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世界はやさしい (5)
2010.11.22 Mon
「むっちゃん、お水飲むー?」
「んー…いらな…」
「飲んだほうがいいよ。冷蔵庫開けていい?」
睦月は「んー…」と、いいのかダメなのかよく分からない声を出したが、和衣は構わず冷蔵庫を開け、未開封のミネラルウォーターを見つけると、勝手に取り出した。
亮のものだとしても、ミネラルウォーターの1本くらいで怒りはしないだろうから。
「はい」
「…ん」
キャップを開けて渡してやると、睦月は素直にそれを受け取って口を付けた。
何だか頭がフワフワして、和衣はベッドの傍らの床に座ると、ベッドの縁に顔を乗せる。
(何か…眠い…)
寝るなら自分の部屋に戻らなければ…と思うが、酔っ払った睦月を1人でここに残しておけないと心配する気持ちもあって、頭の中が纏まらない。
睦月をベッドに乗せただけで、和衣自身もまだそのままの格好だけど、寮に帰ってきたことで少しホッとして気が抜けたのか、和衣も急に酔いが回ってしまったようだ。
睦月が先にすごく酔っ払ってしまったので、和衣は自分までも酔っ払えないとずっと気を張っていたが、実のところ、和衣も結構な量のお酒を飲んでいたのだ。
(むっちゃん、着替えさせないと…)
ペットボトルを和衣に返したところで、睦月からはすぐに寝息が聞こえて来た。きっとこのまま朝まで起きないだろう。
しかし睦月の着替えのありかは分からないし、探す気力もないし、というか、動きたくない。
(…むっちゃんは、気になんないのかな…。亮が女の子に腕組まれたの)
和衣の頭の中に、先ほどの光景が蘇る。
女の子も酔っ払ってそうしただけで、それ以上の他意がないのは分かるし、それを無理やり引き剥がすのも何だか大人げないから、亮がそうしなかったのも分かる。
けれど、和衣は頭で分かっていても、感情のほうが言うことを聞いてくれない。
だってもしあれが祐介で、変な意味がないにしても、女の子にあんなふうに腕を組まれたら、和衣は嫉妬でどうにかなりそうだ。
でも。
(亮……俺がむっちゃんと手繋いでたの、どー思ったんだろ…)
亮は確かに女の子に腕を組まれていたけれど、和衣だって睦月と手を繋いでいた。和衣がこんなふうに思ったみたいに、もしかしたら亮だって嫌な気持ちになっていたかも。
和衣は自分が嫉妬深い性格であるのを知っているけれど、それをどこまで人に当て嵌めていいかが分からない。
睦月は、バレンタインに亮が女の子からチョコを貰っても全然気にしていなかったし、翔真も意外とそんなタチだ。
じゃあ、亮は?
(亮は気にすんのかな、しないかな。俺だったら何かヤダな。祐介がむっちゃんと手繋いでたら、むっちゃんが酔っ払ってるからでも、…でも俺、繋いじゃった。亮、ヤダったかな…)
先ほどから、同じことばかりがグルグルと頭の中を回る。
結局こんなことに結論などなくて、人によって捉え方も違うのは分かっているけれど、和衣の酔いが回った頭は、どうしても結論を導き出そうとがんばる。
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「んー…いらな…」
「飲んだほうがいいよ。冷蔵庫開けていい?」
睦月は「んー…」と、いいのかダメなのかよく分からない声を出したが、和衣は構わず冷蔵庫を開け、未開封のミネラルウォーターを見つけると、勝手に取り出した。
亮のものだとしても、ミネラルウォーターの1本くらいで怒りはしないだろうから。
「はい」
「…ん」
キャップを開けて渡してやると、睦月は素直にそれを受け取って口を付けた。
何だか頭がフワフワして、和衣はベッドの傍らの床に座ると、ベッドの縁に顔を乗せる。
(何か…眠い…)
寝るなら自分の部屋に戻らなければ…と思うが、酔っ払った睦月を1人でここに残しておけないと心配する気持ちもあって、頭の中が纏まらない。
睦月をベッドに乗せただけで、和衣自身もまだそのままの格好だけど、寮に帰ってきたことで少しホッとして気が抜けたのか、和衣も急に酔いが回ってしまったようだ。
睦月が先にすごく酔っ払ってしまったので、和衣は自分までも酔っ払えないとずっと気を張っていたが、実のところ、和衣も結構な量のお酒を飲んでいたのだ。
(むっちゃん、着替えさせないと…)
ペットボトルを和衣に返したところで、睦月からはすぐに寝息が聞こえて来た。きっとこのまま朝まで起きないだろう。
しかし睦月の着替えのありかは分からないし、探す気力もないし、というか、動きたくない。
(…むっちゃんは、気になんないのかな…。亮が女の子に腕組まれたの)
和衣の頭の中に、先ほどの光景が蘇る。
女の子も酔っ払ってそうしただけで、それ以上の他意がないのは分かるし、それを無理やり引き剥がすのも何だか大人げないから、亮がそうしなかったのも分かる。
けれど、和衣は頭で分かっていても、感情のほうが言うことを聞いてくれない。
だってもしあれが祐介で、変な意味がないにしても、女の子にあんなふうに腕を組まれたら、和衣は嫉妬でどうにかなりそうだ。
でも。
(亮……俺がむっちゃんと手繋いでたの、どー思ったんだろ…)
亮は確かに女の子に腕を組まれていたけれど、和衣だって睦月と手を繋いでいた。和衣がこんなふうに思ったみたいに、もしかしたら亮だって嫌な気持ちになっていたかも。
和衣は自分が嫉妬深い性格であるのを知っているけれど、それをどこまで人に当て嵌めていいかが分からない。
睦月は、バレンタインに亮が女の子からチョコを貰っても全然気にしていなかったし、翔真も意外とそんなタチだ。
じゃあ、亮は?
(亮は気にすんのかな、しないかな。俺だったら何かヤダな。祐介がむっちゃんと手繋いでたら、むっちゃんが酔っ払ってるからでも、…でも俺、繋いじゃった。亮、ヤダったかな…)
先ほどから、同じことばかりがグルグルと頭の中を回る。
結局こんなことに結論などなくて、人によって捉え方も違うのは分かっているけれど、和衣の酔いが回った頭は、どうしても結論を導き出そうとがんばる。
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