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世界はやさしい (22)
2010.12.09 Thu
「俺だってむっちゃんと手繋いじゃったのに、何で亮のこと責める気持ちがあるんだろ、て思うとね、何かもう…」
自分勝手すぎるー、と和衣はまた自己嫌悪に陥ってしまった。
それに、睦月は全然平気そうだけれど、もしあのときの亮の立場が祐介だったら…と考えたら、和衣はとても冷静ではいられないと思う。
「俺、こんな嫉妬深い子で……ちょーーーーっっ鬱陶しいよね…」
「え、何で?」
昨日からのことを話し終えた途端、和衣はものすごい勢いで落ち込んでしまって、祐介にしたら、一体どの辺りのことでここまで落ち込む必要が? とキョトンとしてしまう。
和衣に言われるまでもなく、祐介は和衣の嫉妬深さに気付いているが、今までにそれによって嫌な思いをしたことは1度もないし、どちらかと言えば嬉しいくらいなんだけれど。
それに、その嫉妬深さを何とか改善しようと、密かに必死になっている和衣は、とってもかわいいと思う("密かに"と思っているのは和衣だけで、祐介はもちろん気付いているが)。
「俺さ、今まで和衣に、鬱陶しいとか言ったことある?」
「…………、…ない」
「俺は、和衣のそういうトコも含めてみんな、和衣の全部を好きになったんだけど」
祐介の両手が、今度は和衣の頬を包んだ。
「だって、何か…」
それは分かっているし、分かっているんだけれど。
頭では理解できても、なぜか納得していない心。ジレンマ。
「つか、そんなこと言ったら俺だって、和衣と手繋ぎやがって~て睦月にちょっと嫉妬してる」
「そっ…それはむっちゃんがフラフラしてて危なくて…」
「分かってるよ。でもそんな些細なことに嫉妬すんのは、和衣だけじゃない、てこと。睦月が危なっかしかったからそうしてくれたって分かってるし、ちゃんとしてくれてありがとうなんだけど、でも何かヤダなーて、和衣が感じてるみたいに、俺もそう思うわけ」
和衣だけが嫉妬深くて、おかしいんじゃなくて、そういうことなら祐介だって同じように感じているし、思っている。
恋する人なら、当たり前の感情。
「だってむっちゃん、全然気になんない、て言うし…」
「そりゃ、人によって感じ方はいろいろだし。だから、和衣だけが特別変な子なわけじゃないの」
分かった? て問われて、和衣は頬を包まれたまま、コクリと頷いた。
夕べの亮も、先ほどの睦月も、きっとこういうことを言いたかったんだろうけど、完全に心まで納得させることが出来ないでいたのに、祐介に言われたら、すっと心の奥まで沁み込んできて、素直に理解できる。
好きな人の言葉だから?
魔法みたい。
「ゆぅ…ん」
何だかもう祐介の言葉を聞いているだけでうっとりしていた和衣は、近付いてきた祐介の顔に目を瞑るのを忘れてしまったが、そのままキスを受け入れた。
(祐介、かっこいぃー…)
もう多分、何千回、何万回と思ったことを思っていると、幸せな気持ちが体中を満たしていく。
好き。大好き。
back next
自分勝手すぎるー、と和衣はまた自己嫌悪に陥ってしまった。
それに、睦月は全然平気そうだけれど、もしあのときの亮の立場が祐介だったら…と考えたら、和衣はとても冷静ではいられないと思う。
「俺、こんな嫉妬深い子で……ちょーーーーっっ鬱陶しいよね…」
「え、何で?」
昨日からのことを話し終えた途端、和衣はものすごい勢いで落ち込んでしまって、祐介にしたら、一体どの辺りのことでここまで落ち込む必要が? とキョトンとしてしまう。
和衣に言われるまでもなく、祐介は和衣の嫉妬深さに気付いているが、今までにそれによって嫌な思いをしたことは1度もないし、どちらかと言えば嬉しいくらいなんだけれど。
それに、その嫉妬深さを何とか改善しようと、密かに必死になっている和衣は、とってもかわいいと思う("密かに"と思っているのは和衣だけで、祐介はもちろん気付いているが)。
「俺さ、今まで和衣に、鬱陶しいとか言ったことある?」
「…………、…ない」
「俺は、和衣のそういうトコも含めてみんな、和衣の全部を好きになったんだけど」
祐介の両手が、今度は和衣の頬を包んだ。
「だって、何か…」
それは分かっているし、分かっているんだけれど。
頭では理解できても、なぜか納得していない心。ジレンマ。
「つか、そんなこと言ったら俺だって、和衣と手繋ぎやがって~て睦月にちょっと嫉妬してる」
「そっ…それはむっちゃんがフラフラしてて危なくて…」
「分かってるよ。でもそんな些細なことに嫉妬すんのは、和衣だけじゃない、てこと。睦月が危なっかしかったからそうしてくれたって分かってるし、ちゃんとしてくれてありがとうなんだけど、でも何かヤダなーて、和衣が感じてるみたいに、俺もそう思うわけ」
和衣だけが嫉妬深くて、おかしいんじゃなくて、そういうことなら祐介だって同じように感じているし、思っている。
恋する人なら、当たり前の感情。
「だってむっちゃん、全然気になんない、て言うし…」
「そりゃ、人によって感じ方はいろいろだし。だから、和衣だけが特別変な子なわけじゃないの」
分かった? て問われて、和衣は頬を包まれたまま、コクリと頷いた。
夕べの亮も、先ほどの睦月も、きっとこういうことを言いたかったんだろうけど、完全に心まで納得させることが出来ないでいたのに、祐介に言われたら、すっと心の奥まで沁み込んできて、素直に理解できる。
好きな人の言葉だから?
