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世界はやさしい (14)
2010.12.01 Wed
「?? カズちゃん、何で中何も着てないの?」
いつもジャージの下にはTシャツか何かを必ず着ているのに、なぜか今日は、ファスナーを下ろしたらいきなり裸で、和衣自身が一番驚いてしまった。
一体どうして直にジャージなんか着てしまったのだろうか。
夕べの酔っての自分の行動をあまり覚えていない和衣は、きっと亮が、そこまで世話を焼くのが面倒くさかったのだろう、なんて、脳内で勝手に責任転嫁して、風呂場に向った。
「ねぇねぇむっちゃん」
「んー?」
2人しかいない風呂場は、何となく声が響く。
頭を洗っている最中から、何となく睦月の様子を窺っているようだった和衣は、睦月が体を洗い始めると、少しだけ椅子を近付けて話し掛けてきた。
「あのさぁ…」
何か言いたいようだが、何だか口籠っている和衣に、睦月は、早く喋れ、というよりは、さっさと体を洗えばいいのに、と思ってしまう。
普段もそうだが、一緒に風呂に来ても、絶対に睦月のほうが早く上がってしまうのは、単に和衣が湯船に浸かっている時間が長いからだけではなくて、頭や体を洗うのにモタモタしているせいもあるのだ。
「あのさぁ、むっちゃーん…」
「だから、何?」
タオルにボディソープを垂らしたきり、泡立てもせずに和衣はさらに睦月に詰め寄った。
「昨日、帰る途中に、亮に会ったじゃん?」
「うん」
「そんとき、女の子とかもいたじゃん?」
「いたね」
「みんな酔っ払ってたし、しょーがないのは分かってんだけど、でも亮、女の子に…」
言い掛けて、亮が酔っ払った女の子に腕を組まれていたなんて、もしかしたら睦月はそんなこと覚えていないかもしれないのに、と思ったら、思わず言葉が止まってしまった。
「何、カズちゃん。どうした?」
「えっと…だから…」
「もしかしてカズちゃん、昨日亮が女の子に腕組まれてんの見て、俺にそれが気になんないか、聞きたいの?」
「ぅ…」
しかし和衣の考えていることなんて、大体睦月はお見通しなのだ。
すっかり見抜かれていた和衣は、やはり言葉を詰まらせてしまうが、気を取り直してさらに睦月に詰め寄った。
「だってむっちゃん、気になんないの?」
「別に」
「そんなの」
睦月にあっさりと答えられて、和衣は唇を尖らせた。
「だってそんなのいちいち気にしてたら、切りなくない?」
「そぉだけど…。でももしそれが祐介だったらさ、俺…絶対そんなの気になるもん」
あの女の子が、わざと見せつけるとか、ましてや亮をその気にさせようとか、そんなつもりがないことは分かるけれど、でも世の中にはそんな子だって、いないとは限らない。
でもそれは、睦月が言うように、言い出したら切りがないことだし、まるで亮のことを全然信用していないようだ。
それは和衣もよく分かっているのだけれど、もし同じように祐介が女の子に、あんなふうに絡まれていたら、とても睦月のように割り切って考えることなんて、出来そうもない。
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いつもジャージの下にはTシャツか何かを必ず着ているのに、なぜか今日は、ファスナーを下ろしたらいきなり裸で、和衣自身が一番驚いてしまった。
一体どうして直にジャージなんか着てしまったのだろうか。
夕べの酔っての自分の行動をあまり覚えていない和衣は、きっと亮が、そこまで世話を焼くのが面倒くさかったのだろう、なんて、脳内で勝手に責任転嫁して、風呂場に向った。
「ねぇねぇむっちゃん」
「んー?」
2人しかいない風呂場は、何となく声が響く。
頭を洗っている最中から、何となく睦月の様子を窺っているようだった和衣は、睦月が体を洗い始めると、少しだけ椅子を近付けて話し掛けてきた。
「あのさぁ…」
何か言いたいようだが、何だか口籠っている和衣に、睦月は、早く喋れ、というよりは、さっさと体を洗えばいいのに、と思ってしまう。
普段もそうだが、一緒に風呂に来ても、絶対に睦月のほうが早く上がってしまうのは、単に和衣が湯船に浸かっている時間が長いからだけではなくて、頭や体を洗うのにモタモタしているせいもあるのだ。
「あのさぁ、むっちゃーん…」
「だから、何?」
タオルにボディソープを垂らしたきり、泡立てもせずに和衣はさらに睦月に詰め寄った。
「昨日、帰る途中に、亮に会ったじゃん?」
「うん」
「そんとき、女の子とかもいたじゃん?」
「いたね」
「みんな酔っ払ってたし、しょーがないのは分かってんだけど、でも亮、女の子に…」
言い掛けて、亮が酔っ払った女の子に腕を組まれていたなんて、もしかしたら睦月はそんなこと覚えていないかもしれないのに、と思ったら、思わず言葉が止まってしまった。
「何、カズちゃん。どうした?」
「えっと…だから…」
「もしかしてカズちゃん、昨日亮が女の子に腕組まれてんの見て、俺にそれが気になんないか、聞きたいの?」
「ぅ…」
しかし和衣の考えていることなんて、大体睦月はお見通しなのだ。
すっかり見抜かれていた和衣は、やはり言葉を詰まらせてしまうが、気を取り直してさらに睦月に詰め寄った。
「だってむっちゃん、気になんないの?」
「別に」
「そんなの」
睦月にあっさりと答えられて、和衣は唇を尖らせた。
「だってそんなのいちいち気にしてたら、切りなくない?」
「そぉだけど…。でももしそれが祐介だったらさ、俺…絶対そんなの気になるもん」
あの女の子が、わざと見せつけるとか、ましてや亮をその気にさせようとか、そんなつもりがないことは分かるけれど、でも世の中にはそんな子だって、いないとは限らない。
でもそれは、睦月が言うように、言い出したら切りがないことだし、まるで亮のことを全然信用していないようだ。
それは和衣もよく分かっているのだけれど、もし同じように祐介が女の子に、あんなふうに絡まれていたら、とても睦月のように割り切って考えることなんて、出来そうもない。
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