がここで寝たらダメなの?」
「ダメじゃないけど…」
「いい?」
「いい、です…」
半ば無理やりとはいえ、亮から同意の返事を貰った睦月は、嬉しそうに口元を緩めると、亮の胸に頬を付けて目を閉じた。
まったく何と言うあどけない寝顔。
そんな気持ちよさそうに寝息を立てられても。
(――――生殺し…)
徹夜明けで、寝不足で。
亮だって、1秒を惜しむくらい睡眠時間を確保したくて。
しかし腕の中、愛しい恋人に無防備な寝顔を晒されて、それでまったく何の気も起こさずに、のん気に寝ていられる間抜けな男がこの世にいるだろうか。
「んー…りょう…、寝…」
「…………、……はぁ…。おやすみ、むっちゃん」
仕方がない。
今日はそんな間抜けな男に成り下がって、朝までこのままくっ付いて眠ることにしよう。
*end*
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「ひぅっ…さむっ!」
冷え切った部屋。
冷たいふとん。
はっきり言って、何も安眠をもたらしてはくれない。
きっと我慢してふとんに入っているうちに暖かくなるだろうけど、風呂を出てからずっと寒い続きの睦月には、一瞬でも耐えられなくて、すぐにベッドから這い出た。
「うー…」
睦月は一瞬だけ考えて、今度は徐に、亮のベッドに忍び込んだ。
ぬくぬく。
すでに亮の体温で暖まっていたふとんの中は、程よい暖かさで心地よい。
「…ん…?」
勝手にベッドに入って、勝手に亮にくっ付いて睦月がぬくぬくしていると、熟睡していても違和感を覚えたのか、亮がもぞもぞと身じろぎ出した。
「え…? え? え、むっちゃん!?」
「亮、動くな…」
徹夜明けで1日眠くて、帰って来た後も、ご飯を作るのはちょっと無理…と、さっさと風呂に入って、ベッドに倒れた……というところまでは何となく覚えているのだが、次に目を開けたとき、どうして目の前に睦月が気持ちよさそうに寝ているのだろう。
「むっちゃん??」
「…ぁんだよ…?」
驚いた亮が恐る恐る声を掛ければ、せっかく眠くなってきたのに…と、不機嫌そうに睦月は片目を開けた。
「え、なん…どしたの、むっちゃん」
「寒いんだから、ジッとしてろ…」
重たいまぶたに耐えられず、目を閉じた睦月はムギュと亮にしがみ付く。
これ夢かな? それとも寝惚けてる? と亮は思うが、しかしピタッとくっ付いている睦月の体温はやけにリアルだ。
「んー…ぬくぬく…」
「あ、そう…?」
もしかして睦月は、亮のこと、湯たんぽか何かと間違えているんじゃないだろうか。
しかし確かに部屋の中は冷え切っていて、睦月でなくても、ぬくもりが欲しくなるのも無理はない。
「えっと、むっちゃん…?」
「…んだよ、ダメなのかよ」
再び眠りに落ちようとしたところで声を掛けられ、睦月の眉間にしわが寄る。
「亮、俺がここで寝たらダメなの?」
「ダメじゃないけど…」
「いい?」
「いい、です…」
半ば無理やりとはいえ、亮から同意の返事を貰った睦月は、嬉しそうに口元を緩めると、亮の胸に頬を付けて目を閉じた。
まったく何と言うあどけない寝顔。
そんな気持ちよさそうに寝息を立てられても。
(――――生殺し…)
徹夜明けで、寝不足で。
亮だって、1秒を惜しむくらい睡眠時間を確保したくて。
しかし腕の中、愛しい恋人に無防備な寝顔を晒されて、それでまったく何の気も起こさずに、のん気に寝ていられる間抜けな男がこの世にいるだろうか。
「んー…りょう…、寝…」
「…………、……はぁ…。おやすみ、むっちゃん」
仕方がない。
今日はそんな間抜けな男に成り下がって、朝までこのままくっ付いて眠ることにしよう。
*end*
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COMMENT-FORM
粟津原栗子 ⇒ が、
がんばれ亮くん!!(笑
しかしむっちゃん、同意の返事ってw
本当に強制的wwそんなことされたら誰だって頷いちゃうよ!!
寒い、っていう理由だけで(恋人とはいえ)他人の寝床にすっぽりもぐりこんじゃうんですから(しかも胸にほっぺたくっつけるとかそんな堂々と…ww)、夏場の暑さだと「(存在が)暑い」って言って部屋から追い出すくらいのことはしそうですね(笑
寮はねー、本当に寒いんですよー…
今はどうだか(建て直されたらしいので)、隣の部屋とはベニヤだったし、だからあったまらないし、廊下に暖房なんて完備されてないし。風呂場にも暖房がないので極寒の脱衣所。
…思い出して寒くなってきた。こたつこたつ!!
しかしむっちゃん、同意の返事ってw
本当に強制的wwそんなことされたら誰だって頷いちゃうよ!!
寒い、っていう理由だけで(恋人とはいえ)他人の寝床にすっぽりもぐりこんじゃうんですから(しかも胸にほっぺたくっつけるとかそんな堂々と…ww)、夏場の暑さだと「(存在が)暑い」って言って部屋から追い出すくらいのことはしそうですね(笑
寮はねー、本当に寒いんですよー…
今はどうだか(建て直されたらしいので)、隣の部屋とはベニヤだったし、だからあったまらないし、廊下に暖房なんて完備されてないし。風呂場にも暖房がないので極寒の脱衣所。
…思い出して寒くなってきた。こたつこたつ!!
- |2010.12.22
- |Wed
- |08:28
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >粟津原さん
亮タン、何かと不憫ですよね(苦笑)
でもむっちゃんとお付き合いするには、このくらいの心の広さがないと!
> 寒い、っていう理由だけで(恋人とはいえ)他人の寝床にすっぽりもぐりこんじゃうんですから(しかも胸にほっぺたくっつけるとかそんな堂々と…ww)、夏場の暑さだと「(存在が)暑い」って言って部屋から追い出すくらいのことはしそうですね(笑
ベッドが狭いから、冬は密着してぬくぬくだけど、夏は暑いから絶対に一緒には寝ないかと…。
亮タンが寄ってきても、暑いって蹴飛ばしそう(笑)
寮はやっぱ寒いんですね!!
夏暑くて、冬寒い…て感じでしょうか。
でもその分を、楽しさで補えてるのかな!?
コメントありがとうございました!
でもむっちゃんとお付き合いするには、このくらいの心の広さがないと!
> 寒い、っていう理由だけで(恋人とはいえ)他人の寝床にすっぽりもぐりこんじゃうんですから(しかも胸にほっぺたくっつけるとかそんな堂々と…ww)、夏場の暑さだと「(存在が)暑い」って言って部屋から追い出すくらいのことはしそうですね(笑
ベッドが狭いから、冬は密着してぬくぬくだけど、夏は暑いから絶対に一緒には寝ないかと…。
亮タンが寄ってきても、暑いって蹴飛ばしそう(笑)
寮はやっぱ寒いんですね!!
夏暑くて、冬寒い…て感じでしょうか。
でもその分を、楽しさで補えてるのかな!?
コメントありがとうございました!