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世界はやさしい (6)
2010.11.23 Tue
和衣ボンヤリと閉じたままのドアを見つめるが、あれからどのくらい時間が経ったのか、亮の帰ってくる気配はない。
和衣があんなことを言ったから、遅くまで楽しんでくるのだろうか。それとも、帰りたくても他の仲間が帰してくれないのかも。
(亮も、むっちゃん酔っ払ってたから、きっと心配だろうな。でも俺…)
亮にすげない対応をしてしまったことに、今さらながら後悔する。
和衣は思いのほか、考えなしに何かしてしまうことが多いが、今日は酔っ払っていたせいもあって、よく考えればとても理不尽なことをしてしまった。
亮に、電話してみようか。
やっぱり帰って来て、て。
(でも亮、怒ってたらどうしよう…)
こんなに酔っ払ってしまったけど、睦月は何も悪くないから、睦月のために帰って来てと言えば、許してくれるだろうか。
和衣のことは許さなくてもいいから、睦月のことは嫌いにならないでほしい。
お酒を飲んでいるときも、面倒くさかったけど酔っ払った睦月を連れて帰っているときもずっと楽しかったのに、何だか急に泣きたいような気分になってしまった。
それでも和衣は、ダメもとで亮に電話をしてみようと、投げ出していたカバンから携帯電話を取り出した。
履歴の中から見つけた亮の名前にホッとしながら通話ボタンを押せば、耳元に届く呼び出し音と――――聞き覚えのある着信音。
「えっ?」
ほぼ同時に、2種類の音がして、和衣はわけが分からず視線だけを彷徨わせた(本当は辺りをきょろきょろしたかったのだが、思うように体が動かなかった)。
それほど大きな音ではないが、着信音はドアの向こうから聞こえてくる。そのドアの向こうでは、携帯電話の着信音だけではない、何やらガサガサと気配。
和衣は携帯電話を耳に当てたまま、ジッとドアのほうを見つめた。
(誰…?)
和衣の心臓は、バカみたいにうるさく高鳴る。
睦月はもう熟睡してしまっているし、もし何かヤバい人だったら、和衣が1人でどうにかしないと。
カチャリ――――ドアノブが回る。ドアが開く。
「ゃ…」
「え、お前ここにいたの?」
「りょ、う…」
恐怖のあまり、和衣は思わず声を漏らしたが、現れたのは、着信音が鳴りっ放しの携帯電話を持った亮だった。
亮は部屋の中にいた和衣に驚きつつも、電話の主がそれ以上に驚いた顔で自分のほうを見つめているので、何となく事情を察して電話を切った。
「亮…お帰り…」
「え、あ、うん」
街で偶然会ったとき、酔った睦月を連れて帰ることに使命感を燃やしていたから、どこにも寄らず寮に戻ったとは思っていたが、まさか和衣もこの部屋にいるとは思わなかったので、少しビックリした。
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和衣があんなことを言ったから、遅くまで楽しんでくるのだろうか。それとも、帰りたくても他の仲間が帰してくれないのかも。
(亮も、むっちゃん酔っ払ってたから、きっと心配だろうな。でも俺…)
亮にすげない対応をしてしまったことに、今さらながら後悔する。
和衣は思いのほか、考えなしに何かしてしまうことが多いが、今日は酔っ払っていたせいもあって、よく考えればとても理不尽なことをしてしまった。
亮に、電話してみようか。
やっぱり帰って来て、て。
(でも亮、怒ってたらどうしよう…)
こんなに酔っ払ってしまったけど、睦月は何も悪くないから、睦月のために帰って来てと言えば、許してくれるだろうか。
和衣のことは許さなくてもいいから、睦月のことは嫌いにならないでほしい。
お酒を飲んでいるときも、面倒くさかったけど酔っ払った睦月を連れて帰っているときもずっと楽しかったのに、何だか急に泣きたいような気分になってしまった。
それでも和衣は、ダメもとで亮に電話をしてみようと、投げ出していたカバンから携帯電話を取り出した。
履歴の中から見つけた亮の名前にホッとしながら通話ボタンを押せば、耳元に届く呼び出し音と――――聞き覚えのある着信音。
「えっ?」
ほぼ同時に、2種類の音がして、和衣はわけが分からず視線だけを彷徨わせた(本当は辺りをきょろきょろしたかったのだが、思うように体が動かなかった)。
それほど大きな音ではないが、着信音はドアの向こうから聞こえてくる。そのドアの向こうでは、携帯電話の着信音だけではない、何やらガサガサと気配。
和衣は携帯電話を耳に当てたまま、ジッとドアのほうを見つめた。
(誰…?)
和衣の心臓は、バカみたいにうるさく高鳴る。
睦月はもう熟睡してしまっているし、もし何かヤバい人だったら、和衣が1人でどうにかしないと。
カチャリ――――ドアノブが回る。ドアが開く。
「ゃ…」
「え、お前ここにいたの?」
「りょ、う…」
恐怖のあまり、和衣は思わず声を漏らしたが、現れたのは、着信音が鳴りっ放しの携帯電話を持った亮だった。
亮は部屋の中にいた和衣に驚きつつも、電話の主がそれ以上に驚いた顔で自分のほうを見つめているので、何となく事情を察して電話を切った。
「亮…お帰り…」
「え、あ、うん」
街で偶然会ったとき、酔った睦月を連れて帰ることに使命感を燃やしていたから、どこにも寄らず寮に戻ったとは思っていたが、まさか和衣もこの部屋にいるとは思わなかったので、少しビックリした。
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