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世界はやさしい (20)
2010.12.07 Tue
大体和衣は大学に入るまで、制服以外は野球のユニフォームかジャージというのが定番スタイルで、デートのときは亮と翔真にコーディネイトをお願いしていたくらいオシャレには縁遠い子だったので、洗濯に気を遣うという発想がなく、こんな最新型の洗濯機も別に欲してはいなかった。
というか、安く上げるためにリサイクルショップとかで型遅れのものを買ってもよかったのに、同室者は今までの洗濯機に相当の不満があったらしく、壊れた途端、これ幸いと最新型の洗濯機の購入を決めてしまったのだ。
2人で大手の家電量販店に足を運んだ際、和衣的には出来るだけ操作の簡単なものを探していたのに、同室者のこだわりで、この洗濯機が選ばれてしまった。
ボタンいっぱいー、イヤー、と和衣がぼやいたら、特別な素材でない限り、スタートボタンを押せばいいだけだから、と教えられ、実際に操作してみたら、確かにそんなに難しくなかった。
「なのに何で動かないの…?」
新しい洗濯機になってから、和衣1人のときだって、何度か洗濯はしたことがあって、そのときは全然悩まなかったのに、どうして今日はうまくいかないんだろう。
祐介に、洗濯も1人で出来ない子なのかと思われたくない…。
「ねぇねぇ和衣、電源入れた?」
「はぇ?」
「電源入ってなくね?」
「あ、あれ?」
大きめのスタートボタンの横に、電源の「入」「切」のボタンがある。
そういえば、洗濯物を放り込んでから、素直にスタートボタンしか押していなかったような…。
「あ、あ、そっか…」
ものすごく単純なところで躓いていた自分に恥ずかしくなり、和衣は今度こそスタートボタンを押すと、テキパキと洗剤を入れて洗濯を開始した。
「いっ…いつもはね、1人でだって洗濯くらい出来るんだよっ?」
「分かってるよ。つか、柔軟剤とかある…。俺、そこまでしないよ?」
誰も何も責めていないのに、恥ずかしくて1人で言い訳をする和衣に、祐介は苦笑する。
肝心の電源を入れていないことに気付いていない天然さには、申し訳ないけれど、ちょっと笑ってしまったが。
「それはアイツのー。俺、柔軟剤とか、どのタイミングで入れたらいいのか分かんないんだけど」
どうしてそんなに洗濯の鬼? と思うほど、和衣にしたら、同室者の彼は洗濯にこだわっているような気がする。
でも洗濯機を回すのが自分でないときは、恐らく柔軟剤を使ってくれているのだろう、洗濯物はふわふわだし、いい匂いがするから、全然悪い気はしない。
「和衣、ご飯食べた?」
「まだー」
そうだ。ご飯も食べなきゃだし、頭も乾かさないとだし、でも…。
「和衣? ――――おっと…」
部屋の中に他に人はいないはずだが、念のため和衣は同室者の使っているベッドのふとんをはぐって、本当に誰もいないかを確認すると、一体何を始めたんだ? と訝しそうにしている祐介のところに戻って来て、キュウと祐介に抱き付いた。
でも今は、何をするより先に、祐介を補給したい。
昨日からいろいろと(1人で勝手に)考え過ぎていたせいで、何だかヘトヘトだ。
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というか、安く上げるためにリサイクルショップとかで型遅れのものを買ってもよかったのに、同室者は今までの洗濯機に相当の不満があったらしく、壊れた途端、これ幸いと最新型の洗濯機の購入を決めてしまったのだ。
2人で大手の家電量販店に足を運んだ際、和衣的には出来るだけ操作の簡単なものを探していたのに、同室者のこだわりで、この洗濯機が選ばれてしまった。
ボタンいっぱいー、イヤー、と和衣がぼやいたら、特別な素材でない限り、スタートボタンを押せばいいだけだから、と教えられ、実際に操作してみたら、確かにそんなに難しくなかった。
「なのに何で動かないの…?」
新しい洗濯機になってから、和衣1人のときだって、何度か洗濯はしたことがあって、そのときは全然悩まなかったのに、どうして今日はうまくいかないんだろう。
祐介に、洗濯も1人で出来ない子なのかと思われたくない…。
「ねぇねぇ和衣、電源入れた?」
「はぇ?」
「電源入ってなくね?」
「あ、あれ?」
大きめのスタートボタンの横に、電源の「入」「切」のボタンがある。
そういえば、洗濯物を放り込んでから、素直にスタートボタンしか押していなかったような…。
「あ、あ、そっか…」
ものすごく単純なところで躓いていた自分に恥ずかしくなり、和衣は今度こそスタートボタンを押すと、テキパキと洗剤を入れて洗濯を開始した。
「いっ…いつもはね、1人でだって洗濯くらい出来るんだよっ?」
「分かってるよ。つか、柔軟剤とかある…。俺、そこまでしないよ?」
誰も何も責めていないのに、恥ずかしくて1人で言い訳をする和衣に、祐介は苦笑する。
肝心の電源を入れていないことに気付いていない天然さには、申し訳ないけれど、ちょっと笑ってしまったが。
「それはアイツのー。俺、柔軟剤とか、どのタイミングで入れたらいいのか分かんないんだけど」
どうしてそんなに洗濯の鬼? と思うほど、和衣にしたら、同室者の彼は洗濯にこだわっているような気がする。
でも洗濯機を回すのが自分でないときは、恐らく柔軟剤を使ってくれているのだろう、洗濯物はふわふわだし、いい匂いがするから、全然悪い気はしない。
「和衣、ご飯食べた?」
「まだー」
そうだ。ご飯も食べなきゃだし、頭も乾かさないとだし、でも…。
「和衣? ――――おっと…」
部屋の中に他に人はいないはずだが、念のため和衣は同室者の使っているベッドのふとんをはぐって、本当に誰もいないかを確認すると、一体何を始めたんだ? と訝しそうにしている祐介のところに戻って来て、キュウと祐介に抱き付いた。
でも今は、何をするより先に、祐介を補給したい。
昨日からいろいろと(1人で勝手に)考え過ぎていたせいで、何だかヘトヘトだ。
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