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世界はやさしい (10)
2010.11.27 Sat
翌朝、珍しく(本っっっ当に珍しく)、睦月が誰にも起こされることなく目を覚ました。
「…りょう」
そのとき亮はすでに起きていて、何となく雑誌を眺めていたが、睦月に名前を呼ばれて、それが特別大きな声だったとか、そういうことでもないのに、ビックリして顔を上げた。
だって、睦月が誰かに起こされることなく目を覚ますなんて、そんなことあり得ないと、亮は本気で思っていたから。
「むっちゃん、起きてたの?」
「…ん」
起きたとは言っても、睦月はただ目を開けているだけで、ベッドにうつ伏せになった状態で枕に横顔を押し付けて、眠そうな顔で亮のことを見ていた。
「具合は? 悪くない? 気持ち悪いとか頭痛いとか」
「…………、ない、けど…、……」
少しも体勢を変えないまま、睦月がボソボソと答える。
「ん? 何?」
「何か…、目がもしょもしょする…」
何だかよく分からない言葉で今の状態を説明する睦月に、亮は「何それ」と眉を寄せながらも、ベッドのそばに行って、起き上がろうとする睦月を手伝ってやった。
けれど、もそりと起き上がった睦月は、ベッドの上にペタンと座ったまま、目をゴシゴシしている。まだ寝惚けているのかもしれない。
「むっちゃん?」
「んー…」
「ちょっそんなに目擦っちゃダメだって」
起きたはいいけれど全然目が開かないのか(睦月の言うところの、『もしょもしょする』状態なのだろう)、不機嫌そうな唸り声を上げながら、しつこく両目を擦っている。
慌てて亮が止めに入れば、睦月は手を止めて亮を見た。
「亮ー…」
「むっちゃん、具合は? 悪くないの」
「…ないの」
気持ち悪いとか、具合が悪いとかいう以前に、まだ完全には覚醒していないらしく、睦月の頭はフラフラと舟を漕いだみたくなっている。
「起きる?」
「…起きる」
「ご飯は?」
「…食べる。…いらない」
「どっち」
普段の寝起きよりもずっと低いテンションで受け答えする睦月に、亮は苦笑しつつ、ミネラルウォーターのペットボトルを渡す。
気分が悪くないのだとしても、昨夜はだいぶアルコールを摂取したようだし、やはり飲ませておいたほうがいいかな、と思って。
「…………」
「ぅん?」
「カズちゃんがいる」
睦月が素直に、渡されたペットボトルに口を付けていると、亮のベッドで丸くなっている和衣を発見した。
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「…りょう」
そのとき亮はすでに起きていて、何となく雑誌を眺めていたが、睦月に名前を呼ばれて、それが特別大きな声だったとか、そういうことでもないのに、ビックリして顔を上げた。
だって、睦月が誰かに起こされることなく目を覚ますなんて、そんなことあり得ないと、亮は本気で思っていたから。
「むっちゃん、起きてたの?」
「…ん」
起きたとは言っても、睦月はただ目を開けているだけで、ベッドにうつ伏せになった状態で枕に横顔を押し付けて、眠そうな顔で亮のことを見ていた。
「具合は? 悪くない? 気持ち悪いとか頭痛いとか」
「…………、ない、けど…、……」
少しも体勢を変えないまま、睦月がボソボソと答える。
「ん? 何?」
「何か…、目がもしょもしょする…」
何だかよく分からない言葉で今の状態を説明する睦月に、亮は「何それ」と眉を寄せながらも、ベッドのそばに行って、起き上がろうとする睦月を手伝ってやった。
けれど、もそりと起き上がった睦月は、ベッドの上にペタンと座ったまま、目をゴシゴシしている。まだ寝惚けているのかもしれない。
「むっちゃん?」
「んー…」
「ちょっそんなに目擦っちゃダメだって」
起きたはいいけれど全然目が開かないのか(睦月の言うところの、『もしょもしょする』状態なのだろう)、不機嫌そうな唸り声を上げながら、しつこく両目を擦っている。
慌てて亮が止めに入れば、睦月は手を止めて亮を見た。
「亮ー…」
「むっちゃん、具合は? 悪くないの」
「…ないの」
気持ち悪いとか、具合が悪いとかいう以前に、まだ完全には覚醒していないらしく、睦月の頭はフラフラと舟を漕いだみたくなっている。
「起きる?」
「…起きる」
「ご飯は?」
「…食べる。…いらない」
「どっち」
普段の寝起きよりもずっと低いテンションで受け答えする睦月に、亮は苦笑しつつ、ミネラルウォーターのペットボトルを渡す。
気分が悪くないのだとしても、昨夜はだいぶアルコールを摂取したようだし、やはり飲ませておいたほうがいいかな、と思って。
「…………」
「ぅん?」
「カズちゃんがいる」
睦月が素直に、渡されたペットボトルに口を付けていると、亮のベッドで丸くなっている和衣を発見した。
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