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世界はやさしい (13)
2010.11.30 Tue
「あのっ…昨日ゴメン…」
着替えを出そうとクロゼットに頭を突っ込んでいる睦月に気付かれないよう、和衣が小さな声で謝ると、亮は少し驚いたように眉を上げた。
「カズちゃーん」
和衣が続きを話そうと口を開き掛けたのに、パンツ(もちろん下着のほう)を手にした睦月が和衣を呼んだ。
「あ、うん…。あの、亮、後で…」
二日酔いがどうとかと言う以前に、まだ寝起きの睦月は、それほど機嫌がよくないようで、なかなか風呂に行く支度をしてくれない和衣に、焦れたような声を上げる。
これ以上は睦月を待たせられないと、和衣は亮に謝ると急いで部屋を出た。
ここは亮と睦月の部屋だから、和衣が風呂に行くために支度するには、いったん自分の部屋に戻らなければならないのだ。
部屋に戻って着替えを用意していたら、自分が着ているのが亮のジャージだということに気が付いた。
しかも、慌てて出てきてしまったから、昨日着ていた服も、カバンも、みんな置いて来てしまっていた。
(後で取りに行かなきゃ…)
どうせ風呂に行くのだから、携帯電話も財布も必要ない。
今はとりあえず早く用意して、睦月の機嫌をこれ以上損ねないことが先決だ。
「ゴメンむっちゃん、お待たせ」
和衣が急いで部屋を出ると、睦月がパンツ(何度も言うが、下着のほう)とタオルだけを持って立っていた。
どうやら着替えを持っていくのも面倒くさかったらしく、部屋で着替えてきたようだ。
それにしても、ここが男子しかいない寮で、一緒に風呂に行くのも和衣だからいいけれど、せめてそのタオルで持っているパンツを隠せばいいのに。
「あ。昨日カズちゃんが連れて帰って来てくれたんでしょ? 俺のこと。ありがと」
「んーん。むっちゃん、大丈夫? 二日酔いとかなってない?」
「へーきだけど、眠い。お酒飲んだ次の日は、こんな眠くなんの? 俺、今まで1回もそんなことないよ?」
「いっぱい飲んだからじゃない? 俺も眠い」
2人してあくびをしながら、寮の風呂場に辿り着いた。
今まで使える時間の決まっていた風呂場も、入寮者の要望から、シャワーだけならいつでも使えるようになったのだが、2人が時間外に使うのは今日が初めてだった。
本当にシャワー使えるのかな? と、自分たち以外のいない風呂場で、和衣は念のため、シャワーのお湯が出るか、服のまま確認しに行く。
素っ裸になった後、やっぱりお湯が出なかったら、すごく間抜けだから。
「…カズちゃん、服のまんま何してんの?」
ちゃんとお湯が出たことを確認して、和衣が脱衣場に戻ると、もう全部服を脱ぎ終えた睦月が訝しむように和衣を見ていた。
「ホントにお湯が出るか、確かめてたの!」
「出るでしょ、そりゃ」
「念のための確認だもん。むっちゃん、待ってよ」
さっさと風呂場に向かおうとする睦月を引き止めて、和衣は着ていたジャージの前ファスナーを下ろし…………そして「ギャッ」と悲鳴を上げた。
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着替えを出そうとクロゼットに頭を突っ込んでいる睦月に気付かれないよう、和衣が小さな声で謝ると、亮は少し驚いたように眉を上げた。
「カズちゃーん」
和衣が続きを話そうと口を開き掛けたのに、パンツ(もちろん下着のほう)を手にした睦月が和衣を呼んだ。
「あ、うん…。あの、亮、後で…」
二日酔いがどうとかと言う以前に、まだ寝起きの睦月は、それほど機嫌がよくないようで、なかなか風呂に行く支度をしてくれない和衣に、焦れたような声を上げる。
これ以上は睦月を待たせられないと、和衣は亮に謝ると急いで部屋を出た。
ここは亮と睦月の部屋だから、和衣が風呂に行くために支度するには、いったん自分の部屋に戻らなければならないのだ。
部屋に戻って着替えを用意していたら、自分が着ているのが亮のジャージだということに気が付いた。
しかも、慌てて出てきてしまったから、昨日着ていた服も、カバンも、みんな置いて来てしまっていた。
(後で取りに行かなきゃ…)
どうせ風呂に行くのだから、携帯電話も財布も必要ない。
今はとりあえず早く用意して、睦月の機嫌をこれ以上損ねないことが先決だ。
「ゴメンむっちゃん、お待たせ」
和衣が急いで部屋を出ると、睦月がパンツ(何度も言うが、下着のほう)とタオルだけを持って立っていた。
どうやら着替えを持っていくのも面倒くさかったらしく、部屋で着替えてきたようだ。
それにしても、ここが男子しかいない寮で、一緒に風呂に行くのも和衣だからいいけれど、せめてそのタオルで持っているパンツを隠せばいいのに。
「あ。昨日カズちゃんが連れて帰って来てくれたんでしょ? 俺のこと。ありがと」
「んーん。むっちゃん、大丈夫? 二日酔いとかなってない?」
「へーきだけど、眠い。お酒飲んだ次の日は、こんな眠くなんの? 俺、今まで1回もそんなことないよ?」
「いっぱい飲んだからじゃない? 俺も眠い」
2人してあくびをしながら、寮の風呂場に辿り着いた。
今まで使える時間の決まっていた風呂場も、入寮者の要望から、シャワーだけならいつでも使えるようになったのだが、2人が時間外に使うのは今日が初めてだった。
本当にシャワー使えるのかな? と、自分たち以外のいない風呂場で、和衣は念のため、シャワーのお湯が出るか、服のまま確認しに行く。
素っ裸になった後、やっぱりお湯が出なかったら、すごく間抜けだから。
「…カズちゃん、服のまんま何してんの?」
ちゃんとお湯が出たことを確認して、和衣が脱衣場に戻ると、もう全部服を脱ぎ終えた睦月が訝しむように和衣を見ていた。
「ホントにお湯が出るか、確かめてたの!」
「出るでしょ、そりゃ」
「念のための確認だもん。むっちゃん、待ってよ」
さっさと風呂場に向かおうとする睦月を引き止めて、和衣は着ていたジャージの前ファスナーを下ろし…………そして「ギャッ」と悲鳴を上げた。
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