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世界はやさしい (11)
2010.11.28 Sun
「昨日、カズがここまで連れて来てくれたんだよ。覚えてない?」
「…………、カズちゃんと一緒に帰った記憶はある。でも、ここまで来た覚えがない」
「帰る途中で俺に会ったのは?」
「何となく覚えてる」
あぁ、うん。そう言えば和衣と一緒に帰っている途中、亮に会ったっけ。
でも次に気付いたときには、自分のベッドで目を覚ました状態……というか、それは今だ。
「俺、いっぱい飲んだのかな?」
「分かんないけど……記憶なくすくらいなんだから、結構飲んだんじゃない?」
一緒にいたわけではないから、実際の飲酒量は分からないが、昨日会ったときに見た限り、睦月は相当酔っ払っていたから、恐らく今まで亮と一緒に飲んだときよりは、飲んでいるのだろう。
「…………、…お風呂行ってくる…」
「いいけど、大丈夫?」
昨日、帰って来てそのまま寝てしまっているから、睦月が風呂に行きたがる気持ちは分かるが、具合が悪いとか、まだアルコールが抜け切れていないとかだったら、風呂に行かせるのは、ちょっと危ない気がする。
一緒に行ってもいいけれど、亮は睦月が起きる前に、もうシャワーをして来てしまったのだ。
とりあえず付いて行って、脱衣所のところで待っていようか、そこまで過保護にする必要もないか。
「だいじょーぶ。カズちゃんも連れてこう」
「カズ起こすの? 起きるか?」
空になったペットボトルを亮に返して、睦月は、うつ伏せにふとんを抱え込んで寝ている(果たしてその体勢は苦しくないのだろうか)和衣のもとに行く。
「カズちゃーん、お風呂ー」
「んぅー…」
亮は、起きないだろうなぁ、と思っていたが、睦月に呼び掛けられた和衣は、返事なのか、単なる唸り声なのか、小さく声を漏らした。
しかし、いつもはそれほど寝起きの悪くないのに、今日ばかりはすんなり目が開かないのか、睦月の呼び掛けに返事はするものの、なかなか起きようとしない。
そんな和衣に痺れを切らした睦月は、とうとう和衣の背中に乗っかってしまった。
「カズちゃん、お風呂行こうよぉ」
「おふ、ろ…? うぅ…おも…」
やはり上に乗った睦月が重いのだろう、目は開けていないが、和衣はキュウと眉を寄せている。
「カズちゃーん」
「ぅん…? むっちゃ、ん…?」
そろそろ上から睦月を退かしてやったほうがいいだろうか、と亮が思ったところで、和衣が重たいまぶたを少し開けた。
「カズちゃん、起きた?」
「ん…」
上に乗ったままの睦月に問われ、働かない頭のまま、和衣は素直に頷く。
どうして自分の背中に睦月が乗っているのかなんて、全然分かっていないだろうし、もしかしたら寝惚けているせいで、不思議にも思っていないかもしれない。
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「…………、カズちゃんと一緒に帰った記憶はある。でも、ここまで来た覚えがない」
「帰る途中で俺に会ったのは?」
「何となく覚えてる」
あぁ、うん。そう言えば和衣と一緒に帰っている途中、亮に会ったっけ。
でも次に気付いたときには、自分のベッドで目を覚ました状態……というか、それは今だ。
「俺、いっぱい飲んだのかな?」
「分かんないけど……記憶なくすくらいなんだから、結構飲んだんじゃない?」
一緒にいたわけではないから、実際の飲酒量は分からないが、昨日会ったときに見た限り、睦月は相当酔っ払っていたから、恐らく今まで亮と一緒に飲んだときよりは、飲んでいるのだろう。
「…………、…お風呂行ってくる…」
「いいけど、大丈夫?」
昨日、帰って来てそのまま寝てしまっているから、睦月が風呂に行きたがる気持ちは分かるが、具合が悪いとか、まだアルコールが抜け切れていないとかだったら、風呂に行かせるのは、ちょっと危ない気がする。
一緒に行ってもいいけれど、亮は睦月が起きる前に、もうシャワーをして来てしまったのだ。
とりあえず付いて行って、脱衣所のところで待っていようか、そこまで過保護にする必要もないか。
「だいじょーぶ。カズちゃんも連れてこう」
「カズ起こすの? 起きるか?」
空になったペットボトルを亮に返して、睦月は、うつ伏せにふとんを抱え込んで寝ている(果たしてその体勢は苦しくないのだろうか)和衣のもとに行く。
「カズちゃーん、お風呂ー」
「んぅー…」
亮は、起きないだろうなぁ、と思っていたが、睦月に呼び掛けられた和衣は、返事なのか、単なる唸り声なのか、小さく声を漏らした。
しかし、いつもはそれほど寝起きの悪くないのに、今日ばかりはすんなり目が開かないのか、睦月の呼び掛けに返事はするものの、なかなか起きようとしない。
そんな和衣に痺れを切らした睦月は、とうとう和衣の背中に乗っかってしまった。
「カズちゃん、お風呂行こうよぉ」
「おふ、ろ…? うぅ…おも…」
やはり上に乗った睦月が重いのだろう、目は開けていないが、和衣はキュウと眉を寄せている。
「カズちゃーん」
「ぅん…? むっちゃ、ん…?」
そろそろ上から睦月を退かしてやったほうがいいだろうか、と亮が思ったところで、和衣が重たいまぶたを少し開けた。
「カズちゃん、起きた?」
「ん…」
上に乗ったままの睦月に問われ、働かない頭のまま、和衣は素直に頷く。
どうして自分の背中に睦月が乗っているのかなんて、全然分かっていないだろうし、もしかしたら寝惚けているせいで、不思議にも思っていないかもしれない。
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