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世界はやさしい (23)
2010.12.10 Fri
「ゆぅ…好…」
――――きゅるるるる~。
「……………………」
「……………………」
………………え?
「………………」
「……あ…、ぅ…ッ…」
「ぶっ…」
甘い甘い雰囲気にはまるでそぐわない間抜けな音に、唇を離して、2人して「え?」て見つめ合った。
2人のキスを中断させた、その音の正体に、先に気付いたのは和衣で、途端に顔を真っ赤にさせたが、祐介も申し訳ないとは思ったが、分かった途端に思わず吹き出してしまった。
「だって、だってっ!」
「あははっ、和衣、ご飯まだなんだっけ?」
「あぅ…あぅー…」
音を立てたのは、和衣の腹の虫。
祐介に甘えていてすっかり忘れていたが、そういえばご飯を食べていなくて、お腹が空いていたのだ。
和衣的には、祐介の気持ちを受け入れて、もうお腹いっぱい、胸いっぱいーて感じだったけれど、お腹の虫くん的には、少しも満足していなかったみたい。
「ご飯、食べよっか」
「…ぅん。あ、でも祐介はもう食べたんだよね? じゃあえっと…」
自分だけが食べるなら、簡単なもので済まそう、そういえば食パンが残っていたような…
「え、でももう12時過ぎてるし、俺も昼食うよ?」
「えっ!? もうそんな時間なの!?」
まだ朝なのだとばかり思っていたが、よく考えたら、起きた時間だって早くはなかったうえに、風呂まで入りに行っているのだ。
12時を過ぎていたって、何の不思議もない。
「食べに行く? あ、でも洗濯機終わんないとダメか」
「うん…。俺、作るよ。祐介、何がいい?」
料理は、すごくとっても上手、とまではいかないが、祐介においしいものを食べてもらいたい一心で、和衣は結構料理の練習をしているのだ。
名残惜しいけれど、祐介の腕の中から抜け出し、和衣は冷蔵庫の扉を開ける。
洗濯機は同室者くんの意見が通ってしまったが、冷蔵庫の買い替えのときは、和衣が「絶対絶対ぜぇーったい、これじゃなきゃヤダ!」とこだわりを発揮して、小さいながらも高性能のものを買ったのだ。
「すぐ作るから、待っててね」
そんなことを言いながら狭いキッチンに立つ和衣は、(何か新婚さんみたい!)と、乙女思考全開の幸せに浸る。
手っ取り早く出来るメニュー……と、選んだのはオムライス。今まで和衣はオムライスで失敗したことはない。
いつか、こんな狭い寮の一室じゃなくて、同室者が帰って来るのを気にするんじゃなくて、祐介と一緒にこんなふうに過ごしたいな。
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――――きゅるるるる~。
「……………………」
「……………………」
………………え?
「………………」
「……あ…、ぅ…ッ…」
「ぶっ…」
甘い甘い雰囲気にはまるでそぐわない間抜けな音に、唇を離して、2人して「え?」て見つめ合った。
2人のキスを中断させた、その音の正体に、先に気付いたのは和衣で、途端に顔を真っ赤にさせたが、祐介も申し訳ないとは思ったが、分かった途端に思わず吹き出してしまった。
「だって、だってっ!」
「あははっ、和衣、ご飯まだなんだっけ?」
「あぅ…あぅー…」
音を立てたのは、和衣の腹の虫。
祐介に甘えていてすっかり忘れていたが、そういえばご飯を食べていなくて、お腹が空いていたのだ。
和衣的には、祐介の気持ちを受け入れて、もうお腹いっぱい、胸いっぱいーて感じだったけれど、お腹の虫くん的には、少しも満足していなかったみたい。
「ご飯、食べよっか」
「…ぅん。あ、でも祐介はもう食べたんだよね? じゃあえっと…」
自分だけが食べるなら、簡単なもので済まそう、そういえば食パンが残っていたような…
「え、でももう12時過ぎてるし、俺も昼食うよ?」
「えっ!? もうそんな時間なの!?」
まだ朝なのだとばかり思っていたが、よく考えたら、起きた時間だって早くはなかったうえに、風呂まで入りに行っているのだ。
12時を過ぎていたって、何の不思議もない。
「食べに行く? あ、でも洗濯機終わんないとダメか」
「うん…。俺、作るよ。祐介、何がいい?」
料理は、すごくとっても上手、とまではいかないが、祐介においしいものを食べてもらいたい一心で、和衣は結構料理の練習をしているのだ。
名残惜しいけれど、祐介の腕の中から抜け出し、和衣は冷蔵庫の扉を開ける。
洗濯機は同室者くんの意見が通ってしまったが、冷蔵庫の買い替えのときは、和衣が「絶対絶対ぜぇーったい、これじゃなきゃヤダ!」とこだわりを発揮して、小さいながらも高性能のものを買ったのだ。
「すぐ作るから、待っててね」
そんなことを言いながら狭いキッチンに立つ和衣は、(何か新婚さんみたい!)と、乙女思考全開の幸せに浸る。
手っ取り早く出来るメニュー……と、選んだのはオムライス。今まで和衣はオムライスで失敗したことはない。
いつか、こんな狭い寮の一室じゃなくて、同室者が帰って来るのを気にするんじゃなくて、祐介と一緒にこんなふうに過ごしたいな。
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒
この2人はホッコリさせてくれるカプですよね。
お互い思いやってるというか。カズくんの一所懸命なとことか、それを全部知ってる祐介くんとか。
嫉妬はしますよね、やっぱw
カズくんはすぐバレそうーだけど祐介くんはバレなさそーですよね。カモフラージュが上手いというか、でも意図はなくふつうなんでしょーけどね。
むっちゃんとカズくんの仲良さげを、嬉しい反面ずっと気になってた祐介くんの本心を、カズくんは全く知らなかったってのもカズくんらしいなwそういうとこひっくるめて、祐介くんは好きなんですよね。
お互い思いやってるというか。カズくんの一所懸命なとことか、それを全部知ってる祐介くんとか。
嫉妬はしますよね、やっぱw
カズくんはすぐバレそうーだけど祐介くんはバレなさそーですよね。カモフラージュが上手いというか、でも意図はなくふつうなんでしょーけどね。
むっちゃんとカズくんの仲良さげを、嬉しい反面ずっと気になってた祐介くんの本心を、カズくんは全く知らなかったってのもカズくんらしいなwそういうとこひっくるめて、祐介くんは好きなんですよね。
- |2010.12.11
- |Sat
- |01:09
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
カズちゃんは面倒くさい子だけれど(…)、一生懸命で優しい子なので、本当にいい子だなぁと思います。
そりゃゆっちさんもメロメロになるわけです(笑)
確かにゆっちさんは、嫉妬してるとかそういうの、バレなそうですよね。
隠してるわけでもないんだけど、なかなかバレない。
でもむっちゃんは密かに気付いてるとかだったらいいな(笑)
コメントありがとうございました!
そりゃゆっちさんもメロメロになるわけです(笑)
確かにゆっちさんは、嫉妬してるとかそういうの、バレなそうですよね。
隠してるわけでもないんだけど、なかなかバレない。
でもむっちゃんは密かに気付いてるとかだったらいいな(笑)
コメントありがとうございました!