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繁華街☆激濃ムラサキヴァイオレンス (87)
2010.10.30 Sat
「アッキー、俺のこと好きなの?」
まっすぐに見つめられたまま尋ねられ、瑛貴はその視線と頬を押さえる手から逃げようとするが、依織はそれを許してくれない。
「俺は、アッキーのこと好きだよ?」
強い視線のまま、依織はその想いを伝える。
瑛貴は涙を浮かべたまま、困惑した表情でいる。だってそんな、以前のようにごまかすことなんて出来ない告白。
「だからアッキーも、俺のこと好きになって、もっと」
「…………ダメ…」
やっとの思いで瑛貴は声を絞り出す、その返事はNoだった。
しかし依織の表情は絶望に変わることはなく、どうして? と穏やかな顔で、しかし黙秘は許さないというように首を傾ける。
「依織は……俺のこと好きになったらダメ…」
「何で?」
「ダメ、だから…」
「そんなの、答えになってない」
追い詰める。
たった1つの答えを聞き出したくて。
なのに瑛貴の心は難攻不落だ。
「だって…、俺のこと好きになったら、俺が依織のこと好きになったら…、……依織が傷付く」
「意味分かんない」
この期に及んで、瑛貴は一体何を言い出すのだろう。
自分のせいで真夕子を傷付けてしまったように、想いを寄せ合えば、依織も傷付けてしまうと思っているのだろうか。
けれどそんなの、今さらだ。
傷付かない恋愛なんて、あるわけがない。
だからお願い、
「アッキー、」
「ッ、ヤダ…! やっぱ俺、真夕ちゃんのことが好きっ…」
「、」
答えを迫ろうとする依織の手を振り払って、瑛貴は膝を抱えて顔をうずめた。
依織は好きだし、会えなくなるのも嫌だし、でも、やっぱり真夕子のことが好きだ。
「……アッキー…」
その震える肩に、依織はもう、瑛貴に手を伸ばすことは出来なかった。
…結局、瑛貴を傷付けてしまった。
真夕子を傷付けたのも、瑛貴を苦しめるのも、彼から愛する人を失わせたのも、みんなみんな、
「ゴメン…、俺のせいだね…」
依織は瑛貴の前にへたり込んだ。
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まっすぐに見つめられたまま尋ねられ、瑛貴はその視線と頬を押さえる手から逃げようとするが、依織はそれを許してくれない。
「俺は、アッキーのこと好きだよ?」
強い視線のまま、依織はその想いを伝える。
瑛貴は涙を浮かべたまま、困惑した表情でいる。だってそんな、以前のようにごまかすことなんて出来ない告白。
「だからアッキーも、俺のこと好きになって、もっと」
「…………ダメ…」
やっとの思いで瑛貴は声を絞り出す、その返事はNoだった。
しかし依織の表情は絶望に変わることはなく、どうして? と穏やかな顔で、しかし黙秘は許さないというように首を傾ける。
「依織は……俺のこと好きになったらダメ…」
「何で?」
「ダメ、だから…」
「そんなの、答えになってない」
追い詰める。
たった1つの答えを聞き出したくて。
なのに瑛貴の心は難攻不落だ。
「だって…、俺のこと好きになったら、俺が依織のこと好きになったら…、……依織が傷付く」
「意味分かんない」
この期に及んで、瑛貴は一体何を言い出すのだろう。
自分のせいで真夕子を傷付けてしまったように、想いを寄せ合えば、依織も傷付けてしまうと思っているのだろうか。
けれどそんなの、今さらだ。
傷付かない恋愛なんて、あるわけがない。
だからお願い、
「アッキー、」
「ッ、ヤダ…! やっぱ俺、真夕ちゃんのことが好きっ…」
「、」
答えを迫ろうとする依織の手を振り払って、瑛貴は膝を抱えて顔をうずめた。
依織は好きだし、会えなくなるのも嫌だし、でも、やっぱり真夕子のことが好きだ。
「……アッキー…」
その震える肩に、依織はもう、瑛貴に手を伸ばすことは出来なかった。
…結局、瑛貴を傷付けてしまった。
真夕子を傷付けたのも、瑛貴を苦しめるのも、彼から愛する人を失わせたのも、みんなみんな、
「ゴメン…、俺のせいだね…」
依織は瑛貴の前にへたり込んだ。
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COMMENT-FORM
音夜 ⇒ あー・・・どうしたものか
切ないですねぇみんな(ノд`)アッキーくんは依織くんと彼女との間で揺れている段階で、自分の中で気持ちの整理をするより先に、彼女から別れ話を切り出されてしまったので、頭の中が混乱してるんでしょーね。どっちも好きというのは、今のアッキーくんの本音なのかもしれないのかな?とか思いつつ拝読させて頂いてます。うん、確かにアッキーくんはめちゃ不器用な男だwでもそれだけに純粋なんでしょうね。そして彼女は潔いというか、男前だっwさらに、依織くんが切な過ぎる・・・。みんな幸せになって欲しいと願ってんですが・・・。
- |2010.10.30
- |Sat
- |15:46
- |URL
- |EDIT|
如月久美子 ⇒ >音夜さん
アッキーは、間違いなく今も真夕ちゃんのことが好きなんですよね。
で、真夕ちゃんも、アッキーのことが嫌いになったわけでもなくて。
だから何で別れないといけないのか、全然分かんないという……ホント、中学生か!? て突っ込みたくなりますが、不器用で純粋な子です。
真夕ちゃんのこと気に入っていただけて嬉しいです(*^_^*)
でも、切ない思いをさせてしまって申し訳ありません!
きっと彼女のことだから、これからもっと幸せになってくれると思います!
コメントありがとうございました!
で、真夕ちゃんも、アッキーのことが嫌いになったわけでもなくて。
だから何で別れないといけないのか、全然分かんないという……ホント、中学生か!? て突っ込みたくなりますが、不器用で純粋な子です。
真夕ちゃんのこと気に入っていただけて嬉しいです(*^_^*)
でも、切ない思いをさせてしまって申し訳ありません!
きっと彼女のことだから、これからもっと幸せになってくれると思います!
コメントありがとうございました!