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おでこ体温計 (後編)
2010.11.05 Fri
「……」
突然のキスに不意を突かれた亮は、はぁ~…と溜め息をついた。
キスくらい……でも、こんな不意打ちには慣れていない。
だって相手は睦月だし。
今までに付き合ってきた女の子たちなら、こんなこと、きっと計算でするんだろうけど、睦月の場合、まったくの無自覚で天然なんだから、タチが悪い。
いつもだったら、おねだりしたって、睦月からキスなんてしてくれないくせに。
「だって、顔近かったんだもん」
「何それ…。じゃあ今度から、キスしてほしくなったら、睦月に顔近付けたらいいの? そしたらキスしてくれる?」
亮がちょっとだけ呆れたように言えば、「気が向いたらね」と睦月はクスクス笑っている。
ついでに鼻もグズグズさせている。
「はい、もうお喋りは終わり。寝ようね、むっちゃん」
「熱は? 測るのやめたの?」
「後で体温計借りて来る」
きっと祐介か和衣あたりなら、体温計とか風邪薬を持っていそうなので、睦月を寝かせたら聞きに行こう。
でも寝る前に、風邪薬?
いや、薬の前にご飯だ。
「はい、着替えてベッドー」
「うー…」
やはり具合が悪いのをごまかし切れなくなったのか、睦月はスウェットに着替えると、素直にベッドに潜り込んだ。
「ちょっと寝てて。おかゆ作ったげるから。それ食べて、薬飲んで、熱測って、そんで寝るの」
「うぇー…そんなにいっぱい、いろんなことしなきゃいけないの?」
「いけないの」
しなければいけない、とはいっても、大したことではない。
おかゆだって、作るのは亮だ。
「とりあえず、体温計借りて来るね」
「亮、またおでこで測ってよー」
鼻のところまでふとんを引っ張り上げて、睦月が甘えるみたいな声を出す。
それで睦月がキスしてくれるなら、おでこで検温も満更ではないけれど、ひとまず今は正確な体温を測らないと。
「亮ー」
「ダーメ。キスしたくなっちゃうから」
「今ならしてあげたい気分」
「治ったらね」
とっても魅力的な申し出だけど、今は心を鬼にする。
今は睦月とのキスに溺れている場合ではない。
「はい、目閉じて」
「ぅんー…」
拗ねても、いつもみたくプンプン怒り出す元気がないのか、睦月は言われるがままに目を瞑る。
ズブズブとふとんに埋もれて、けれど息苦しくなったのか、やっぱり睦月は顔を出した。
「お休み、むっちゃん」
「…すみ」
風邪薬を分けてもらって、おかゆ作って、食べさせて、薬を飲んだら。
熱が下がったかどうか、おでこを合わせて測ってみよう。
ねぇ、風邪が治っていたら、キスしてくれる?
(顔をうんと近付けるからさ)
*END*
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突然のキスに不意を突かれた亮は、はぁ~…と溜め息をついた。
キスくらい……でも、こんな不意打ちには慣れていない。
だって相手は睦月だし。
今までに付き合ってきた女の子たちなら、こんなこと、きっと計算でするんだろうけど、睦月の場合、まったくの無自覚で天然なんだから、タチが悪い。
いつもだったら、おねだりしたって、睦月からキスなんてしてくれないくせに。
「だって、顔近かったんだもん」
「何それ…。じゃあ今度から、キスしてほしくなったら、睦月に顔近付けたらいいの? そしたらキスしてくれる?」
亮がちょっとだけ呆れたように言えば、「気が向いたらね」と睦月はクスクス笑っている。
ついでに鼻もグズグズさせている。
「はい、もうお喋りは終わり。寝ようね、むっちゃん」
「熱は? 測るのやめたの?」
「後で体温計借りて来る」
きっと祐介か和衣あたりなら、体温計とか風邪薬を持っていそうなので、睦月を寝かせたら聞きに行こう。
でも寝る前に、風邪薬?
いや、薬の前にご飯だ。
「はい、着替えてベッドー」
「うー…」
やはり具合が悪いのをごまかし切れなくなったのか、睦月はスウェットに着替えると、素直にベッドに潜り込んだ。
「ちょっと寝てて。おかゆ作ったげるから。それ食べて、薬飲んで、熱測って、そんで寝るの」
「うぇー…そんなにいっぱい、いろんなことしなきゃいけないの?」
「いけないの」
しなければいけない、とはいっても、大したことではない。
おかゆだって、作るのは亮だ。
「とりあえず、体温計借りて来るね」
「亮、またおでこで測ってよー」
鼻のところまでふとんを引っ張り上げて、睦月が甘えるみたいな声を出す。
それで睦月がキスしてくれるなら、おでこで検温も満更ではないけれど、ひとまず今は正確な体温を測らないと。
「亮ー」
「ダーメ。キスしたくなっちゃうから」
「今ならしてあげたい気分」
「治ったらね」
とっても魅力的な申し出だけど、今は心を鬼にする。
今は睦月とのキスに溺れている場合ではない。
「はい、目閉じて」
「ぅんー…」
拗ねても、いつもみたくプンプン怒り出す元気がないのか、睦月は言われるがままに目を瞑る。
ズブズブとふとんに埋もれて、けれど息苦しくなったのか、やっぱり睦月は顔を出した。
「お休み、むっちゃん」
「…すみ」
風邪薬を分けてもらって、おかゆ作って、食べさせて、薬を飲んだら。
熱が下がったかどうか、おでこを合わせて測ってみよう。
ねぇ、風邪が治っていたら、キスしてくれる?
(顔をうんと近付けるからさ)
*END*
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テーマ:自作BL小説 ジャンル:小説・文学
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柚子季 杏 ⇒ No title
はぁ~~~~可愛い可愛い可愛い~~~~!!!!
亮もむっちゃんも可愛い!!!!
にまにまととっても幸せな気分にさせて頂きました♪
治ったら、いっぱいちゅ~してあげてね、むっちゃん(*´∀`*)
亮もむっちゃんも可愛い!!!!
にまにまととっても幸せな気分にさせて頂きました♪
治ったら、いっぱいちゅ~してあげてね、むっちゃん(*´∀`*)
如月久美子 ⇒ >柚子季さん
> はぁ~~~~可愛い可愛い可愛い~~~~!!!!
> 亮もむっちゃんも可愛い!!!!
キャー! こんなに「可愛い」をいただけるなんて!
亮タンもかわいく仕上がってますか!? 嬉しいです(*^_^*)
むっちゃんの場合、まったく計算がないんで、それが亮タンの心を鷲掴みしちゃうんでしょうね。
でも果たして風邪が治った後、素直にチューしてあげるんでしょうか…? (笑)
コメントありがとうございました!
> 亮もむっちゃんも可愛い!!!!
キャー! こんなに「可愛い」をいただけるなんて!
亮タンもかわいく仕上がってますか!? 嬉しいです(*^_^*)
むっちゃんの場合、まったく計算がないんで、それが亮タンの心を鷲掴みしちゃうんでしょうね。
でも果たして風邪が治った後、素直にチューしてあげるんでしょうか…? (笑)
コメントありがとうございました!