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世界はやさしい (15)
2010.12.02 Thu
「しょうがないじゃん。カズちゃんが嫉妬深いのは、今に始まったことじゃないでしょー?」
「嫉妬…」
それを言われると、和衣には返す言葉がない。
もうとっくの昔から自覚はしているが、和衣の嫉妬深さは一向に直る気配がない。もちろん祐介のことは、誰よりも一番信用しているけれど。
「でもね、亮が女の子に腕組まれてたのもそぉだけど、けど俺、むっちゃんと手繋いじゃったしさ。なのに、亮のことばっか気にすんの、アレだな、て」
「カズちゃん、俺と手繋いだの? 何で?」
昨日、和衣と一緒に帰ったことは何となく覚えているものの、手を繋いだ記憶なんてない。
別に手を繋ぐくらいどうでもいいけれど、何で和衣と手なんか繋いだんだろうか。
「だってむっちゃん、フラフラしてて、危なっかしかったんだもん」
「そうなの? 俺、そんなだった? おっかしぃなぁ、気を付けてたのに」
「全然気を付けられてなかったよ」
あれの一体何を気を付けていたというのか、と聞きたくなるくらい、昨日の睦月は酔っ払っていたのだが。
その辺の記憶がどうやらないらしい睦月は、「そうかなぁ」なんて首を傾げている。
「でもカズちゃん、そういうことで手繋いだんでしょ? なら別にいいじゃん。何気にしてんの?」
「だって…」
それは昨日寝る前に、亮にも言われた。
和衣だって、変な意味で睦月と手を繋いだわけではないし、そんなこと、誰も責めないだろうことは分かっているけれど。
「…カズちゃん」
「――――…ん? 何…………ぷはっ!」
タオルを握ったまま考え込んでしまっていた和衣は、睦月に名前を呼ばれて顔を上げた――――途端、顔面に思い切りお湯が掛けられた。
もちろん睦月の仕業だ。
「ちょっ、むっちゃん何すんの!?」
睦月が、自分の体を流していたシャワーを、和衣の顔面めがけて掛けたのだ。突然のことに、よけられなかった和衣は、まともにお湯をくらってしまった。
もともと風呂場で、顔も体もビチョビチョだったからいいけれど、それにしたってひどい仕打ちだ。
「カズちゃん、いろいろ気にしすぎ。俺も亮も気にしてないんだから、カズちゃんが気にすることないの」
「そぉだけどぉ…」
というかむしろ、聞くところによれば、睦月は相当酔っていたようだから、何もせずに1人で歩かせて何かあったら、そっちのほうが恨みたい。
和衣の行動は別に何も悪くないし、本人たちも何も気にしていないのだから、和衣1人で何をそんなに悩んでいるのやら。
「はぁ…。俺、いろいろ気にしすぎだよね。どうしたら俺、むっちゃんみたいに何も気になんなくなるかなぁ」
「いやいや、それって俺が痛点ない並みに鈍感みたいじゃん」
サラッと何の悪気もなく毒を吐いた和衣に、睦月はもう1回シャワーをぶっ掛けてやろうかと思ったが、和衣が本気で落ち込んでいるようなのでやめておいた。
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「嫉妬…」
それを言われると、和衣には返す言葉がない。
もうとっくの昔から自覚はしているが、和衣の嫉妬深さは一向に直る気配がない。もちろん祐介のことは、誰よりも一番信用しているけれど。
「でもね、亮が女の子に腕組まれてたのもそぉだけど、けど俺、むっちゃんと手繋いじゃったしさ。なのに、亮のことばっか気にすんの、アレだな、て」
「カズちゃん、俺と手繋いだの? 何で?」
昨日、和衣と一緒に帰ったことは何となく覚えているものの、手を繋いだ記憶なんてない。
別に手を繋ぐくらいどうでもいいけれど、何で和衣と手なんか繋いだんだろうか。
「だってむっちゃん、フラフラしてて、危なっかしかったんだもん」
「そうなの? 俺、そんなだった? おっかしぃなぁ、気を付けてたのに」
「全然気を付けられてなかったよ」
あれの一体何を気を付けていたというのか、と聞きたくなるくらい、昨日の睦月は酔っ払っていたのだが。
その辺の記憶がどうやらないらしい睦月は、「そうかなぁ」なんて首を傾げている。
「でもカズちゃん、そういうことで手繋いだんでしょ? なら別にいいじゃん。何気にしてんの?」
「だって…」
それは昨日寝る前に、亮にも言われた。
和衣だって、変な意味で睦月と手を繋いだわけではないし、そんなこと、誰も責めないだろうことは分かっているけれど。
「…カズちゃん」
「――――…ん? 何…………ぷはっ!」
タオルを握ったまま考え込んでしまっていた和衣は、睦月に名前を呼ばれて顔を上げた――――途端、顔面に思い切りお湯が掛けられた。
もちろん睦月の仕業だ。
「ちょっ、むっちゃん何すんの!?」
睦月が、自分の体を流していたシャワーを、和衣の顔面めがけて掛けたのだ。突然のことに、よけられなかった和衣は、まともにお湯をくらってしまった。
もともと風呂場で、顔も体もビチョビチョだったからいいけれど、それにしたってひどい仕打ちだ。
「カズちゃん、いろいろ気にしすぎ。俺も亮も気にしてないんだから、カズちゃんが気にすることないの」
「そぉだけどぉ…」
というかむしろ、聞くところによれば、睦月は相当酔っていたようだから、何もせずに1人で歩かせて何かあったら、そっちのほうが恨みたい。
和衣の行動は別に何も悪くないし、本人たちも何も気にしていないのだから、和衣1人で何をそんなに悩んでいるのやら。
「はぁ…。俺、いろいろ気にしすぎだよね。どうしたら俺、むっちゃんみたいに何も気になんなくなるかなぁ」
「いやいや、それって俺が痛点ない並みに鈍感みたいじゃん」
サラッと何の悪気もなく毒を吐いた和衣に、睦月はもう1回シャワーをぶっ掛けてやろうかと思ったが、和衣が本気で落ち込んでいるようなのでやめておいた。
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