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ふたりでひとつのマフラー (1)
2010.12.13 Mon
「これってさぁ、首苦しくないのかなぁ」
いつものカフェテリアに、相変わらずのメンバーで集合して、時間を潰していれば、雑誌を見ていた和衣が声を上げる。
隣でモグモグとお菓子を頬張っていた睦月が、「何?」と雑誌を覗き込んだ。
「コレ! 首、苦しそうじゃない?」
「んー?」
和衣が指さして訴えた写真では、男女のカップルが、2人で1つのマフラーをしている、いわゆるラブマフラーというヤツ。
確かにピタッと寄り添った感じはラブラブだが、2人で1つのマフラーなんて、苦しいのでは? しかも、写真を撮るのはジッとしているからいいけれど、実際にやったら、とっても動きにくそう…。
「……、ふぅん?」
「何むっちゃん、その反応」
「いや、別にー」
夢見がちで、ロマンチックな雰囲気大好きの和衣のことだから、こんなラブマフラー、やってみたい! と言い出すのかと思いきや、意外にも現実的なことを言ったので、睦月は少し驚いたのだ。
「マフラー長いし、平気なんじゃない?」
「そっかなぁ…」
そう言われても、和衣はまだピンと来ないのか、首を傾げている。
すると睦月はそんな和衣にクルリと背を向けて、反対側の隣に座っていた亮の背中をペチペチ叩いた。
「ねぇねぇ亮、マフラー貸して」
「ぅん? 何むっちゃん、寒いの?」
翔真と話していて、和衣と睦月のやり取りを少しも聞いていなかった亮は、急にマフラーを欲しがり出した睦月を不思議がる。
「寒くないけど。亮のマフラー、長くなかったっけ?」
「んー…長いかな? はい」
よく分からないが、とりあえず言われたとおり、睦月にマフラーを渡してやる。
何を始めるんだ? と、亮だけでなく和衣も祐介も翔真も、睦月のほうを見ていると、睦月は受け取った亮のマフラーを、なぜか和衣の首に巻いていく。
「カズちゃん、ちょっと首ちゃんとして」
「首、ちゃんと? んー? むっちゃん、何すんのー?」
「試したげる。ゆっちー、ちょっとこっち来て」
マフラーの端のほうを和衣の首に巻き付けた睦月は、向かいに座ってた祐介に手招きした。
祐介も、睦月が何をしたいのか全然分からなくて、言われるがままに、睦月のほうに行く。
「ここ座って?」
睦月はわざわざ自分の座っていた椅子を空けて、それを和衣の隣に動かすと、そこに祐介を座らせた。
ますます何がしたいのか、分からない。
亮と翔真も、神妙な表情で、顔を見合わせた。
「…ん、ゆっちも首ちゃんとして」
「は?」
「ちょっ…むっちゃん!?」
突然のことに、祐介と和衣は慌てた。
ムギュムギュと無理やり祐介の体を和衣のほうに近付けて、睦月はマフラーの反対側、長く残っていたほうの端を祐介の首に巻き始めたのだ。
睦月の言った『試す』とは、ラブマフラーの実践に他ならない。
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いつものカフェテリアに、相変わらずのメンバーで集合して、時間を潰していれば、雑誌を見ていた和衣が声を上げる。
隣でモグモグとお菓子を頬張っていた睦月が、「何?」と雑誌を覗き込んだ。
「コレ! 首、苦しそうじゃない?」
「んー?」
和衣が指さして訴えた写真では、男女のカップルが、2人で1つのマフラーをしている、いわゆるラブマフラーというヤツ。
確かにピタッと寄り添った感じはラブラブだが、2人で1つのマフラーなんて、苦しいのでは? しかも、写真を撮るのはジッとしているからいいけれど、実際にやったら、とっても動きにくそう…。
「……、ふぅん?」
「何むっちゃん、その反応」
「いや、別にー」
夢見がちで、ロマンチックな雰囲気大好きの和衣のことだから、こんなラブマフラー、やってみたい! と言い出すのかと思いきや、意外にも現実的なことを言ったので、睦月は少し驚いたのだ。
「マフラー長いし、平気なんじゃない?」
「そっかなぁ…」
そう言われても、和衣はまだピンと来ないのか、首を傾げている。
すると睦月はそんな和衣にクルリと背を向けて、反対側の隣に座っていた亮の背中をペチペチ叩いた。
「ねぇねぇ亮、マフラー貸して」
「ぅん? 何むっちゃん、寒いの?」
翔真と話していて、和衣と睦月のやり取りを少しも聞いていなかった亮は、急にマフラーを欲しがり出した睦月を不思議がる。
「寒くないけど。亮のマフラー、長くなかったっけ?」
「んー…長いかな? はい」
よく分からないが、とりあえず言われたとおり、睦月にマフラーを渡してやる。
何を始めるんだ? と、亮だけでなく和衣も祐介も翔真も、睦月のほうを見ていると、睦月は受け取った亮のマフラーを、なぜか和衣の首に巻いていく。
「カズちゃん、ちょっと首ちゃんとして」
「首、ちゃんと? んー? むっちゃん、何すんのー?」
「試したげる。ゆっちー、ちょっとこっち来て」
マフラーの端のほうを和衣の首に巻き付けた睦月は、向かいに座ってた祐介に手招きした。
祐介も、睦月が何をしたいのか全然分からなくて、言われるがままに、睦月のほうに行く。
「ここ座って?」
睦月はわざわざ自分の座っていた椅子を空けて、それを和衣の隣に動かすと、そこに祐介を座らせた。
ますます何がしたいのか、分からない。
亮と翔真も、神妙な表情で、顔を見合わせた。
「…ん、ゆっちも首ちゃんとして」
「は?」
「ちょっ…むっちゃん!?」
突然のことに、祐介と和衣は慌てた。
ムギュムギュと無理やり祐介の体を和衣のほうに近付けて、睦月はマフラーの反対側、長く残っていたほうの端を祐介の首に巻き始めたのだ。
睦月の言った『試す』とは、ラブマフラーの実践に他ならない。
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