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世界はやさしい (4)
2010.11.21 Sun
「りょーおくん! 誰そのかわいい子ー!」
和衣がどうしよう…と戸惑っていると、やたら元気のいい声がして、いきなり背後から女の子が亮に飛び付き腕を組んだ。
勢いで亮の体が少し前につんのめる。
「ちょっ…、だからおんなじ大学の…」
勝手に腕を組まれた亮は、やんわりとその腕を解こうとしたが、酔っ払ってテンションの高くなっている女の子は、そう簡単に離してくれない。
周囲もそんな亮たちを、勝手に盛り上げている。
「よろしく~」
女の子は自己紹介をしながら和衣たちに深く頭を下げたが(お酒が回っていて、思うように体が動かないだけかもしれない)、酔っ払っても人見知り全開の睦月は、少しだけ会釈をして、和衣の後ろに隠れてしまった。
「えと…バイトの、送別会?」
「…終わった。二次会あったけど、むっちゃん酔っ払っちゃったから、出ないで帰んの」
女の子に腕を組まれたままの亮に尋ねられ、和衣は少しだけ素っ気なく答える。
和衣は、仕方なくだが睦月と手を繋いでしまって、亮に申し訳ない気持ちでいたのに、亮は睦月の前で女の子に腕を組まれても、あんまり気にしていないようにも見えるから。
「じゃ、俺も帰る…」
「えぇー、ダメェ~~~、亮くん、帰っちゃヤダ~」
帰る素振りを見せた亮に、不満の声を露わにしたのは、腕を組んでいるのとは別の女の子だった。
他の男の子も、まだ帰るなよ~、と亮を引き止めている。
「大丈夫、ちゃんと連れて帰るから。亮、まだ飲んできなよ」
「え、ちょっ…」
和衣の言葉に、亮でなく周りが盛り上がってしまい、亮が戸惑っている隙に、和衣は睦月を連れてその場を去った。
*****
亮に対して、もしかしたらちょっと態度が悪かったかもしれない。
それに、亮が一緒に帰ってくれるなら、こんなに大変な思いをせずに、睦月を連れて帰って来れたかもしれない。
けれどアルコールの回った頭では、それ以上は考えることも出来なくて、和衣はしょうがないんだと無理やり自分を納得させて、寮に戻った。
「むっちゃん、鍵ー」
「んー…カバン中…」
高かった睦月のテンションも収まり、今ではいつ寝てもおかしくない状態。それでも睦月は、何とか鍵のありかを和衣に伝えた。
亮が先に帰って来ているなんて、そんなことはやはりなくて、部屋の中は暗く静まり返っている。
「…っしょ」
和衣は睦月をベッドに下ろすと、大きく息をついた。
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和衣がどうしよう…と戸惑っていると、やたら元気のいい声がして、いきなり背後から女の子が亮に飛び付き腕を組んだ。
勢いで亮の体が少し前につんのめる。
「ちょっ…、だからおんなじ大学の…」
勝手に腕を組まれた亮は、やんわりとその腕を解こうとしたが、酔っ払ってテンションの高くなっている女の子は、そう簡単に離してくれない。
周囲もそんな亮たちを、勝手に盛り上げている。
「よろしく~」
女の子は自己紹介をしながら和衣たちに深く頭を下げたが(お酒が回っていて、思うように体が動かないだけかもしれない)、酔っ払っても人見知り全開の睦月は、少しだけ会釈をして、和衣の後ろに隠れてしまった。
「えと…バイトの、送別会?」
「…終わった。二次会あったけど、むっちゃん酔っ払っちゃったから、出ないで帰んの」
女の子に腕を組まれたままの亮に尋ねられ、和衣は少しだけ素っ気なく答える。
和衣は、仕方なくだが睦月と手を繋いでしまって、亮に申し訳ない気持ちでいたのに、亮は睦月の前で女の子に腕を組まれても、あんまり気にしていないようにも見えるから。
「じゃ、俺も帰る…」
「えぇー、ダメェ~~~、亮くん、帰っちゃヤダ~」
帰る素振りを見せた亮に、不満の声を露わにしたのは、腕を組んでいるのとは別の女の子だった。
他の男の子も、まだ帰るなよ~、と亮を引き止めている。
「大丈夫、ちゃんと連れて帰るから。亮、まだ飲んできなよ」
「え、ちょっ…」
和衣の言葉に、亮でなく周りが盛り上がってしまい、亮が戸惑っている隙に、和衣は睦月を連れてその場を去った。
*****
亮に対して、もしかしたらちょっと態度が悪かったかもしれない。
それに、亮が一緒に帰ってくれるなら、こんなに大変な思いをせずに、睦月を連れて帰って来れたかもしれない。
けれどアルコールの回った頭では、それ以上は考えることも出来なくて、和衣はしょうがないんだと無理やり自分を納得させて、寮に戻った。
「むっちゃん、鍵ー」
「んー…カバン中…」
高かった睦月のテンションも収まり、今ではいつ寝てもおかしくない状態。それでも睦月は、何とか鍵のありかを和衣に伝えた。
亮が先に帰って来ているなんて、そんなことはやはりなくて、部屋の中は暗く静まり返っている。
「…っしょ」
和衣は睦月をベッドに下ろすと、大きく息をついた。
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