魔法みたい。
「ゆぅ…ん」
何だかもう祐介の言葉を聞いているだけでうっとりしていた和衣は、近付いてきた祐介の顔に目を瞑るのを忘れてしまったが、そのままキスを受け入れた。
(祐介、かっこいぃー…)
もう多分、何千回、何万回と思ったことを思っていると、幸せな気持ちが体中を満たしていく。
好き。大好き。
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柚子季 杏 ⇒
あ~~やっぱゆっちさん、懐深いなぁ~~~。
いい男だよぉ~~゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
大らかで穏やかで、でも歳相応の若者らしい感情も持っていて……いいわ~カズちゃんじゃないですが……ゆっち、好きだ~~!!
にしても、カズちゃんは本当、ゆっちさんじゃなきゃ無理ですね(笑)
いい男だよぉ~~゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜
大らかで穏やかで、でも歳相応の若者らしい感情も持っていて……いいわ~カズちゃんじゃないですが……ゆっち、好きだ~~!!
にしても、カズちゃんは本当、ゆっちさんじゃなきゃ無理ですね(笑)
如月久美子 ⇒ >拍手コメ→sさん
こんにちは。
一見するとカズちゃん、ホント面倒くさい子…て感じなんですが、sさんのおっしゃるとおり、人の悲しみとか心の痛みとかが人一倍分かる子なんですよね。
人の幸せは自分の幸せ、人が悲しいことは自分も悲しい…て素直に思える子なんです。
面倒くさいかもですが、こんな子がそばにいたら、優しい気持ちになれるんじゃないかなぁ…と私も思ってます。
でも、何よりゆっちさんが、ちゃんとカズちゃんのことを理解してくれてるのが、一番ですよね(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!
一見するとカズちゃん、ホント面倒くさい子…て感じなんですが、sさんのおっしゃるとおり、人の悲しみとか心の痛みとかが人一倍分かる子なんですよね。
人の幸せは自分の幸せ、人が悲しいことは自分も悲しい…て素直に思える子なんです。
面倒くさいかもですが、こんな子がそばにいたら、優しい気持ちになれるんじゃないかなぁ…と私も思ってます。
でも、何よりゆっちさんが、ちゃんとカズちゃんのことを理解してくれてるのが、一番ですよね(*^_^*)
拍手&コメントありがとうございました!
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
長年むっちゃんの世話を焼いてきただけあって、ゆっちさん、手の掛かる子が好きなんでしょうね。
カズちゃんのこと、全然面倒くさいとか思ってないと思います。
二十歳にしては出来過ぎかな? (笑)
ゆっちさんへの愛の叫び、ありがとうございます(*^_^*)
でも、カズちゃんがまたヤキモチ妬いちゃうかしら(笑)?
ホント、カズちゃんは、ゆっちさんじゃないとダメでしょうね(^_^;)
コメントありがとうございました!
カズちゃんのこと、全然面倒くさいとか思ってないと思います。
二十歳にしては出来過ぎかな? (笑)
ゆっちさんへの愛の叫び、ありがとうございます(*^_^*)
でも、カズちゃんがまたヤキモチ妬いちゃうかしら(笑)?
ホント、カズちゃんは、ゆっちさんじゃないとダメでしょうね(^_^;)
コメントありがとうございました!