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ふたりでひとつのマフラー (2)
2010.12.14 Tue
「バッ…おま、何す…」
「キャッ、ン、や、苦しっ」
「ぅわっ!? ゴメッ…」
睦月を怒ろうと祐介は立ち上がり掛けたが、そうすれば当然、1つのマフラーで繋がった和衣は勢いで引っ張られ、首をマフラーが締め付ける。
車のドアとか遊園地の遊具にマフラーの端を挟んで、首が締まってしまった…なんて恐ろしい事故が祐介の頭の中をよぎり、慌てて元の位置の戻った。
「ごごごゴメン! 和衣、大丈夫!?」
「…ん、へーき…」
いきなり首が締まったせいで、思わず涙が溢れてしまったが、喉を喘がせながら呼吸を整えている和衣は、「平気だよー」とキツくなったマフラーを、少しだけ緩めた。
そんな和衣より、明らかに祐介のほうがうろたえていて、椅子に座り直した後も、頬が触れるくらい近い位置にある和衣の顔に、あたふたしている。
「どう、カズちゃん。首苦しい?」
「えー?」
雑誌を見て『首苦しくないのかなぁ』と言い出した和衣に、結局のところどうなのかを判断させるためにラブマフラーを実践したのだけれど、しかし、たった今現在、首を締め上げられた和衣にそれを聞いても…。
「でもやっぱ、動きづらそーかも」
椅子から立ち上がるのも、2人でタイミングを合わせないことには、先ほどの和衣のように苦しい思いをしてしまうわけで。
動くにも動けず、大人しく並んで座っている和衣と祐介を興味深げに見ながら、翔真は言った。
「もうちょっとマフラーが長かったら、楽勝だよね」
「んー…まぁ」
確かにマフラーが長くなれば、少しは楽な体勢になれるかもしれないが、しかし相手の動きとタイミングを図らなければならないことに変わりはない。
それに長くして、楽に動けるようになるということは、密着度は少なくなるわけで…。
「やっぱ、こんくらいでいいんじゃない? ラブマフラーなんだし」
そもそもラブマフラーなんて、こんなふうに2人で1つのマフラーを巻いて、何かしようという発想はないのだろう。
要は2人でピットリくっ付いていられれば、それでいいのだ。
「…ま、俺のマフラーだけどね」
「あっ」
和衣と祐介が、2人で1つのマフラーをしてラブラブするのは構わないが、そのマフラーはもともと亮のものだ。それで勝手にいちゃつかないでほしい。
そう思って、亮がちょっとだけ皮肉って言ってやれば、珍しく和衣がその意味に気が付いたらしく、ハッとした顔になる。
……そこまではよかった。
「グエッ!」
「んぁっ! ッッッ、祐介、ゴメン!!」
焦った和衣がうっかり立ち上がろうとしたものだから、今度は祐介がそれに引っ張られる形になって、首を締め上げられてしまった。
和衣は慌てて座り直す。
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「キャッ、ン、や、苦しっ」
「ぅわっ!? ゴメッ…」
睦月を怒ろうと祐介は立ち上がり掛けたが、そうすれば当然、1つのマフラーで繋がった和衣は勢いで引っ張られ、首をマフラーが締め付ける。
車のドアとか遊園地の遊具にマフラーの端を挟んで、首が締まってしまった…なんて恐ろしい事故が祐介の頭の中をよぎり、慌てて元の位置の戻った。
「ごごごゴメン! 和衣、大丈夫!?」
「…ん、へーき…」
いきなり首が締まったせいで、思わず涙が溢れてしまったが、喉を喘がせながら呼吸を整えている和衣は、「平気だよー」とキツくなったマフラーを、少しだけ緩めた。
そんな和衣より、明らかに祐介のほうがうろたえていて、椅子に座り直した後も、頬が触れるくらい近い位置にある和衣の顔に、あたふたしている。
「どう、カズちゃん。首苦しい?」
「えー?」
雑誌を見て『首苦しくないのかなぁ』と言い出した和衣に、結局のところどうなのかを判断させるためにラブマフラーを実践したのだけれど、しかし、たった今現在、首を締め上げられた和衣にそれを聞いても…。
「でもやっぱ、動きづらそーかも」
椅子から立ち上がるのも、2人でタイミングを合わせないことには、先ほどの和衣のように苦しい思いをしてしまうわけで。
動くにも動けず、大人しく並んで座っている和衣と祐介を興味深げに見ながら、翔真は言った。
「もうちょっとマフラーが長かったら、楽勝だよね」
「んー…まぁ」
確かにマフラーが長くなれば、少しは楽な体勢になれるかもしれないが、しかし相手の動きとタイミングを図らなければならないことに変わりはない。
それに長くして、楽に動けるようになるということは、密着度は少なくなるわけで…。
「やっぱ、こんくらいでいいんじゃない? ラブマフラーなんだし」
そもそもラブマフラーなんて、こんなふうに2人で1つのマフラーを巻いて、何かしようという発想はないのだろう。
要は2人でピットリくっ付いていられれば、それでいいのだ。
「…ま、俺のマフラーだけどね」
「あっ」
和衣と祐介が、2人で1つのマフラーをしてラブラブするのは構わないが、そのマフラーはもともと亮のものだ。それで勝手にいちゃつかないでほしい。
そう思って、亮がちょっとだけ皮肉って言ってやれば、珍しく和衣がその意味に気が付いたらしく、ハッとした顔になる。
……そこまではよかった。
「グエッ!」
「んぁっ! ッッッ、祐介、ゴメン!!」
焦った和衣がうっかり立ち上がろうとしたものだから、今度は祐介がそれに引っ張られる形になって、首を締め上げられてしまった。
和衣は慌てて座り直す。
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