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世界はやさしい (16)
2010.12.03 Fri
「…てかカズちゃん、いい加減、体洗いなよ。俺もう上がるよ?」
「うぇ!? あれ!? 何で!?」
気が付けば睦月はもう、頭も体も顔もみんな洗い終わって、上がるばかりになっている。
和衣と違って、喋っている間もちゃんと手を動かしていたからだ。
「ちょっ…待ってよ、むっちゃん」
「待つから早くして」
シャワーだけで、湯船に浸かるのと違って逆上せないから、待てと言うならいくらでも待つけれど、そんなに気の長いほうではない睦月は、本当は人を待つのは苦手だ。
だから上がって脱衣所で待っていようと思ったのに、和衣に「行かないで!」と引き止められてしまい、仕方なく和衣の隣に座り直した。
(…何でカズちゃんが一生懸命体を洗っている姿を、こんなマジマジと見るはめに…)
もちろん、マジマジと見る必要もないのだが、頭も体も洗い終わったし、他にすることもないから仕方ない。
和衣に話し掛ければ、きっとまた手が止まってしまうだろうから、やめておく。
「よし、終わった! むっちゃん、終わったよ!」
「はいはい」
別にそんな報告いらないし、と睦月はあっさり和衣をかわして立ち上がる。
シャワーだけなのに、湯冷めしそう。
*****
「むっちゃん、頭乾かさないでくの?」
脱衣場で、さっさと服を着替えた睦月が、頭もロクに拭かないままで出ていこうとするから、ドライヤーのスイッチを入れようとしていた和衣が首を傾げた。
「お腹空いたの」
「だから? 頭乾かすより先にご飯、てこと?」
「そう」
よくよく考えたらとんでもない理屈だが、単純な和衣は、「そっかぁ、俺もお腹空いてる」と、髪を乾かさないうちにドライヤーを置き、睦月を追って脱衣所を出た。
「カズちゃんも一緒にご飯食べる?」
「亮のご飯?」
「うん」
「むっちゃん、全然ご飯作んないの?」
「作んないの」
ごくたまーに亮を手伝うこともあるが、そのときも最終的に亮からは「危ないからやっぱ座ってて!」か、「お皿落とさないように、ゆぅ~っくり運んでね!」くらいしか言われたことはないし、その言葉に見合った仕事しかしたことはない。
そんな調子だから、料理の腕が上がるなんてことも、もちろんない。
「どうする? カズちゃん」
「んー…やっぱやめとく。荷物だけ取りに行くね?」
別に亮の料理の腕を信じていないわけではないが、睦月と並んで亮の手料理を食べるのは、何だか恥ずかしい。
携帯電話とか、昨日着ていた服だとかが置きっ放しになっているので、それは取りに行くとして、ご飯は自分の部屋で食べることにする。
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「うぇ!? あれ!? 何で!?」
気が付けば睦月はもう、頭も体も顔もみんな洗い終わって、上がるばかりになっている。
和衣と違って、喋っている間もちゃんと手を動かしていたからだ。
「ちょっ…待ってよ、むっちゃん」
「待つから早くして」
シャワーだけで、湯船に浸かるのと違って逆上せないから、待てと言うならいくらでも待つけれど、そんなに気の長いほうではない睦月は、本当は人を待つのは苦手だ。
だから上がって脱衣所で待っていようと思ったのに、和衣に「行かないで!」と引き止められてしまい、仕方なく和衣の隣に座り直した。
(…何でカズちゃんが一生懸命体を洗っている姿を、こんなマジマジと見るはめに…)
もちろん、マジマジと見る必要もないのだが、頭も体も洗い終わったし、他にすることもないから仕方ない。
和衣に話し掛ければ、きっとまた手が止まってしまうだろうから、やめておく。
「よし、終わった! むっちゃん、終わったよ!」
「はいはい」
別にそんな報告いらないし、と睦月はあっさり和衣をかわして立ち上がる。
シャワーだけなのに、湯冷めしそう。
*****
「むっちゃん、頭乾かさないでくの?」
脱衣場で、さっさと服を着替えた睦月が、頭もロクに拭かないままで出ていこうとするから、ドライヤーのスイッチを入れようとしていた和衣が首を傾げた。
「お腹空いたの」
「だから? 頭乾かすより先にご飯、てこと?」
「そう」
よくよく考えたらとんでもない理屈だが、単純な和衣は、「そっかぁ、俺もお腹空いてる」と、髪を乾かさないうちにドライヤーを置き、睦月を追って脱衣所を出た。
「カズちゃんも一緒にご飯食べる?」
「亮のご飯?」
「うん」
「むっちゃん、全然ご飯作んないの?」
「作んないの」
ごくたまーに亮を手伝うこともあるが、そのときも最終的に亮からは「危ないからやっぱ座ってて!」か、「お皿落とさないように、ゆぅ~っくり運んでね!」くらいしか言われたことはないし、その言葉に見合った仕事しかしたことはない。
そんな調子だから、料理の腕が上がるなんてことも、もちろんない。
「どうする? カズちゃん」
「んー…やっぱやめとく。荷物だけ取りに行くね?」
別に亮の料理の腕を信じていないわけではないが、睦月と並んで亮の手料理を食べるのは、何だか恥ずかしい。
携帯電話とか、昨日着ていた服だとかが置きっ放しになっているので、それは取りに行くとして、ご飯は自分の部屋で食べることにする。
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